北京オリンピック5日目は、男子体操団体の決勝、柔道では女子63kg級で谷本歩実選手、男子81kg級・小野卓志選手、女子サッカー1次リーグ最終戦・なでしこジャパンVSノルウェー代表の試合が行われました。
男子体操団体の連覇に挑む日本は予選を2位で通過、予選では首位・中国とは5点以上の差で追いかける展開になりました。日本は1つ目の種目・床で中瀬卓也、沖口誠、内村航平の3人が登場。1人目の中瀬は最後に着地ミスがあって15.000、沖口は着地の乱れもあって15.275、内村は完璧な演技を見せて15.700。3人の合計点で45.975点と好スタートを切ります。2種目のあん馬は鹿島丈博、冨田洋之、坂本功貴が登場。最初の富田は15.150、2人目の坂本はバランスの乱れが影響して14点台、あん馬が得意の鹿島はほぼ完璧な演技で15.575、3人の合計は45.575。一方の中国はあん馬で16点台を出す選手が出て、3人の合計点で46.025点を日本を上回り、2種目終了時点で日本が91.550で7位、中国は91.950で6位。
吊り輪で中国が3人とも16点台の高得点を叩き出します。対する日本は中瀬が15.4点台、坂本は15.5点台、富田は15.950点の結果に。3種目を終えて日本は総合4位、中国は総合2位まで浮上してきました。跳馬で日本は鹿島が着地ミス、坂本がラインをはみ出してともに15点台前半とポイントを伸ばせず。内村は完璧な内容で16点台。跳馬は46.750点という結果に終わりました。中国はエース・楊威が16.600の高スコアもあり49点台。総合でも首位に浮上してライバルを引き離します。日本は総合3位で金メダルはほぼ絶望的、2位アメリカとのメダル争いとなります。
平行棒では中国は3人で49.025点、日本は坂本が15点台、内村は15.9点台、富田は16.150の高得点を叩き出します。そして最後の鉄棒で中瀬がコールマンを成功させますが、伸身の新月面からの着地で乱れて15.525、内村は15.450、最後の富田はコールマン、コスミックと続き、最後は着地が決まってフィニッシュ。富田は15.625点。日本は278.875点で全種目終了。アメリカを交わして銀メダル獲得。金メダルの中国は286.125点で圧勝しました。
柔道は女子63kg級で谷本歩実選手、男子81kg級・小野卓志選手が登場。小野選手は初戦の2回戦で世界王者のチアゴ・カミロ(ブラジル)と対戦。試合はチアゴに技あり1、有効2を取られて完敗しました。正直言えば相手が悪かったとしか言えないでしょう。そのチアゴは準々決勝で敗退し、小野の敗者復活戦行きは無くなりました。
谷本選手は2回戦でベネズエラのバレットと対戦し、開始1分15秒に横四方固めで押さえ込み、そのまま25秒経過して一本勝ち。3回戦の孔慈英(韓国)戦では、試合序盤に谷本に指導1が入りますが、2分過ぎに谷本の上四方固めが決まって一本。準決勝はキューバのゴンザレスと対戦した谷本は、序盤から積極的に技を仕掛けると、相手の指導で谷本がリードします。2分経過前にゴンザレスが大内刈りを見せますが、谷本は腹ばいで阻止。残り2分で有効を奪うと、そのまま寝技に入ります。最初は横四方→途中から崩れ縦四方に移行して一本勝ち。3試合連続で寝技による一本勝ちで決勝進出です。そして決勝戦、谷本はライバルのデコス(フランス)と対戦。1分20秒過ぎにデコスが足を掛けますが、その反動を利用して内股で一本!谷本歩実がオール一本勝ちで2連覇達成です!
谷本選手強かったですね~!アテネ五輪でもオール一本勝ちで優勝したので、2大会連続でオール一本勝ちで金メダル獲得ということになります。五輪連覇を経験している谷亮子選手や内柴正人選手でも優勢勝ちの試合はあるので、オール一本で連覇できたのは神がかり的なものですよねぇ。準決勝までの3試合は寝技で一本、決勝ではドコスに足を掛けられながらも内股で一本勝ち。投げられたドコスは放心状態でした。次は世界選手権で金メダル獲得、北京と同様オール一本勝ちで決めて欲しいです。これで日本は3つ目の金メダル獲得です。
体操は2大会連続のメダル獲得。前回のアテネは奇跡的な金メダルでしたが、北京では金メダルに終わりました。やっぱり中国は上手で強かったです。やはり跳馬での内容が総合成績でつながったんじゃないでしょうか…。富田選手や鹿島選手もよく頑張ってくれたし、最年少の内村選手はロンドンにつながる演技を見せてくれたんじゃないかと思います。たぶんロンドンではエース的存在になるでしょう。でもこれで終わったわけじゃありません。団体の借りは個人総合、種目別で返せるはずです。それでも中国は手強いよな…。だって楊威がいるんだもん。とにかく個人でもメダルを期待しています。団体はお疲れ様でした。そして銀メダル獲得おめでとうございます。