明暗分かれた２頭のステイゴールド産駒。フェノーメノがGI初勝利、ゴールドシップは５着に沈む。

春の古馬№１決定戦・第147回天皇賞・春（GI・芝3200ｍ 18頭立て）が28日、京都競馬場で行われました。勢いと脂の乗った４歳＆５歳世代、大ベテランの11歳の馬までが出走した今年の春天は、GI４勝目を狙う⑧ゴールドシップの１強モードと言われていました。それに待ったをかけようと、ゴールドシップと同期のステイゴールド産駒⑥フェノーメノ、京都で重賞２勝の①トーセンラー、2009年の覇者で今年10歳を迎えた⑩マイネルキッツ、2010年覇者④ジャガーメイル、さらにはイギリスから参戦してきた⑬レッドカドー、国内最強せん馬⑰レッドデイヴィス、８年連続春天挑戦の11才馬⑪トウカイトリック、先日急逝したエアグルーヴを母に持つ⑫フォゲッタブル、阪神大賞典２着③デスペラードなどが参戦しました。


レース直前の単勝オッズは、ゴールドシップが単勝1.3倍と断然の１番人気に支持され、２番人気がフェノーメノ（6.2倍）。10倍を切ったのは２頭のみ。３番人気以降はトーセンラー、⑦アドマイヤラクティ、デスペラード、レッドカドー、⑱ムスカテール、ジャガーメールと続きました。
向正面からのスタートで、ゴールドシップはゲートが開いた直後、いつものように後方に下げる。トーセンラーが好スタートを見せるも、②サトノシュレンが先手を奪う。２番手にムスカテール、３番手⑯トウカイパラダイス、⑨ユニバーサルバンク、⑭コパノジングー、⑮カポーティースターの３頭が４番手集団を形成。マイネルキッツ７番手、フェノーメノはその後ろの８番手追走。中団グループのところにはトーセンラーとアドマイヤラクティ、レッドカドーがいる。注目のゴールドシップは後方２番手、デスペラードがわずかに最後方。１周目スタンド前に入ったところで早くも縦長の展開となり、先頭でレースを引っ張るサトノシュレンは、最初の1000ｍを59秒台で通過。２番手の内側にパラダイス、外の３番手にムスカテール。フェノーメノは７番手、トーセンラーは９,10番手、ラクティ12番手、ゴールドシップはスタンド前で２頭交わして15番手でゴール板を通過しました。
１～２コーナーから２周目の向正面に入り、先頭で逃げるサトノシュレンが２番手以降を大きく引き離しにかかり、トウカイパラダイスが単独２番手に浮上。３番手にムスカテール、少し離れた４番手にユニバーサルバンク、ジングー５番手、カポーティー６番手、７番手にフェノーメノが追走。８番手にマイネルキッツ。中団グループは、９番手トーセンラー、アドマイヤラクティ10番手、11番手レッドデイヴィス、12番手レッドカドー、トリック13番手、14番手で控えるゴールドシップはまだ仕掛けない。後方はフォゲッタブル15番手、16番手ジャガーメイル、⑨メイショウカンパク17番手、デスペラード依然としてしんがりという展開。
外回り３コーナーで、サトノシュレンが大逃げを打ち、フェノーメノとトーセンラー、ゴールドシップが坂の下りで進出し始める。サトノシュレンと後続との差は徐々に縮まり、残り600ｍで先頭争いはトウカイパラダイス、フェノーメノ、トーセンラーの３頭。ゴールドシップは４番手、ジャガーメイルやレッドカドーも好位に進出。４コーナーから最後の直線コースに差しかかり、フェノーメノが先頭に躍り出て、トーセンラー２番手で追う。真ん中からはレッドカドーが３番手まで上がってきた。ゴールドシップは末脚が伸びてこない。これは万事休すだ。完全に抜け出したフェノーメノ、後続を振り切って先頭でゴールイン！フェノーメノ春天制覇で無冠返上成る！そしてゴールドシップは５着に沈みました…。


全着順＆払戻金
１着⑥フェノーメノ　　　　　　３分14秒2
２着①トーセンラー　　　　　　　１馬身1/4
３着⑬レッドカドー　　　　　　 　２馬身
４着⑦アドマイヤラクティ　　　　１馬身3/4
５着⑧ゴールドシップ　　　　 　　クビ
６着④ジャガーメイル　　　　　 3/4馬身
７着⑤マイネルキッツ　　　　　 ２馬身1/2
８着⑯トウカイパラダイス　　 　ハナ
９着③デスペラード　　　　　　 ２馬身
10着⑫フォゲッタブル　　　　　ハナ
11着⑪トウカイトリック　　　　１馬身3/4
12着⑰レッドデイヴィス　　　　２馬身
13着⑨ユニバーサルバンク　　　 3/4馬身
14着⑩メイショウカンパク　　 　　クビ
15着⑮カポーティスター　　　 　　大差
16着⑱ムスカテール　　　　 　　　５馬身
17着⑭コパノジングー　　　　　　1/2馬身
18着②サトノシュレン　　　　　 　大差

