シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

フレイルティ~妄執

2011-08-04 | シネマ は行

ケーブルテレビでかなり前にやっていたのを見ました。ハードディスクに撮りだめしたのがいっぱいあって、最近見ずにそのまま消しちゃうこともあったり。困ったな。

それはさておき、この作品ですが、ビルパクストンマシューマコノヒーという顔ぶれでスリラーなんで、なんかちょっとチープな感じの作品かなぁと思いながら見始めました。

「神の手」とメモを残す連続殺人が起こり、担当のドイル捜査官パワーズブースのところに犯人を知っているというフェントンミークス(マコノヒー)と名乗る男がやってくる。彼は自分の弟アダムが犯人だと言い、子ども時代に父(パクストン)が神からの啓示を受けたと突然言い出して悪魔退治と称して連続殺人を犯していたことを告白し始める。

彼らのお父さんは男手ひとつで彼らを育てていて、兄弟がまだ小学生のときに突然昨夜天使が降りてきて啓示を与えたと言う。人間の姿をした悪魔のリストを渡され悪魔退治をすると言う。お父さんが悪魔たちに素手で触れると彼らの正体が見えると。弟のアダムジェレミーサンプターは父親にすっかり洗脳され、目の前で父親が人を殺しても、お父さんは人を殺しているのではなく悪魔退治をしているのだとすっかり信じ込んでいる。しかし、兄のフェントンマットオリアリーは父親の頭がおかしくなり人殺しをしていると思っているが、怖くて警察に行けなかった。

大人になったフェントンの告白をドイル捜査官が聞きながら回想の場面がずっと流れる。頭のおかしくなった父親と弟。正常な頭と家族への想いの板挟みになる兄。現在起こっている連続殺人は弟が犯人だと言うのなら、父親の所業を弟が引き継いだということか。

延々と続く過去の告白。この家族に何があったのか。兄フェントンは父親に拉致されてきた次の被害者を殺すよう命じられ、振り上げた斧で父親を殺害する。。。

結局兄フェントンが父親を殺害し、大人になったあと弟も告発して終わりなのかと思いきや、最後にどんでん返しが待っていた。実はマシューマコノヒー演じるフェントンを名乗る男が弟のアダムで、ドイル捜査官も神の処刑リストに載っていたというのだ。ドイル捜査官は母親を惨殺している。それを罰するためにアダムはドイル捜査官に近づいていた。

アダムは頭のおかしい父親から「神の手」を引き継いで神の処刑を続けていた。フェントンが実はアダムでドイル捜査官を殺すために来たというのが、どんでん返しなんだと思ったんですよねー。だからまぁ、それはある程度普通のどんでん返しかなと思ったんですが、実はもう一点大きなどんでん返しがあって、ずっと兄目線で語られていたから“頭のおかしな父と弟”っていう構図が出来上がっていたんですが、実は実はこの「神の手」の能力が本物だっつーんですよ。

本当に彼らは悪魔に触れたときその所業が分かる。ドイル捜査官はリストに載っていて、アダムも彼に触れたとき彼が母親を殺したのが見えた。アダムはどうやらその能力を生かして(?)保安官になっているし。妻もそれを理解している様子だったし。可哀想なのは本当に人間だったのに口封じのために殺された保安官と兄フェントンってことか。「神の手」ならその辺なんとか天使がごまかしてくれりゃ良かったのにねぇ。防犯カメラとかは細工してくれたのに。兄フェントンにその能力がなかったのは信心が足りなかったってことなんでしょうけど。この能力が実は本物でしたっていうオチは意外で面白かったなぁ。引っ張って引っ張ってもったいつけて上映時間100分でコンパクトにこのオチっていうのはなかなか優秀な作品ではないでしょうか。

これ、ビルパクストンが監督しているんですね。もともと裏方さん志望だったようです。

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