


日本競馬の祭典・第80回日本ダービー(東京優駿 GI・芝2400m 18頭立て)が26日、東京競馬場で行われました。2010年生まれのサラブレッド7197頭の頂点をかけ、優駿18頭が出走した今年の日本ダービーは、朝日杯&皐月賞馬⑧ロゴタイプ、皐月賞からの巻き返しを狙う⑨エピファネイアと②コディーノ、毎日杯&京都新聞杯で重賞2連勝中の①キズナ、他にもNHKマイルカップとの2冠を狙う⑬マイネルホウオウ、青葉賞馬⑦ヒラボクディープ、プリンシパルステークスの勝ち馬⑫サムソンズプライド、共同通信杯を勝った⑤メイケイペガスター、⑩タマモベストプレイなどが参戦しました。
レース直前の単勝の上位人気は、1番人気がキズナ(2.9倍)、2番人気がロゴタイプ(3.0倍)、エピファネイア3番人気(6.1倍)。4番人気以降はコディーノ(7.1倍)、ヒラボクディープ(20.7倍)、メイケイペガスター(27.6倍)、マイネルホウオウ(37.3倍)、③アポロソニック(61.6倍)と続きました。
スタンド前からのスタートで、キズナ、ロゴタイプ、エピファネイア、コディーノの有力勢は揃って好スタート。メイケイペガスターはやや遅れ気味。注目の先行争いは、サムソンズプライドがアポロソニックをかわすが、アポロも食らいついて2頭並ぶような感じでゴール板通過。ロゴタイプは4番手、コディーノ6,7番手付近、エピファは中団の位置、キズナは後方に下げて1コーナーを回りました。
1,2コーナー中間点のところで、アポロソニックが先頭、サムプラ2番手、離れた3番手にフラムドグロワール、内側4番手に⑯ペプチドアマゾン、その後ろの5番手にロゴタイプがつけている。向正面に差し掛かり、ペガスターが外からスーッと進出し、一気に先頭まで浮上。7番手④クラウンレガーロ、8番手⑱ミヤジタイガ、中団グループにはコディ、エピファ、ベストプレイ、ヒラボクディープが控えている。中団より後ろにはホウオウと⑥ラブリーデイ、キズナは15番手で追走し、⑪テイエムイナズマ16番手、後方は⑰レッドレイブンと⑭アクションスターという展開。
3コーナーを回り、残り1000m付近でエピファネイアがバランスを崩すが、なんとか福永祐一騎手持ち直した。そんな中、先頭がメイケイペガスターに代わり、アポロが2番手、ペプチドが単独4番手に上がり、ロゴタイプは6番手。コディーノとエピファネイアもまだ中団。キズナはまだ馬群の後ろ。脚力はまだ溜めたまま。先頭を行くアポロソニックとメイケイペガスターは早くも4コーナーから最後の直線に入り、残り500mでアポロが先頭に立つ。ロゴタイプは真ん中に持ち出し、ペプチドやエピファ、コディも好位で追い上げ、キズナは大外から届くのか!?残り200mでペプチドアマゾンとロゴタイプがアポロソニックに迫り、さらにはエピファネイアとキズナもやってきて、先頭争いは横一線!残り100mでエピファが先頭に躍り出るが、外から伸びてきたキズナが一気に捉えてゴールイン!鮮やかに、そして豪快に差し切ったキズナ、末脚一閃でダービーを制しました!!
