雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

タイムカプセル

2012-02-01 20:33:04 | 

折原一著"タイムカプセル"を読みました。
すっきりとしない話です。
中学生の時タイムカプセルを埋めることに参加した
人者達のところへ手紙が届きます。
夜中に「郵便」といって差出人が直接置いていきます。
10年後に掘り出す約束で埋めました。
その日が迫ってきました。
手紙には集まる日付が記されています。
石原綾香はタイムカプセルに参加しましたが事故で
骨折して卒業式もタイムカプセルを埋めるのにも参加
できませんでした。
今はカメラマンになるため努力してます。
石原綾香、湯浅孝介、鶴巻賢太郎、三輪美和、冨永ユミ、
笹倉文雄の六人と担任の武田亮二、そして不登校の
大河原周作と不破勇の二人が参加者です。
綾香はルポを書こうと思い立ちタイムカプセルに参加した
中学の同級生に当時のことや現在のことを聞いてまわります。
各人がタイムカプセルを埋めた当時の状況を語ります。
聞いてまわるうちに皆には隠してしていることがあると
わかってきます。
"ホール"という言葉を聞くと皆落ち着かなくなります。

不登校の生徒の家に何回か武田は訪れています。
大河内は途中から不登校になりました。
不破は引越してきた最初から不登校で家に行っても
顔を見たことがありません。
武田は本気で不登校の生徒と向き合おうとしている
わけではなく、責任は果たしているのだと言う
ためにやっているという感じの先生です。

以下ねたばれです。

綾香を除いた5人は卒業の記念にと夜中に集まって
学校の裏山にあるトンネルになっている防空壕の
探検に出かけました。
まっくらな中洞窟で点呼をとると6人目の人が
返事をしました。
恐怖にかられた彼らはあわてて逃げだし1人では
開けられない扉を閉めてしまいました。
その話しを誰にもしませんでした。
幽霊だと思いつつも彼らは人を殺してしまったと
いう気持ちをずっと持っています。

湯浅が行方不明になりました。
掘り出す当日に湯浅と大河内、不破を除くメンバーが
集まりました。
不破の入れたものを取り出して不破と呼ぶと顔を
見たことがなかった不破が現れました。
あの日の六人目だったと告白します。
助け出されていたのです。

湯浅は大河内の家に監禁されていたのを助け出されます。
大河内はみんなが謝りにくるのをずっと待って、部屋に
閉じこもっていました。
郵便を配って歩いたのは父親でした。

なんだか嫌な話です。
人だったかもしれないと思いつつ、人なら死んで
しまうとわかっていてそのままにしておこうとする
心情がわかりません。
これが普通の感覚だとは思えません。

不登校の人はいない人という感じです。
先生の態度も同様です。
これも人のことなんてどうだっていという世相なんで
しょうね。