公開当時見に行こうかどうか迷っていた作品です。リドリースコット監督は好きなんだけど、彼のここ数作とは相性が良くなかったので、少し敬遠してしまいました。wowowで放映があったので見たのですが、見に行っても良かったなぁと思いました。
火星探索途中に嵐に遭い、ケガをして倒れてしまったマークワトニーマットデイモン、船長のメリッサルイスジェシカチャステインはなんとか助けようとするが、最終的に彼は死んだと判断し、隊員たちは宇宙ステーションに向かう。しかしワトニーは生きていた。他の隊員が去ってしまってから目覚めたワトニーは1人火星に取り残されたことを知る。
ワトニーは植物学者なので、残された食糧を計算し、じゃがいもを種として栽培することにする。不毛の地火星でどのように植物を栽培してサバイヴするか。ワトニーが植物学者というのがうまい設定だ。ワトニーが自分の置かれた状況をただ悲観するのではなく、どこか開き直ったような感じがするのが面白い。マットデイモンのどこか子供っぽい風貌もワトニーのキャラクターにとても合っていた。この作品の魅力は色々あるけど、やっぱりこのワトニーの性格や技量によるところがとても大きいと思うので、これだけの作品を背負えるマットデイモンを選んだことは大正解だと思います。
一方NASAもワトニーが火星で1人生き残っていることを突き止め、なんとか彼を助けようとする。地上の面子もジェフダニエルズ、キウェテルイジョフォー、クリステンウィグ、ショーンビーンと結構豪華。「アポロ13」などでもあったけど、現地に存在する同じ道具や設備を用意して、まったく別の物を作り出す方法を考えたりするシーンはやはり見ていて楽しい。
こういう作品はいつも登場人物たちが発している技術的なセリフがなんのことを言っているのかさっぱり分からないくて困るんだけど、それでも宇宙ものの傑作はそれが理由でつまらなくはなったりしない。それこそ技術的なことを知っている人が見れば、そんなわけねーみたいなシーンが沢山あるのかもしれないな。分からないほうがある意味幸せか。
ワトニーとクルーたちの関係性があまり見えないのでちょっと感情移入しにくいのだけど、初めてワトニーが生きていることを知らされ、彼との通信が許されるシーンでもしめっぽいことは言わずユーモアに溢れた皮肉を言えるところがまたニクい。隊長が残していった音楽の趣味とかね。ワタクシはディスコ音楽好きだけど。
先にも書きましたが「アポロ13」と「ゼログラヴィティー」と足して2で割ったような感じかな。「プロメテウス」「悪の法則」「エクソダス」とリドリーと合わない作品が続いていたので、これは面白くてホッとしました。
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