全着順&払戻金
1着①キズナ 2分24秒3
2着⑨エピファネイア 1/2馬身
3着③アポロソニック 1馬身1/4
4着⑯ペプチドアマゾン ハナ
5着⑧ロゴタイプ ハナ
6着⑪テイエムイナズマ 3/4馬身
7着⑥ラブリーデイ クビ
8着⑩タマモベストプレイ ハナ
9着②コディーノ 1/2馬身
10着⑮フラムドグロワール アタマ
11着⑤メイケイペガスター クビ
12着⑰レッドレイヴン アタマ
13着⑦ヒラボクディープ 3/4馬身
14着⑭アクションスター 1/2馬身
15着⑬マイネルホウオウ クビ
16着④クラウンレガーロ 3馬身1/2
17着⑫サムソンズプライド クビ
18着⑱ミヤジタイガ 3馬身
単勝 ① 290円
複勝 ① 160円 ⑨ 240円 ③ 960円
枠連 〈1〉-〈5〉 690円
馬連 ①-⑨ 970円
馬単 ①-⑨ 1600円
ワイド ①-⑨ 460円 ①-③ 2630円 ③-⑨ 4470円
3連複 ①-③-⑨ 17130円
3連単 ①-⑨-③ 54950円
記念すべき80回目のダービーを制したのは、2005年のダービー馬ディープインパクトの子・キズナでした。直線で大外から追い込み、ゴール前でエピファネイアを捉えて差し切り勝ち。単勝1番人気の支持にしっかりと応え、7197頭の頂点に登り詰めました。2着に終わったエピファネイアは、3コーナー辺りで躓いて落馬しそうになるも持ち直し、残り100mで一旦は先頭に立ったけど、キズナに差されて半馬身差で敗れました。福永騎手も「勝った!」と思っただけに、さぞかし悔しかったでしょう。福永家の悲願成就は一体いつになるのか?
皐月賞との2冠を狙ったロゴタイプは5着。好位にいながらも抜け出せず。2400mでは長かったようだ。コディーノは伸び切れず9着。藤沢和雄厩舎は今回3頭出しで挑みましたが、残り2頭はフラムドグロワール10着、レッドレイヴンは12着と惨敗。NHKMC馬のマイネルホウオウは15着に終わりました。
優勝したキズナに騎乗した武豊騎手は、2005年以来のダービー制覇で通算5勝目。自身の持つダービー最多勝記録を更新しました。2005年にディープインパクトに騎乗して優勝、その8年後にその息子の馬に乗って優勝。同一騎手による父仔制覇は、ダービー80年の歴史で初めてとなります。先週は弟・幸四郎騎手がオークスを勝ち、今週は兄が続きました。2週連続で武兄弟がGI勝ちって素晴らしいですね~。管理する佐々木昌三調教師は、厩舎開業20年目でクラシック初勝利&同レース初制覇。また、ディープインパクト産駒は昨年のディープブリランテに続き、ダービー連覇達成です。
ダービー馬となったキズナは、2走前の毎日杯、前走・京都新聞杯、そして今回の日本ダービーで重賞3連勝。初めての左回り、相手が皐月賞組、長距離輸送と不安要素がありましたが、それらを一気にひっくり返してしまいました。ユタカ騎手の好騎乗も見事だったと思います。最後の直線で末脚を炸裂させたシーンは、先日の京都新聞杯の再現、いや8年前の父親を彷彿とさせ、先頭でゴールした瞬間は本当に鳥肌が立ち、感動してしまいました!今まで見てきたダービーの中で、最高のレースだったと思います。
この秋の目標は「凱旋門賞」に挑戦するプランがあり、既に登録を済ませています。オルフェーブル、ジェンティルドンナとの対決がフランスで実現したら、見ないわけにはいかないでしょう。凱旋門賞は3歳馬の斤量が軽くなるから、日本勢初優勝も期待できそう。とにかく、80代目のダービー馬の今後の動向にも要チェックですね。
オークス&ダービーの3歳牡牝の大レースが終わり、来週・6月2日は上半期の古馬マイル王決定戦・安田記念が行われます。マイルチャンピオンシップの勝ち馬・サダムパテック、GI2勝で前哨戦のマイラーズカップを勝ったグランプリボス、巻き返しを図るカレンブラックヒル、ヴィクトリアマイルで悲願のGI初制覇を果たしたヴィルシーナ、さらにスプリントGI3勝のロードカナロアがマイルに挑戦。そして香港からグロリアスデイズとヘレンスピリットの2頭が参戦します。他にも京成杯スプリングカップを勝ったダイワマッジョーレ、ダークシャドウとショウナンマイティの「中距離組」も登録しています。GI馬と中距離重賞の勝ち馬が参戦し、豪華メンバーとなりそうだから非常に楽しみな一戦となるでしょう。