単勝　 ⑥ 620円 　 　 　 　
複勝　 ⑥ 300円　 ① 650円　 ⑬ 1540円
枠連　【１】－【３】 2710円 　 　 　 　
馬連　 ①－⑥ 3190円 　
馬単 ⑥－① 6500円 　 　 　 　
ワイド ①－⑥ 930円　 ⑥－⑬ 2290円　 ①－⑬ 3750円 　 　 　
３連複 ①－⑥－⑬ 21880円 　 　 　 　
３連単 ⑥－①－⑬ 111830円


レース前は「ゴールドシップで間違いないだろう」と思われていましたが、蓋を開けてみれば２頭のステイゴールド産駒の明暗が分かれる結果に終わりました。単勝２番人気だったフェノーメノが、最後の直線で早めに抜け出し、トーセンラーとレッドカドーを抑えて優勝。４度目のGI挑戦で悲願の初制覇を果たしました。圧倒的１番人気に支持されていたゴールドシップは、２周目３コーナー辺りでロングスパートを仕掛けましたが、直線で不利を受けたり、キレのある追い込みが見られず５着に敗れました。縦長のハイペースに対応できなかったんでしょうか？阪神大賞典まで盤石の強さを見せていたのに、春の大一番で沈没するとは思わなかったな…。
春の天皇賞では2006年のディープインパクトを最後に１番人気馬の勝利がなく、今年も負けて「１番人気７連敗」となりました。「秋天」では過去に18連敗、12連敗と「１番人気大型連敗」が２回もありました。「天皇賞の呪い」は、秋から春へと変わっています。
優勝したフェノーメノに騎乗した蛯名正義騎手は、2002年のマンハッタンカフェ以来11年ぶりの春天制覇で同レース２勝目。天皇賞は春秋合わせて３勝目となります。管理する戸田博文調教師は、2006年の桜花賞以来約７年ぶりのGI勝ちで、天皇賞初勝利。ステイゴールド産駒も同レース初勝利です。お父さんが成し得なかった天皇賞制覇を、息子であるフェノーメノがやり遂げました。
フェノーメノはこれまでに青葉賞、セントライト記念、今年の日経賞とGⅡクラスで３勝していますが、GIレースでは惜敗が続きました。日本ダービーでは直線で追い込み、最後はディープブリランテとほぼ同体でゴールするも鼻差の２着に敗れ、秋の天皇賞でも２着。ジャパンカップでは５着。今回の春天では、3200ｍの長距離戦、初遠征と不安視するところが２つもありましたが、長距離輸送も苦にせず、3200ｍを走り切って１着。念願のGIタイトルを獲得し、「未完の大器」返上でここから本格化を迎えようとしているフェノーメノ。宝塚記念ではオルフェーヴル、ジェンティルドンナ、ゴールドシップとの対決に期待したいですね。


さて、この日のWIN５では、久々に１億円を超える高額配当出ました！
１レース目　東京10R オアシスステークス　⑪エアハリファ（３番人気）
２レース目　京都10R 端午ステークス　　⑭サウンドリアーナ（４番人気）
３レース目　福島11R 福島民友カップ　②アウトクラトール（15番人気）
４レース目　東京11R スイートピーステークス　⑪リラコサージュ（３番人気）
５レース目　京都11R 天皇賞・春(GI)　⑥フェノーメノ（２番人気）
というわけで、この日は１番人気が全敗に終わり、「⑪－⑭－②－⑪－⑥」の組み合わせで、払戻金は１億3372万2760円となりました。福島メインで15番人気の馬が勝った事で、残り票数が一気に減少。的中したのはわずか５票でした。
京都10Rの端午ステークスでは、初ダートのサウンドリアーナが２着に４馬身差の圧勝。リアーナは昨年のファンタジーステークスで勝利しながらも、阪神ジュベナイルフィリーズ、桜花賞といった芝GIで完敗。初ダートで圧巻のパフォーマンスを披露したことで、「３歳ダート戦線」の主役候補となりそうな予感。東京メインのオークストライアル・スイートピーステークスは、１着・リラコサージュと２着・フロアクラフトの上位２頭がオークスの優先出走権を獲得しました。


来週・５月５日は、東京競馬場で３歳マイル王決定戦「第18回NHKマイルカップ」が行われます。６戦５勝・重賞３勝を誇るエーシントップ、アーリントンカップの勝ち馬で皐月賞13着だったコパノリチャード、ニュージーランドトロフィー２着のレッドアリオン、他にもファルコンステークス覇者・インパルスヒーロー、共同通信杯２着・ゴットフリート、ザラストロ、マイネルエテルネル、サトノネプチューン、毎日杯２着・ガイヤーズヴェルトなどが登録しております。４日には東京でダービートライアルの「プリンシパルステークス」、京都ではダービーへの東上最終便・京都新聞杯（GⅡ）があります。今度の週末は３歳馬たちによる熱き戦いに注目しよう。