日本のトップホースと海外の強豪馬が集結する国際GI競走・第31回ジャパンカップ(GI・芝2400m 16頭立て)が27日、東京競馬場で行われました。今年のJCは、ドバイワールドカップを制した⑧ヴィクトワールピサと、凱旋門賞をレコードで優勝した⑬デインドリームが参戦。「現役世界王者」の2頭が府中の地で直接対決!
日本勢では秋の天皇賞馬⑯トーセンジョーダン、現役最強牝馬②ブエナビスタ、昨年の優勝馬③ローズキングダム、2010年ダービー馬⑮エイシンフラッシュ、さらには3歳馬⑫ウインバリアシオン、⑦ペルーサ、⑥トゥザグローリーなどが出走。海外からは凱旋門賞2着の⑭シャレータ(フランス)、⑪ミッションアプルーヴド(アメリカ)、⑨サラリンクス(フランス)が来日しました。
直前の単勝上位人気は、⑬デインドリームが3.3倍で1番人気、2番人気がブエナビスタ(3.4倍)、ペルーサが3番人気(7.5倍)。4番人気以降はヴィクトワールピサ、エイシンフラッシュ、トーセンジョーダン、ウインバリアシオンと続きました。
注目のスタートで、ブエナビスタが好スタートを切る一方、サラリンクスがやや立ち遅れ。スタンド前での先行争いでは、ミッションアプルーヴドが鼻を奪うと、トーセンジョーダンが2番手追走。ブエナビスタは中団より前目、デインドリームはやや後方、ヴィクトワールピサは最後方でゴール板を過ぎて行きました。
1,2コーナーを過ぎて向正面に差し掛かり、ミッションアプルーヴドが単独で逃げ、トーセンジョーダンが2番手。3番手に⑤トレイルブレイザー、トゥザグローリー4番手、7番手にペルーサ、中盤の8番手のところにブエナがつけ、ペルーサとブエナの間にローズキングダムが挟まれている。10番手にシャレータ、11番手ジャガーメイル、12番手エイシンフラッシュ。後方にいたウインバリアシオンが早くも動き、前団まで進出する勢い。デインドリームは13番手、④オウケンブルースリが後方2番手、ヴィクトワールは依然として最後方追走。どこで仕掛けるのか?
残り800mを過ぎて16頭が一団となり、バリアシオンとアプルーヴドの6枠2頭がレースを引っ張り、ジョーダン3番手で追う。トレイルやトゥザグロ4,5番手、ブエナとローキンはまだ中団待機。4コーナーから最後の直線に入ったのと同時に、デインドリームとヴィクトワールが大外に持ち出す。ウインバリアシオンがわずかに先頭に立つが、ミッションアプルーヴドが粘る。さらにはトーセンジョーダンとトレイルブレイザーも迫る。残り200mでトーセンジョーダンがわずかに前に出るが、外からブエナビスタが接近!そして残り100mを切り、ブエナがジョーダンを捕らえて先頭に立ち、そのまま1着ゴールイン!ブエナビスタが昨年の雪辱を果たし、1年ぶりのGI制覇を成し遂げました!
最終成績&払戻金
1着②ブエナビスタ 2分24秒2
2着⑯トーセンジョーダン クビ
3着①ジャガーメイル 1馬身3/4
4着⑤トレイルブレイザー 1/2馬身
5着⑫ウインバリアシオン 3/4馬身
6着⑬デインドリーム クビ
7着⑭シャレータ 1馬身1/4
8着⑮エイシンフラッシュ クビ
9着③ローズキングダム 3/4馬身
10着④オウケンブルースリ アタマ
11着⑥トゥザグローリー ハナ
12着⑨サラリンクス クビ
13着⑧ヴィクトワールピサ 4馬身
14着⑪ミッションアプルーヴド 3/4馬身
15着⑩キングトップガン 3馬身1/2
16着⑦ペルーサ 1馬身1/4
払戻金
単勝 2 340円
複勝 2 140円 16 430円 1 1660円
枠連 1-8 970円
馬連 2-16 2300円
馬単 2-16 4180円
ワイド 2-16 980円 1-2 3800円 1-16 15860円
3連複 1-2-16 80880円
3連単 2-16-1 324680円
ドバイW杯覇者&凱旋門賞馬の参戦で注目が集まった今年のジャパンカップは、単勝2番人気のブエナビスタがトーセンジョーダンとの叩き合いを制して優勝。昨年のこのレースで2着降着の悲劇を味わいましたが、今年は見事にリベンジ達成となりました。トーセンジョーダンはクビ差の2着に敗れたものの、最後まで粘りを見せました。そして3着には14番人気のジャガーメイルが入り、3連単で32万超の高配当決着。
1番人気に押されていた凱旋門賞馬のデインドリームは、6着に敗れてGI連勝ストップどころか掲示板に載れず。ロンシャンで爆発した末脚は不発、直線であまり伸びませんでした。「凱旋門賞馬はジャパンカップで勝てない」というジンクス通りの結果となりました。シャレータも7着に終わりました。ヴィクトワールピサは約8か月ぶりの休み明けが大きく響いて13着と大敗。久々の実戦でGIを使うのはやはり厳しかったようです。単勝3番人気だったペルーサはまさかの最下位16着。前走の秋天では3着に入ったのに、どうしたの?反動なのかしら?
優勝したブエナビスタは、昨年の秋の天皇賞以来約1年ぶりとなる勝利で、通算6度目のGI勝利を果たしました。また、父・スペシャルウィークは(99年優勝)とのJC親子制覇も達成。鞍上の岩田康誠騎手は、4年ぶり2度目のジャパンカップ制覇で、アヴェンチュラで勝利した秋華賞に次いで今年GI2勝目です。岩田騎手がブエナに騎乗するのは今回で4度目、ようやく勝利に導くことができました。それに久々の府中GI勝利です。
昨年は1位入線しながらも2着降着の悲劇を味わったブエナビスタ、それ以降勝てない時期が1年以上も続きました。今年に入ってからはドバイW杯で8着と惨敗、ヴィクトリアマイルでは後輩のアパパネの後塵を拝し、宝塚記念でも2着。秋に入ってからは前走の天皇賞で4着に終わり、「ブエナビスタはもう終わった」と誰もが思っていたでしょう。確かに今年のブエナは秋天まで結果が伴わかったので、正直限界なのかなと私も感じていました。しかし、今回のJCで1年ぶりの復活勝利を挙げ、まだまだ健在であることを証明。ドバイ王者と凱旋門賞馬を撃破するという価値ある勝利でしたね。
ブエナ陣営は次走出走予定の有馬記念が「国内ラストラン」になると明言。ファン投票の1回目中間発表で1位となっています。一昨年・昨年と2着惜敗、3度目の正直で有馬制覇&有終の美を飾れるのでしょうか?
次週12月4日、阪神競馬場で第12回ジャパンカップダートが行われます。ダート界のトップであるトランセンド、元ダート王・エスポワールシチーの他にも、JBCレディスクラシックの勝ち馬・ミラクルレジェンド、ラヴェリータ、ダノンカモン、トウショウフリーク、キングスエンブレムなどが出走予定。なお、外国馬の参戦はありません。欲を言えば、スマートファルコンが出て欲しかったなあ。スマファルが出れば「真のダート王」が決まる一戦だったのに。