植民地戦争+α

歴史テーマの中量級のボードゲームを制作し、ゲームマーケットに出展しています。
なので歴史とボドゲの話が多いです。

ミニマルなカードゲーム

2015年09月06日 08時07分56秒 | 雑談
最近、ゲームマーケットはカード枚数の少ないシンプルなゲームが流行ですね。
カナイさんの「Love Letter」を筆頭に、鍋野企画さんの「犯人は踊る」、最近ではStudio GGさんの「きょうあくなまもの」を遊びました。人狼もミニマムなカードゲームですよね。どれもとても良策です。しかも同じカードをメインに使っているのに、システムはドラフトだったり、正体隠匿だったりとミニマルな割りに、まったく違ったゲームに仕上がっています。さらに少ないカード枚数で実現できているのでシステムとして研ぎ澄まされた感がありますよね。
うちもミニマルなカードゲームとしてエヌ氏作で「かる艦。」「教授ヘアーサロンへようこそ。」を出しました。

ここからは主観がかなり入りますが、このミニマルなカードゲームですが、盛況なのはゲームマーケット市場の特異性があります。
ドイツではミニマルなカードゲームよりも、重厚なボードゲームの方が作られています。
買う人が日本と違って、比較的ヘビーなゲームを遊べる人が多い市場だと言うのもありますし、作る側の理由としても、ミニマルなカードゲームだと売価は2000円前後ですが、ボードゲームなら売価8000円でもOKと言うのがあります。

枯山水が、8000円で1500個ぐらい売っています。もし原価率が4割なら1個あたりの利益が4800円、それが1500個なら720万円の利益になります。
同じ原価率で売価2000円なら、当然4倍の6000個を売らないと720万円になりません。
なので、安いゲームよりも高いゲームの方が儲け易く、そして高くても納得の行くコンポーネントを持ったヘビーなゲームの方が作られやすくなる訳です。

それではどうしてゲームマーケット市場ではヘビーなゲームが少ないかと言うと、1つはヘビーなゲームを買う人が少ないと言うのがあります。特に最近はゲーム初心者がとっても増えている状態なのでサークル側としては重めのゲームは出しにくいと言うのがあります。
もう1つは同人で作るレベルだとボードゲームは原価が掛かり過ぎ、売れ残った場合のリスクもデカイと言うのがあります。4000円のボードゲームを6割の原価で100個作ったら、制作費に24万円も掛かり、もし50個しか売れなかったら 4万円の赤字です。これが1000円のカードゲームなら、6割100個で必要な制作費は6万円。50個しか売れなかったら1万円の赤字で済みます。(※)
なので、サークル側としても、カード枚数の少ない原価の安いミニマルなゲームを作ると言うことは、リスクを抱えずにゲームを制作できるというメリットがある訳です。しかも企業と違って利益を出さないといけないノルマは無いわけですから。
そんなことで、ゲームマーケット市場はミニマルなカードゲームが主流なんだと思います。


そんな分析をしておきながら、今回 ゲームマーケット2015秋のうちの新作はカードゲームじゃないボードゲーム「海パラダイス」なんですよね。
その理由と目指すところは■次 回■にでも。。。


※当然完売すれば、4000円の方は16万円の利益、1000円の方は4万円の利益になります。そこから出展料や売り子さん費用、販促費、研究開発費などのもろもろの固定費を3万引いたら、13万と1万になる訳ですから、売れるなら高いゲームの方がやりやすい訳です。
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