シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

あの日の指輪を待つ君へ

2008-10-31 | シネマ あ行
キーワードは「約束」
約束に縛られて生きた人々の物語。ってとこでしょうか。

恋人テディスティーブンアメルが戦争に行ってしまう前に両親には内緒で教会で永遠の愛を誓うエセルアンミーシャバートン、後シャーリーマクレーン

戦争に行く前に親友でエセルアンに恋しているチャックデビットアルペイに自分が死んだらエセルアンを頼むと約束させるテディ。

その二人を見守るように約束するジャックグレゴリースミス、後クリストファープラマー

アイルランドでテディが死ぬ直前に「エセルアンに自由に生きて」と伝えると約束するクィンランジョントラヴァース、後ピートポスルスウェイト

ってこれ、全員がテディとの約束に縛られた人生だったんだよね。まぁ、テディと恋していたエセルアンはいいとして、自分が死んだあとに恋人を頼むなんて自分勝手すぎないか?そして、ジャックも本当はエセルアンのことが好きなのに二人を見守る約束守っちゃうし。アイルランドのクィンランもテディとの約束を果たすために50年間もテディが持っていた指輪を探し続けてるし。結局みんなテディとの約束に苦しむハメになる。しっかしみんな随分律儀に約束を守ったもんだ。

エセルアンは結局チャックと結婚するけど、娘ネーヴキャンベルとの関係はうまくいってない。夫のこともいい人だったとは言うけれど、やっぱり愛してはいなかった様子。いくら初恋の人を戦争で亡くしたからってさ、夫と娘にその仕打ちはひどいよね。結局テディのことしか愛せなかったんなら生涯独身を貫くくらいの気持ちがあっても良かったんじゃないのかな。最後もなんでだかジャックとくっついちゃうの?最初からテディの次の候補はチャックじゃなくてジャックが良かったとか?

それでも、エセルアンの初恋の人を亡くした気持ちとか、その後の人生のどうにもならない悲しみを考えると涙があふれるシーンもありました。純粋に恋愛の部分だけを見るとね、それはそれでロマンチックというか感動する部分もあるけれど。母と娘の関係についてはもう少し丁寧に描いて欲しかったな。ジャックがエセルアンをアイルランド迎えに行って、アメリカに帰ってきてからもう一度母と娘の和解のシーンを入れて欲しかったなと思いました。全体的に老人目線というと変だけど、監督が重鎮リチャードアッテンボローだけあって、年老いた人間たちが背負ってきた罪は許してやってよっていう感じがしたな。

あと、アイルランドでのIRAのテロうんぬんはちょっと余計だった気がするな。指輪を見つけたジミーマーティンマッキャンをアメリカにやるきっかけとか、エセルアンがテロの爆発で死んでいく兵士をテディと重ねているところっていうシーンのためにIRAを持ち出したのかもしれないけど、ちょっと話がブレちゃった感があった。

ジミーおばあちゃんエレノアブレンダフリッカーが「生涯その人を愛するなんて守れなるか」っていうジミーに「守れないわ。でも誓う価値はある」と言ったのが印象的でした。守れればもちろんベストベストですけどね、誓った気持ちが本物だったなら誓う価値はあるのでしょうね。


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