ビブリア古書堂の事件手帖 7 |
ここにきてまた映画化がされるなどブーム再来の気配もあるビブリア古書堂シリーズ、原作を読んでいる身からすればドラマ化がされたときと同じく違和感のありまくるキャストではありますが、原作に忠実であればよいというものでもありませんし、そもそも観に行くつもりもありませんからどうでもよかったりはします。
ただ前売り特典の小冊子がシリーズ最新作となる本編の後日譚、の前日譚らしいのでそこだけが気がかり、原作を読んでいない人からすれば宝の持ち腐れですし、原作しか興味がない人からすればぽっかりと穴が空いた感があり、自分は後者だけに電子ブックで販売がされることをただ願うばかりです。
それはさておき最終刊はシェイクスピアのファーストフォリオ、その戯曲をまとめて出版をした最初の作品集の真贋がテーマとなります。
シェイクスピアは高校生ぐらいのときにちょっとはまってNHKで、元はBBCあたりのものを放送したものだったと思いますが、ハムレット、お気に召すまま、終わりよければすべてよし、オセロー、真夏の夜の夢、などを見たことがあるためちょっと身近に、しかし当然ながら栞子さんの足元にも及びません。
そんなファーストフォリオを巡って栞子の祖父が残した謎、暗躍をする祖父の元弟子、そして母の智恵子との対決とストーリーは流れていきます。
大輔との恋仲も静かに、しかし激しく進んでいきクライマックスに、その大団円は盛り上がりはしますがそうきたかと、読み手によってハッピーエンド、世の厳しさをそのままに、など望むところは違うでしょうが、ここまで培ってきたキャラクターを崩壊させてまでのこれはちょっと受け入れがたいものがありました。
この巻としては読み応えがありましたがシリーズの締めくくりとしては期待ハズレ、が正直なところで、このもやもやは後日譚で晴らしたいと思います。
2018年9月15日 読破 ★★★☆☆(3点)