久しぶりのケビンスペイシーの主演作で、彼がロビイストを演じるというから面白そうだなと思って見に行きました。
日本ではロビイストという存在に馴染みが薄いせいか、大して報道されなかったらしいのですが、実際の事件を基にしています。
ブッシュ政権下、マケイン候補を蹴落としてブッシュを大統領にしたと言われるロビイスト・ジャックエイブラモフ(スペイシー)は政治に大きな影響力を持っていた。パートナーのマイケルスキャンロンバリーペッパーとともに投資でも儲けていたが、次第にクライアントを騙して法外な手数料を請求し、私腹を肥やしていくようになる。
外国人が海上でカジノを経営できないという海上法を利用して、フロリダにあるカジノ客船を買い取り表向きは大学時代の知り合いアダムキダンジョンロヴィッツに経営を任せていたが、キダンは頭金の送金をごまかし、元経営者と揉めてしまい、ついにはマフィアまでかり出して元経営者を殺害するという事件に発展してしまう。
マイケルスキャンロンの婚約者エミリーラシェルルフェーブルは、スキャンロンが浮気しているのを知り、彼らの悪事をすべてワシントンポストとFBIにばらしてしまう。
さすがのケヴィンスペイシー、常に自分自身を鼓舞しているエイブラモフをセリフを早口で捲し立て精力的に演じている。エイブラモフの妻を演じたケリープレストンのこういうシリアスな演技は初めてみたかも。軽快な作品に出ていることが多いのでちょっと意外だった。
政治ものにしては、全体的な雰囲気が重苦しくなく、時折笑いも入るしスピーディーな展開で見やすい作品に仕上がっていると思う。ただ、これはワタクシ自身の勉強不足のせいだと思うのだけど、結局彼らの行為がどこまでが合法でどこからが違法なのかっていうのがイマイチ分からなかった。エイブラモフもスキャンロンに儲け話を持ちかけられたときは「でも、それ合法か?」とか聞いていたし、カジノを買うときも「違法にならならいようにしろよ」と指示していたことを考えれば、彼が法律を破ってでも儲けてやろうと思ってはいなかったような描き方だったけど、結局それが違法であるってことは重々知っててやってたことなのかな。
エイブラモフは儲けたお金でコーシャ料理のレストランとか作ったり、ユダヤ人の子たちのための学校を設立したりと慈善的なこともやってはいて、その辺が結局エイブラモフってどんな人だったのかっていうのがちょっとよく分からなかったなー。なんか単純に欲にまみれた人ってわけでもなさそうな気がしたけど、事件を追うのに必死でそこまでの掘り下げは映画としてはしていなかったのか、ワタクシがくみ取れなかったのか。
エイブラモフを糾弾した政治家たちも賄賂を受け取っていたわけで、実際エイブラモフが言うように偽善者ではあるけど、政治家なんてやっぱそんなもんかなぁと思ったり。
邦題が「ロビイストの陰謀」となっているけど、「陰謀」というほどのもんでもなかったような気もします。エイブラモフとスキャンロンはたまったもんじゃかなったでしょうけど、スキャンロンの婚約者エミリーがスキャンロンの浮気を知って密告っていう展開がワタクシは好きで、エミリーグッジョブって感じでした。
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