電脳筆写『 心超臨界 』

天才とは忍耐するためのより卓越した才能に他ならない
( ルクレール・ビュフォン )

不都合な真実 《 主権認識に挑戦する「不正検定」――小堀桂一郎 》

2024-05-12 | 04-歴史・文化・社会
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ここに見られるのは「新編日本史」事件の場合とは比較にならぬ教科書調査官の質の劣化と偏向である。それに加へて、現在世界的に認証を得つつある歴史修正主義から敗戦利得権者達に向けられた、その暗黒面暴露への恐怖である。歴史教育の領域に於ける文科省官僚のこの腐敗は、武漢肺炎のウイルスにも譬(たと)ふべき惨禍を教育界にもたらすであらう。


◎主権認識に挑戦する「不正検定」――小堀桂一郎・東京大学名誉教授
(「正論」産経新聞 R02(2020).04.23 )

◆「主権回復記念日」を前に

本年も又主権回復記念日が近づいて来た。平成9年4月28日に民間有志の数人が此の日を記念する国民集会の第一回を開催してより23年の歳月が過ぎた。集会の趣旨として掲げたのはこの記念日を国民の祝日として制定しようとの呼びかけであつたが、この目標は周知の如く未(いま)だ達成できてゐない。

初回以来連年欠かさず続けて来た記念集会も、本年は3月下旬の段階で武漢肺炎猖獗(しょうけつ)の折柄開催は難しいとの予想はあった。4月7日付政府の緊急事態宣言を受けて開催中止は本決まりとなつた。

首相の此度の宣言も一種の国家主権の発動行為であると見る時、欧米諸国と対比し、その発動に至る経過、次期、施行の様態等は主権行為の在り方として妥当であつたとの賛同の意を表したい。主権回復記念集会の趣旨の一目盛奥には、然るべき時に然るべき決断を、我が国独自の立場に於(お)いて下し得る強固な主権意識の確立、といふ期待があつたからである。

現時の様な未曽有の国難に際しては災禍の克服のために、国民の大同団結というふ基盤の上に形成される国としての「強さ」が何よりも重要である。東日本大震災の惨禍が漸(ようや)く克服されつつあるのも、国民の強健といふ性格が地力を発揮した結果であると言へよう。

ところが、国家主権の指導下での国民の団結が何にもまして肝要なこの時期に、その志向に真っ向から挑戦する奇怪な事件が発生してゐる事に、江湖の注意を喚起しておかなくてはならない。

その事件とは4月10日付の本欄で藤岡信勝氏がその重大性を簡潔に伝へてをられる所だが、「新しい歴史教科書をつくる会」編集の中学校用歴史教科書に向けての文科省の異常な敵意の発露である。

事件の本体が発生したのは昨年の11月の事で、その具体的な終始はその教科書の編集責任者の一人である藤岡氏が本年2月末発売のオピニオン誌に詳細な報告を載せてをられ、同じ雑誌の次の号に同氏他2名の教科書編纂(へんさん)に携はつた方の鼎談(ていだん)記事もあるので、本稿での重ねての引用紹介は控へておく。

◆「新編日本史」への外圧検定

この事件の詳細をオピニオン雑誌の紙面で知つた時、筆者の脳裡(のうり)に自然に甦つて来たのが、自身が経験した昭和61年7月の「新編日本史外圧検定事件」であつた。

あの苦い経験を嘗(な)めてより、34年の際月が経過してゐる。この短からぬ歳月の間に、歴史教科書の編纂とその検定・採択・普及をめぐつて様々の状況の展開があつた。改善された部分もあれば、新たな左偏向の教科書の業界参入といつた悪化現象もあつた。筆者はその間高校用の歴史教科書については細々とながら絶えず編集・監修参加の関係を保ち、学習指導要領の改訂に連動しての編集方針の変化にも一應注意を払つて来た。

他方で国家主権の回復、その確たる再認識についての啓発運動との照合の上で、新作教科書の評価にも関心は向けてゐた。その経験に照らしてみても今回の自由社刊の歴史教科書の検定不合格宣告は明らかに異常な政治的謀略事件の性格を有してゐる。

昭和61年の所謂(いわゆる)外圧検定事件の特徴は「新編日本史」の出現を憎み嫌う朝日新聞が北京政府からの内政干渉を導入してその刊行を妨害しようと企(たくら)んだ事である。この陰謀が功を奏して、一旦合格と決つた教科書に対し、中京政府からの抗議が外務省に入り、文部省がそれを受けて、新たな訂正要求を受容れぬ限り合格を取消す、との脅迫に及んだ事件である。

◆歴史教育に禍根残すな

外圧が及ぶ前の本来の検定作業に於いても、文部省の教科書調査官と著作・編集者代表との間には嶮しい意見の対立が生じはしたがそれは既出の学説についての解釈の相違と、記述が指導要領乃至(ないし)教育的見地から見て適切か否かの意見の齟齬(そご)によるもので、そこには学問的な討論の場が成立してゐた。外圧が及んだ後の追加検定では、著作者側はむしろ外圧を受けてゐる調査官の苦衷を推察し、理不尽な要求に対する怒りは文部省の頭を越えてその背後に居る外務省内の媚中派に向けて破裂するといふ構図が生じてゐた。

此度の「つくる会」が遭遇した不正検定は、それとは全く性格の違つた異常なものである。今回の検定に携はつた教科書調査官達の背後に近隣諸国の排日侮日勢力があるわけではなく、亡国メディアの策動が少なくとも直接的にあるわけでもない。調査官側は検定合格基準の細則に微細な変更を加へる事によつてこの教科書を不合格と判定する目安を作り、所謂事後法を以てしての罠に陥れるといふ策略を企んだ。

ここに見られるのは「新編日本史」事件の場合とは比較にならぬ教科書調査官の質の劣化と偏向である。それに加へて、現在世界的に認証を得つつある歴史修正主義から敗戦利得権者達に向けられた、その暗黒面暴露への恐怖である。歴史教育の領域に於ける文科省官僚のこの腐敗は、武漢肺炎のウイルスにも譬(たと)ふべき惨禍を教育界にもたらすであらう。
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