オリオン村(跡地)

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思い出のマーニー

2014-07-28 01:00:59 | 映画

読書録と被ることがあるので映画についてはタイトルから離れるようにしているのですが、しかし今回だけは特別です。
それだけの意味のあるタイトルですし、下手に小細工をしなくて正解でしょう。
とりあえずはジブリだから、といったところで観に行った「思い出のマーニー」ですが、さすがに高品質な作品を提供してくれます。
突き抜けるところがなくこぎれいにまとめた感はあるものの、充分に楽しませてもらいました。

思い出のマーニー

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あることをきっかけに養父母に心を開けなくなった主人公の杏奈が、夏休みに喘息の療養のために親戚の住む釧路の田舎町に向かいます。
そこで出会った湿っ地屋敷に住む金髪、碧眼の少女マーニーと交流をするうちに、そのこだわりから解放をされて成長への扉を開くといったストーリーです。
かなり早い段階からマーニーの存在についてはほぼ明かされますし、そこに謎解きといった要素はありません。
自分ことが嫌い、もらわれっ子、恵まれていると思っていたマーニーが抱えていた闇、といった重いテーマが徐々に解きほぐされていくところが丁寧に描かれています。
かなり地味な映像ではあるのですが草木のなびきや手足の動き、煙草やお金といった大人の嫌らしさの表現などはジブリらしいですし、これまでの作品のように見るからに強い女の子とは違う印象の杏奈が、しかし時代がかった舞踏会や「私の部屋に来て」と薄々とは感じながらも目を逸らさない、その心の強さを見せたからこそのラストシーンだったと思います。
残念だったのは原作とは違って日本に舞台を持ってきたことで、やはり田舎町に金髪の女の子は違和感がありすぎでしょう。
結果的に感情を殺した棒読みが功を奏した感もありましたが相変わらずの声優問題も引っ掛かりましたし、そこだけは今後も引きずることになりそうです。


2014年7月27日 鑑賞  ★★★★☆(4点)

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