シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

天使の分け前

2013-04-17 | シネマ た行

予告編を見て面白そうだと思って見に行きました。ケンローチ監督なので、当然イギリスの労働者階級のお話だけど、彼の映画には珍しく明るい要素が多そうな雰囲気だったので期待していました。

長年の腐れ縁で近所の不良とケンカばかりしているロビーポールブラニガン。今回は恋人レオニーシヴォーンライリーにもうすぐ子供が生まれることもあり、服役ではなく300時間の社会奉仕活動を命じられる。そこで出会った指導者のハリージョンヘンショーに仲間たちとともにウィスキーの蒸留所に連れて行ってもらったのをきっかけにロビーはウィスキーに対する嗅覚の鋭さを発揮。天性の才能を見せる。ウィスキーに興味を持ったロビーはウィスキーの勉強を始め、ハリーにウィスキーの試飲イベントに連れて行ってもらう。そこでのききウィスキーでもロビーは才能を発揮した。

そのイベントでロビーたちは幻のウィスキーが発見され、オークションでひと樽100万ポンド以上の値がつくことを耳にした。ロビーは仲間たちと一緒にその樽を盗んでひと財産稼ぎ、恋人と新天地で人生をやり直す計画を立てる。

って、、、、えーーーーーーっ!!!!

この計画を聞いたとき、マジでビックリした。。。ウィスキーの匂いを嗅いだだけでどこで作られた何年ものだとかそういうことを当てられるほどの才能を発揮したロビーがウィスキーの蒸留所で働き、ゴロツキだった青年が真面目に成長していくお話だと思っていたのに!なんだこれは!?

仲間たちには愛嬌もあるし、笑えるシーンもあるけどさ、結局やってること犯罪やん。オークションでその樽を落とした人は、中身に混ぜ物がしてあっても分からないような奴っていう設定だったけどさ、だからってロビーたちのやったことが許されるわけではないでしょ。そのお金を持って“更生”とか言われてもねぇ…恋人だってその事実を知ってたの?最後にワーゲン買ってきたことに驚いてたから知らなかったんだと思うんだけどさ、子供の父親がそれでいいの?なんだかなぁ。

オークションで落とした人が味の分からない奴って設定だったけど、ロビーたちが盗んだやつだってあんなオレンジジュースが入っていたような瓶に汚いホースを使って入れて風味とか絶対変わってるよ。あんなんでコレクターが納得したってのもなんかおかしくない?

大犯罪が爽快に終わるのは、盗む相手が絶対的な悪者とか国のすごい大物とかで鼻を明かすってパターンだと思うんだけど、ロビーたちの場合は何の罪のない人たちを騙して全然爽快感がありませんでした。手口も素晴らしいってほどのもんでもなかったし、その前にしてたロバの密輸の話もいまいち関係なかったような気が。もっとストレートな更生劇を期待していたのでがっかりでした。