シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ユージュアルサスペクツ

2006-10-19 | シネマ や行

注)これを読んでから見ると面白くない可能性のある作品です。

カイザーソゼって誰だよ?それはね…

ワタクシは物語を推理するのがあまり得意ではない。この作品を見たとき、監督ブライアンシンガー、天才現る、とこのブログでは何度か使っているフレーズだが、素直にそう思った。実際には監督が天才なのではなくてこれでアカデミー賞脚本賞に輝いた脚本を書いたクリストファーマッカリーに対してそう思うべきだったのだけど。

とある銃器強奪事件の容疑者として集められた5人。これがなかなかクセ者な役者揃い。ガブリエルバーン、ケビンスペイシー、スティーブンボールドウィン、ベニチオデルトロ、ケビンポラック。その6週間後、船舶炎上事故から生き残ったヴァーバル(ケビンスペイシー)はその5人に関わるこの6週間にわたる出来事、そして、伝説のギャング、カイザーソゼの存在を語り始めた。

実は、6週間前に集められた5人はみなカイザーソゼに借りがあった。カイザーソゼはそれを返させるべく秘書のコバヤシピートポスルスウェイトを通して5人に指令を出すが、、、(イギリス人のくせに“コバヤシ”って何だよ?)

カイザーソゼとは一体誰なのか、この事件の顛末は一体どこへ向かうのか、映画が始まった瞬間から1秒たりとも気を抜いていてはいけない。少しでも気を抜くと展開が分からなくなる。彼らがどうしてこんな目に遭っているのか、カイザーソゼの真の狙いとは何なのか、そして、ずっとつきまとう「カイザーソゼって誰やねん?」という疑問。果たして、カイザーソゼは実在の人物なのかという疑問さえ湧いてくる。

ワタクシは推理が苦手だから、すっかりこの脚本にやられてしまった。最後の最後までジェットコースターに乗っているような犯罪映画は初めてだった。ラストミニットに行われるタネ明かしに茫然とするしかなかった。そして、その後に訪れる何とも言えない快感。ラストシーンのためだけに存在する映画というのはジャンルとしてあると思うんだけど、これはその中でも逸品。推理の得意な人なら「あ~やっぱり」で終わってしまうかもしれないけど、それでも、そこに巧みに敷かれた伏線をひとつずつ解いていく楽しさはあるだろう。(ラスト5分で映画の中でされちゃうんだけどね)

役者ひとりひとりも魅力的なので注目してほしい。ガブリエルバーンはやっぱりいつも通り渋く、ベニチオデルトロはやせてて若くて眉毛を剃っていて今とは別人のようです。