風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

哀しいなぁ。

2007-10-15 04:39:26 | 日々いろいろ




愛 燦々とこの身に降って
心秘かな嬉し涙を 流したりして
人はかわいい かわいいものですね
ああ過去達は 優しく睫毛に憩う
人生って 不思議なものですね

ああ未来達は 人待ち顔でほほえむ
人生って 嬉しいものですね

(美空ひばり「愛燦々」)



わたしは一体どこへ向かっていくんだろう・・・・・・。
自分で自分がぜんぜんわからない。
こんな31歳になる予定じゃぁなかったんだけどなぁ。
まぁ、なるべくしてなったような気もするが。
回り道ばかりどころか、回り道しているのかどうかもわからないよ。
私は相変わらずそんななのに、そんな私に関係なく時間はどんどん過ぎて、周りはどんどん変わっていってしまって、時間も人生もほんとうに有限なんだなぁと改めて思い知らされることが最近起きてしまって。
すごくさびしい。

昔、まだ中学生の頃、夜中に布団の中で、ほんとうに唐突にふっとこんなことを感じたのをよく覚えている。
お父さんもお母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも、お兄ちゃんも、犬も、今、みんな「ここ」にいる。
それはなんて貴重な奇跡のようなことなのか。
いつか必ずこの人たちと永遠に別れなければならない時がくる。
この中の誰か一人でもいなくなることを想像するだけで、心臓がつぶれそうなほど悲しくて、そんな日が来るなんてどうしても信じられないけど、それでも確実にいつか「その日」はくる。
そのことを、中学生の私はこの夜、体中の感覚で思い知った。
当たり前のように過ごしてるこの瞬間がどれほど貴重なものなのかを。

それから数年して、犬が死んだ。
自分が死ぬより辛いと思うほど、辛かった。
たぶんあの瞬間殺されても、恐怖なんて感じなかったと思う。それくらい辛かった。
そしてすこし落ち着いたころ、数年前のあの夜のことを思い出した。
ああ、やっぱり別れはこうして確実にくるんだと思った。
あの日私が感じたとおり、あの時の一瞬はとても貴重な一瞬だったんだ。
みんなが揃うあんな日は、もう「二度と」ない・・・。

人生には楽しいことも嬉しいことも確かにたくさんある。
でも、つらいこともたくさんあって。
みんなこんなに大変な思いをして一生懸命生きてくるのに、最期にみんな怖くて痛くて苦しい思いと闘わなくちゃ死ぬことができないなんて。一体どういうわけだ。
神様が人間に心や知能を与えたのは、何かの罰なんじゃないかと思ってしまう。
心や知能がなければ、楽しい思いもしないかもしれないけど、辛い思いもしなくて済むのに・・・。

それでもやっぱり生まれてきてよかったって、みんながそう思って死んでいくことができますように。
そして、私のまわりの人たちに対して、彼らが私より先に去ってしまっても、すこしでも後悔しないように、生きていきたい。
むこうで笑って会えるように。

先日辛くて哀しい知らせを聞いたとき、美空ひばりさんの「愛燦々」を思い出した。
祖母の大好きな曲。
そして、すごく気持ちが楽になった。
こんなに辛くて哀しくて苦しい人生だけど、それでも愛しいのだと思えてくる。
小椋佳氏はすごいと思う。

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