シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

レディエージェント~第三帝国を滅ぼした女たち

2014-01-16 | シネマ ら行

劇場未公開なのですね。ケーブルテレビで放映していたので見ました。劇場未公開なだけにDVDにするときに売れるような題名をつけないといけないのでしょう。DVD発売の題名がやたらと説明的な作品って多いですね。これもそのひとつ。「第三帝国を滅ぼした女たち」ってなんかいまいちな題名だと思いますが、内容はその通りでノルマンディー上陸作戦を成功に導くために裏で活躍したフランス人女性たちのお話です。どこからどこまでが実際にあったことかは分かりませんが、実在の人物たちをベースに作られた作品です。

ナチス支配下のフランス。ノルマンディーに連合軍を上陸させるためにドイツ兵に扮装して調査していたイギリスの地質学者が空襲で負傷。ドイツ兵士として病院に収容されている。イギリス政府の下でレジスタンス活動をしているピエールジュリアンボワッスリエとその妹ルイーズソフィーマルソーはすでにその病院に看護師として潜伏しているマリアマヤサンサと他3人(ガエルデボラフランソワ、ジャンヌジュリードパルデュー、スージーマリージラン)の女性を集め、負傷兵に慰問に訪れるダンサーのふりをして地質学者を奪還しに行く。

ナチスのハインドリッヒ大佐モーリッツブライブトロイは地質学者の正体を突き止め、彼が何を調べていたのか探るため彼を拷問にかけているところだった。危機一髪その場からは何とか地質学者を助け出し、全員無事で帰還するが、ノルマンディー上陸作戦を疑い始めているハインドリッヒ大佐を暗殺する命令が出る。

ピエールとルイーズが集めた3人はスパイのプロでもレジスタンスの闘士でも何でもなく、それぞれの得意分野をスパイ活動に生かせるということでリクルートしてきた人材だった。そのため、彼女たちは1回のはずだったこの作戦が長引いたことに不満を抱いていたし、ルイーズたちに不信感も持っていた。しかし、作戦を重ねていくたびに結束も固くなっていく。

ハインドリッヒ大佐を暗殺する計画は何度か遂行されるが、なかなかうまく行かずその中で仲間たちが死んで行ったり捕まったりしてしまう。捕まったとき用に青酸カリは持たされていたが、うまく飲むことができず、兵士として訓練を受けているピエールは耐えられたが、ガエルは拷問に耐えきれずに仲間の隠れ家をばらしたりもしてしまう。

途中ではルイーズまでもナチスに捕まり拷問を受けたりして、見ているこちらとしてはとても辛い展開が続く。何度失敗してもハインドリッヒ大佐の暗殺をやめるわけにはいかない。連合軍上陸作戦の成功が彼女たちの肩にかかっていた。

スージーが実はハインリッヒ大佐の元恋人でそれを利用するためにルイーズたちは初めからスージーを仲間に入れたのだろうけど、これは映画の演出でフィクションなのかなぁ?本当だったらスゴイな。

最初は結構イヤイヤだったジャンヌが最後には自分を犠牲にしてまでルイーズを助けて大佐暗殺を成功させようとする姿にうるっときました。ルイーズは戦後、ジャンヌの行方を探し続けていたようですが、やはり悲劇的な最期で終わってしまいましたね。ジャンヌを演じたジュリードパルデューは名前を見れば分かる通り、ジェラールドパルデューの娘さんだそうですね。彼女が出演している映画はいままで見ているのに、全然知りませんでした。亡くなったギョームしか子供はいないか、役者をやっていないと思っていました。幸いなことに(笑)お父さんには似ていなくて美人さんですね。

ソフィーマルソーは珍しく強い女性の役ですね。彼女は柔らかいイメージが強いと思うのですが、今回の使命に燃えた軍人役もきちんとこなしていました。

ちょっと展開がまどろっこしいところもありますが、一般的なフランス映画には珍しい戦争アクションものだし、実話がベースになっているので興味ある方はぜひご覧になってみてください。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