連敗中のチームとの対戦を心配しましたが、今日は楽勝でした。
弱り目に祟り目とでも言いますか、負け癖がついているチームが先制されるとどうなるか、という典型的なゲームでした。
1点差でも13点差でも1勝は1勝なのですが、福浦とズレータの復活、今江の好調さの維持、サブロー4番再来の期待、成瀬2年目のジンクスは無用な心配、が確認できたのが非常に大きいです。
今日はここ1年ほどのトレードの損得勘定について分析してみます。
トレードはそもそも両チームの足りないところを補うべきものですので、本来は損得勘定をすることがないのが幸せな結果です。
しかし実際のところ、どうしても損得が出てくるのは仕方がないところです。
【山北 ←→ 龍太郎+南 (横浜)】
清水将との交換で獲得した貴重な左腕の山北を、わずか1年ちょっとで放出しました。
思うような結果が出なかったこと、成瀬など若手の台頭が見込めたこと、何より守れる外野手が欲しかったという事情がありました。
山北は昨年は横浜でもダメでしたが今年は何とかなっているようですし、南もようやく移籍初安打が出て両チームとしては補強ポイントが満たされた良いトレードであったと思います。
私がおまけだと思っている龍太郎が、大学時代の輝きを取り戻せないのだけが残念です。
【川井 ←→ 新里 (楽天)】
これは楽天救済の意味合いが強いトレードであったと思います。
本来は金銭でも良かったのでしょうが、ロッテとしては捕手の絶対数が足りないという事情もあり新里を獲得したのだと思います。
川井もここ数年ロッテでは出番が激減していましたので、本人にとってはラッキーだったと思います。
昨年は先発で2勝するなどして戦力になりましたし、今年は1軍出場はありませんが2軍で4試合で3勝と先発要員として準備しているようなので、そのうち声がかかるでしょう。
新里は古賀2軍監督が昨年から1番成長した選手と評価しており、青松の怪我や田中雅の内野転向もあって貴重な中堅捕手として存在感を増してきています。
辻の放出も、新里の存在が背景にあったと思われます。
このトレードも、両チームとも居場所がなくなった選手を活かした、良いトレードであったと思います。
【戸部 ←→ 金銭 (楽天)】
戸部も1年だけ中継ぎで活躍しましたが、その後は出番がなくなり、2軍で先発として結果を残しても使ってもらえない状況でしたから、川井と同様に本人にとってチャンスが訪れたといえるでしょう。
しかし残念ながら、ファームでは中継ぎとしてそこそこの結果を残したものの、1軍に昇格して登板した2試合でボコボコ(防御率22.09)になりましたので、選手生命が断たれてしまったかもしれません。
【辻 ←→ 早川 (オリックス)】
レギュラー捕手が安定しないオリックスと、外野手不足のロッテの思惑が一致した、非常に良いトレードであったと思います。
以前にも書いたように、同一リーグに捕手を放出するということもあり正直なところ最初は損かと思ったのですが、地元に帰った早川が水を得た魚のように活躍してくれています。
辻も度々スタメン起用されていますし、内野手としての起用が多かったロッテ時代に比べれば満足感があるのではないでしょうか。
現時点で言えばロッテ有利のトレードですが、お互いの弱点を補強し合っているので、まさに本来の趣旨にそったトレードだったと思います。
【加藤 ←→ 金銭 (オリックス)】
これは正直なところ、驚きました。
なぜ貴重な左腕をシーズン中に同一リーグに、しかも金銭で放出するのか理解不能でした。
ただ、逆に言えば、それだけ他球団からの引き合いがなくなってしまうほど加藤の価値が下落したということかもしれません。
かつて2桁勝利をした加藤も、ここ数年は何度もチャンスをもらいながら結果を出せませんでしたから、成瀬の台頭もありロッテでの居場所がなくなりつつあったのも事実です。
オリックスでは2軍で先発として起用されているようですし、心機一転、加藤にとっては大きなチャンスとも言えます。
こう見てきますと、川井・戸部・辻・加藤と、チームにとって過去に成績を残してきた選手を、力がまだ残っているうちに惜しみなく他球団に放出していることが見て取れます。
言葉は悪いのですが、出番がないのに他球団に出して活躍されるのも嫌なので飼い殺し、という感じが多かった中で、こういった放出は選手にとっても新しい出番の場を与えられるという意味でありがたいでしょうし、球団にとっても経費削減という効果がありますので、私は評価したいと思います。
そういう意味では、怪我が癒えた場合の山崎、渡辺正、平下あたりが次のターゲットになるような気がします。
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