水車館の殺人 |
館シリーズの第二弾です。
人里離れた山奥に外界から逃れるように建てられた水車館が豪雨により途中の道が断たれたことで孤立し、お約束のように密室状態となります。
そこで起きた転落死、バラバラ殺人、そして犯人と思しき人物の消失と、見事にネタは揃いました。
事件の一年後に現場に訪れるは島田潔、中村青司の設計をした館に惹き寄せられるように登場、そして事件を解決するのもこれまたお約束です。
肝心のトリックは、しかし消化不良気味です。
さすがに掟破りでしたので仕掛けまでは分かりませんでしたが、似たようなものをGOSICKで読みましたので何となくの想像はつきました。
そうでなくとも犯人の目星が早い段階からついてしまい、これではわくわく感が足りません。
叙述トリックにしては餌を撒きすぎたのではないかと、あまりに突飛なのも興ざめですが分かりやすすぎるのも手応えが無く、このあたりはなかなかにバランスが難しいです。
そして一番に残念だったのは水車が脇役でしかなかったこと、館シリーズなのですから主役に持ってきて欲しかったです。
あるいはそれこそが引っ掛けだったのかもしれませんが、また最後のエピソードも余計だったように思えてなりません。
とりあえずシリーズ全冊を買ってしまっているので、今後に期待をしたいです。
2015年8月11日 読破 ★★★☆☆(3点)