植民地戦争+α

歴史テーマの中量級のボードゲームを制作し、ゲームマーケットに出展しています。
なので歴史とボドゲの話が多いです。

継承戦争1734

2007年05月04日 22時44分48秒 | 雑談
 「ハプスブルグの宝剣」の世界観で行った歴史ものTRPGの第2回目のプレイレポートです。今回の参加者は以下のとおりです。

 アルバート・サマルトリア・ロートリンゲン・・・主人公。マリア・テレジアの婚約者。ロートリンゲン公からトスカーナ大公となる。
 リヒャルト・D・シュタレムベルク・・・オーストリア蔵相の甥。アルバートとの縁から、トスカーナの財政官を買って出る。
 スレイヤ・ドラゴニアス・・・アルバートの忠臣。ヨーロッパを転々とした後、アルバートの噂を聞き馳せ参じた老将。
 ミヒャエル・ゲオルグ・・・ナポリ大司教であり、枢機卿。法王の腹心。


 前回のライン方面の戦功により、市民が抱いていた「ロートリンゲンのよそ者」と言った評判は沈静化し、アルバート公への期待する者も多くなってきました。
 その中、戦勝のムードに包まれるウィーン市内をスレイヤがアルバートの紋章を兵士達に纏わせ、アルバート公に会いに行くという演出をするなどし、さらに印象を良くさせます。

 さて、今回はトスカーナの領地を得たのでその統治の話となりました。結婚の準備に追われるアルバート公に代わり、スレイヤとリヒャルトが先にトスカーナ入りします。
 トスカーナの首都は芸術の都フィレンツェで、プレイヤーは期待を膨らませて乗り込みますが、当時のフィレンツェは税制が悪く、何重にも芸術品産業に課税がされている状態で、その為商人は闇で取引したり、役人に賄賂を渡し徴税から掻い潜るなどしている為、国庫に入ってこない状況でした。
 しかも、教会勢力がトスカーナの土地や財産を私物化しています。さらに宮廷ではフランス派、イタリア派などの派閥が勢力争いをしており、領民を省みていない状況でした。
 この状況を招いた現君主のジャン・ガストーネ(※1)は病気の床についておりますが、彼が死なない限り、このトスカーナを継承できない状態です。

 この最悪の状況に、スレイヤは教会勢の対処に、リヒャルトは宮廷内の調査に当たります。これに対して、ゲオルグ卿はあわてて先んじて、トスカーナの司祭たちを集め、スレイヤにいいようにされないように、司祭たちに釘を刺そうとします。しかし、世俗に溺れた司祭たちは現状を判っておらず、その後のスレイヤの呼びかけに対して、贈り物を着服するなどを露呈し、つけいる隙を与えてしまいます。
 また、リヒャルトは商人の組合と関係を持ち、現状の不満を把握し、また贈賄に染まっているものを洗い出します。

 一方、無事結婚式を終え、遅れてトスカーナ入りしたアルバート公は、リヒャルトの情報を元にまずは現君主のジャン・ガストーネに会い、「息子と思ってください!」と口説き、摂政の地位を得て、トスカーナを自由に出来る権利を得ます。
 そして「現君主の権威」、「宮廷の収賄」、「教会の私物化」、「商人の贈賄」などの情報を元に、万を辞してすべての人を宮廷の広場に集めると、それらに関わった者の罪を暴露し、兵を使って一挙に逮捕してしまいます。
 それらに関わっていない者達には、以後忠誠してもらう為にも、不満を改善した新たな法を発布するなど、見事なまでに短期間でトスカーナを改革してしまいました。
 一方、ゲオルグ卿はアルバート公との取引で、逮捕された司祭が私物化していた財産を手放す代わりに、トスカーナでの司祭の任命権を得ることでなんとか目的を達します。

 後は、トスカーナの統治だけということで、アルバート公は第一子が生まれたとのことでウィーンに戻っていきます。

 その後、スレイヤとリヒャルトにより、財務状況の改善と軍備を整えだします。しかし、またもやマスターの陰謀により、今度は武闘派で知れた法王庁のアルベロニ枢機卿が教皇領の拡張を目指して、独断でトスカーナの近くのサンマリノに攻め込むイベント(※2)が発生します。
 教会内のこの強行的な行為に、ゲオルグ枢機卿は単身アルベロニ枢機卿に会い説得を試みますが、あえなく軟禁されてしまいます。

 この状況にトスカーナは法王に貸しを作っておくべきとの判断から、アルベロニ枢機卿の野望を止めるべく、スレイヤが軍を移動させトスカーナから教皇領に進軍します。
 これに対し、アルベロニ枢機卿はサンマリノを包囲しつつ、内密にサンマリノに「我が軍は強力であり、トスカーナ軍は剣を交えることなく撤退してしまう。だからサンマリノを助けてくれるところは無い!」と脅しを掛けておき、一方トスカーナのスレイヤに対しては「停戦の交渉を行いたいので、現在越境している軍を戻すように。」と依頼します。
 それにはまんまとハマり、軍を戻してしまった為、アルベロニ枢機卿とサンマリノを攻めない約束を取り付けても、サンマリノは自ら降伏してしまい、軍配はアルベロニ枢機卿に上がります。
 しかし、戦後の処理でさらなる逆転が! 再びウィーンから戻ったアルバート公は単身ローマ法王に謁見し、サンマリノの任命権をゲオルグ枢機卿に与える約束を取り付けます。
 これを持ってアルベロニ枢機卿のところに乗り込み、ゲオルグ枢機卿を開放すると、アルベロニ枢機卿にはていよく軍を引いてもらい、サンマリノの事はゲオルグ枢機卿に任せるように強要します。法王の権威をかざされては仕方なく撤退。サンマリノは教皇領に組み入れられたものの、ゲオルグ枢機卿の取り計らいで、ほぼ昔どおりの自治を得ます。
 苦渋を飲むアルベロニ枢機卿の逆襲は次回。

 そして最後に、遂に現神聖ローマ帝国皇帝兼オーストリア大公であるカール6世が崩御し、マリア・テレジアがその全てを継承する時が来ます。
 父の葬儀で悲しみ暮れる暇も無く、ドイツ諸侯のバイエルン、そしてザクセンもがマリア・テレジアが全てを継承するのはおかしいと、それぞれ上オーストリアとベーメンの継承を主張して来ます。(※3)
 カール6世が存命中はマリア・テレジアの継承に異議を唱えなかったのに、カール6世が亡くなり、その威光が無くなると掌を返して離反する振る舞いに、スレイヤが怒り単身バイエルンに乗り込み啖呵を切ってしまいます。

 次回、オーストリアを継承したマリア・テレジアと共にバイエルン・ザクセン軍を迎え撃ちます。そしてさらに北の強兵プロイセンと東の大国フランスが動き出します。

To Bo Continue...


※1:ジャンガストーネ。メディチ家最後の当主。世継ぎが居なかった為、ポーランド継承戦争の和平会議で、フランスがロートリンゲンを得る代わりに、ロートリンゲン公はトスカーナを継承することになる。

※2:サンマリノ。イタリア中部にあるミニ国家。中世から教皇領内で自治を持っていたが、1739年アルベロニ枢機卿によって一時的に占拠される。

※3:バイエルン選帝侯カール・アルブレヒトの妃マリア・アマーリエはヨーゼフ1世の娘。ザクセン選帝侯兼ポーランド王アウグスト3世の妃マリア・ヨーゼファも同じくヨーゼフ1世の娘でどちらもマリア・テレジアとは従姉妹関係にある。


オリジナルカードゲーム 植民地戦争
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