今週から中山競馬場と阪神競馬場の春季開催が開幕。GⅠの季節がだんだん近づいて来ています。2月最後の日曜日だった26日は、中山競馬場では春競馬の幕開けを告げる「中山記念」、阪神競馬場は高松宮記念のステップレース「阪急杯」が行われました。
中山メイン・第91回中山記念(GⅡ・芝1800m 11頭立て)は、ドバイ遠征を控えている③ヴィブロスと④リアルスティール、昨年はこのレースで2着だった⑦アンビシャス、GⅠ3勝の⑨ロゴタイプ、オークス馬⑩ヌーヴォレコルト、ミルコ・デムーロ騎手が鞍上の①ネオリアリズム、中山金杯を勝った⑧ツクバアズマオーなどが参戦しました。
スタートで11頭が綺麗にそろい、その後の先行争いでロゴタイプが前に出ると、②マイネルミラノと⑪クリールカイザーが2,3番手を争う。ネオリアリズム4番手、ヌーヴォレコルト5番手、リアルスティール6番手、ヴィブロスは7番手、アンビシャスは後方2番手で1コーナーを回った。
向正面に入り、ロゴタイプ先頭、クリールカイザーが2番手、ネオリアリズムが3番手、4番手にマイネルミラノ。5番手グループにはヌーヴォレコルト,リアルスティール,ヴィブロスの3頭が固まっている。その後ろの8番手集団には、⑤サクラアンプルール・ツクバアズマオー・アンビシャスの3頭が並ぶ。そして⑥ヒラボクディープがしんがり追走。
3コーナーに差し掛かるところで、今度はミラノが先頭に浮上。リアリズムとロゴタイプが2,3番手。ヴィブロスは5番手、リアスティは6番手、アンビシャスは外からスパートをかける。
4コーナーから最後の直線に入り、ロゴタイプがマイネルミラノをかわして再び先頭に立つ。ヴィブロスとアンビシャスが追い込むが厳しいか?リアルスティールは苦しい走り。ゴール残り100mを切り、ネオリアリズムが外から追い上げ、ゴール前で粘るロゴタイプを捕らえてFINISH!またもミルコだ!ネオリアリズム差し切り勝ち!
GⅠ馬4頭+重賞ウィナーが集結した中山記念は、単勝3番人気のネオリアリズムが優勝。この日は前走の香港マイルから15キロも馬体重が増え、道中は掛かるところもありましたが、最後の直線で外からの強襲が決まりました。大幅増でも勝てたのは、ミルコ・デムーロ騎手のおかげとしか言えません…。
2着のサクラアンプレールは単勝8番人気の伏兵。3着にはロゴタイプが入りました。1番人気だったアンビシャスは追い込み届かず4着、秋華賞馬・ヴィブロスは5着、2番人気のリアルスティールは直線伸びずに8着。今回の内容だと、ドバイターフ連覇は厳しいか?
ネオリアリズムは昨年の札幌記以来となる重賞2勝目。あの時は圧倒的人気だったモーリスを破りましたが、今回はGⅠ馬4頭を一蹴しました。鞍上のミルコ・デムーロ騎手は、昨年のドゥラメンテに続いての中山記念連覇。前日のアーリントンカップ(ペルシアンナイト)に続いての重賞制覇で、2月だけで重賞5勝の荒稼ぎ。神ってるというか、ヤバいですね…。もうここまで来たら、武豊騎手の「6週連続重賞勝利」の記録に並ぶか超えてほしいところだ。
阪神メイン・第61回阪急杯(GⅢ・芝1400m 12頭立て)は、昨年の阪神カップを快勝した⑦シュウジ、重賞2勝⑤ロサギガンティア、阪神1400mは得意③ブラヴィッシモ、この日で引退する武幸四郎騎手が騎乗する①カオスモス、⑧ミッキーラブソング、④ヒルノデイバローなどが出走しました。
スタートでロサギガンティアが出遅れ。それに対してシュウジは好スタートを切って逃げるかと思いきや、カオスモスがハナに立つ。しかし、外から⑩テイエムタイホーが先頭を奪った。シュウジが3番手、4番手ブラヴィッシモ、真ん中の5番手に⑥ムーンクレスト、6番手ミッキーラブソング。その後ろの7番手グループには、ロサギガンティア・ヒルノデイバロー・②トーキングドラム・⑪ダイシンサンダーの4頭が固まっている。後方は⑨メドウラークと⑫ナガラオリオン。
内回りの3,4コーナー中間を過ぎ、カオスモスが先頭、タイホー2番手、シュウジが3番手から前を追い、ブラヴィッシモ4番手は変わらず。外からはラブソングがジワッと接近してくる。後方に置かれていたメドウとオリオンも集団に追いつき、4コーナーのところで12頭がひと塊となって最後の直線勝負へ。
直線コースに差し掛かり、カオスモスとテイエムタイホーが並び、シュウジが真ん中から追い上げる。最内からはトーキングドラム、外からはヒルノデイバローとミッキーラブソングもやってきた。残り100mでトーキングとデイバローの2頭が抜け出し、最後は並んでゴールインしたが、内で粘ったトーキングドラムが先着しました。
高松宮記念の優先出走権をかけた一戦は、圧倒的1番人気だったシュウジの独壇場かと思われましたが、単勝7番人気のトーキングドラムが、ヒルノデイバローとの接戦を制しました。ヒルノデイバローはアタマ差及ばず2着。3着に入ったナガラオリオンは、12頭中最低人気でした。デビューからダート一筋、今回が初めての芝レースでしたが、予想外の好走を見せました。3番人気のブラヴィッシモが4着、1番人気のシュウジは8着に沈み、2番人気・ロサギガンティアは出遅れが響いて9着。武幸四郎騎手鞍上のカオスモスは10着。ラスト重賞は勝利で飾れなかったけど、見せ場はあったと思います。
勝ったヒルノデイバローは、重賞初挑戦で初制覇。通算でも5勝目を挙げました。7歳でようやくオープン入りを果たし、オープン2戦目で重賞ウィナーの仲間入り。狭い最内を上手く突いたなあ。高松宮記念の切符も手にしましたが、芝1200mの実績は殆どありません。果たして、宮記念に参戦するのだろうか?
さて、2月最後の日曜日だった26日は、競馬界にとっての「年度末」でした。来月から調教師に転向する武幸四郎騎手と田中博康騎手、菅原泰夫調教師など4人の調教師がこの日を以って引退しました。
幸四郎騎手はこの日7レース騎乗。第1レースで3着に入ると、第3レースで4着。現役ラストランとなる第12レースでは、③メイショウオオカゼに騎乗しましたが、結果は9着に終わりました。
全レース終了後には引退セレモニーが行われ、兄の豊騎手から花束が贈られました。今後は1年間の準備期間を経て、来年春ごろにも幸四郎厩舎が開業予定。幸四郎さん、20年間お疲れ様でした。 第2の人生に、幸多からん事を。