日刊魔胃蹴

暑すぎてつらい。

井上尚弥がノニト・ドネアを破り、WBSSバンタム級トーナメント優勝!

2019年11月08日 | Sports

WBA&IBF世界バンタム級王座統一戦兼ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級トーナメント決勝戦「井上尚弥VSノニト・ドネア」が7日、さいたまスーパーアリーナで行われました。井上選手は1回戦でファン・カルロス・パヤノを1RでKOすると、準決勝ではエマヌエル・ロドリゲスに2Rで倒し、WBAに続きIBF王座を獲得しました。決勝の対戦相手であるドネア選手は5階級制覇を果たしたフィリピンの英雄で、現在WBAスーパー王座を保持。日本ボクシング史上最大のビッグマッチで、井上選手が「バンタム級世界一」の座を掴みとれるのか!?





第1ラウンドは井上・ドネア両者ともに左ジャブの差し合いで始まりますが、1分20秒過ぎに井上の左右のフックがドネアの画面を捉え、2分15秒辺りで右ストレートが当たります。ドネアも左ボディブローで反撃するが、最初のラウンドは井上が主導権を握った。
第2ラウンドも井上がドネアに圧力をかけ、1分5秒辺りで井上の左フックでドネアが後ろに下がる。しかし、残り51秒のところでドネアの左フックが井上の顔面を直撃。パンチを貰った井上は右瞼上を出血。
第3ラウンドは井上がプレスを掛けられながらも右ストレートを当てると、左フックも出す。第4ラウンドもドネアがプレスをかけ、井上が右のガードを高く上げて、左ジャブでリズムを取るという展開。残り30秒を切って、井上が右アッパーから左フックの連打を見せる。
第5ラウンド、1分経過後に井上が右ストレートが顔面直撃。さらに左ジャブを細かく当て続ける。残り26秒で井上の右ストレートでドネアの腰が落ちると、井上がドネアをコーナーを追い詰めてラッシュを仕掛けたが、ダウンを奪うまでには至らず。
第6ラウンドは一進一退の攻防の後、残り1分を切ってから井上の右のストレートが立て続けに当たる。
試合も後半戦に入り、第7ラウンドにドネアが右ストレートを伸ばすと、左ボディで井上のスタミナを削る。1分40秒過ぎにはドネアのワンツーが決まる。終盤に井上が左ジャブからの右ストレートを出すも、このラウンドはドネア優位という内容。
第8ラウンド、開始45秒にドネアの右ストレートが井上の顔面を捉えると、左右のボディ、フックも当たる。井上も連打を見せるが、残り30秒にドネアの右ストレートを貰うと、再び右目上に出血が目立つ。
9ラウンド、開始から攻勢に出るドネアが左のパンチで井上の顔面を跳ね上げると、右ストレートをクリーンヒット。井上はこれで膝が落ちるが、クリンチでダウンのピンチを凌いだ。
第10ラウンド、序盤から両者ともに細かくパンチを打ち合う。残り40秒で井上が右ストレート、左ジャブを当てると、重たい左ボディを炸裂。残り12秒で井上が右フックをヒットさせた後、連打も見せた。
第11ラウンド、井上の右ストレートと左フックがドネアの顔面を捉えると、左ボディと右ストレートの連打を決める。そして1分7秒頃、井上の右アッパーからの左ボディ→ドネアが顔をしかめて後ずさり→赤コーナー付近で膝をついてダウン。誰もが井上のKO勝ちかと思いきや、ドネアはカウント9で立ち上がった。再開後も井上が怒涛のラッシュでドネアを追い詰めた。
最終第12ラウンド、ドネアが井上のボディ攻撃を受けながらも前進を続け、井上も連打を見せて試合終了。
試合は判定の結果、116-111、117-109、114-113で3者ともに井上を支持。井上尚弥がドネアを判定で下し、WBSSトーナメント優勝を果たしました。





井上尚弥選手とドネア選手のバンタム級頂上決戦は、最終ラウンド終了のゴングが鳴るまで白熱した一戦でした。2019年の日本のボクシングの年間最高試合決定です!
井上選手がドネア選手を早くKOするんじゃないかと思いましたが、ドネア選手の左フックで右瞼の上をカット、さらには鼻血まで出る事態。9ラウンドにはダウン寸前まで追い込まれました。それでも11ラウンドにボディブローでダウンを奪い判定勝ち。KO勝ちの多い井上選手が12ラウンドを戦ったのは、プロになってから2度目です。内容的には大苦戦だったけれど、ドネア選手とフルラウンドまで戦えたのは、貴重な経験になると思います。
ドネア選手も試合後の取材で「井上尚弥が真のチャンピオンだった。自分のパンチを耐えられる選手は今まででいない」とコメント。ドネア選手もアウェーの中で井上選手を追い詰めたところはレジェンドの意地とプライドを感じました。
これで井上尚弥選手は、WBAスーパー王座を獲得して通算3度目の防衛、IBF王座は初防衛に成功。さらにはWBSSトーナメント優勝で「モハメド・アリトロフィー」と1億円超の優勝賞金まで獲得しました。
試合後にはアメリカのボクシングプロモート会社「トップランク社」との契約を発表。今後はWBC王座統一戦で井上拓真選手(尚弥の弟。暫定王者でした)に勝利したノルディ・ウーバーリか、WBO王座のゾラニ・テテがターゲットになるでしょう。ウーバーリ選手は尚弥選手との対戦を希望していて、来年にもWBA・IBF・WBCの3団体統一戦が実現するかもしれません。場所はボクシングの聖地・ラスベガスかな?
「バンタム級現役最強」に輝いた井上選手、今はドネア戦でできた傷を治して、また新たな伝説を作ってくれることを期待しています。

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