植民地戦争+α

歴史テーマの中量級のボードゲームを制作し、ゲームマーケットに出展しています。
なので歴史とボドゲの話が多いです。

サクサク三国志:劉循/張任

2011年03月22日 22時20分56秒 | ゲームシステム
 ちょっと横着してこの2人を一緒に書きます。張任は益州の貧しい家の出でしたが劉璋に指揮官として取り立てられた経緯から劉璋への忠義厚い老将です。張任は劉備の入蜀合戦で綿竹で戦いますが破れます。劉璋軍の主将クラスの冷包が討ち取られ、劉カイが行方不明になる中、張任は最終防衛ラインであるラク城まで撤退します。ラク城は劉璋の長男 劉循が防衛していました。劉循は父 劉璋に似ておらず、武勇があり血気盛んな若者でした。そこに合流することで劉備軍に最後の抵抗を行います。この劉循&張任の激しい抵抗により、劉備は軍師のホウ統を失っています。その為、劉備は荊州から諸葛亮の援軍を待ちざるを得なくなり、結局ラク城は1年もの間、劉備軍を食い止めることに成功します。しかし、その戦果もこれまで。ついに張任は捕虜となり劉循のみが成都に逃げ帰る結果となりました。
 張任の能力をかっていた劉備は何とか配下になるように説得しますが、張任は老将は二君には仕えずと言って拒んだ為、惜しみながら処刑し手厚く葬りました。一方、劉循はその後あっさり劉璋が降伏した為、同じく降伏し劉備の配下となります。そして父と違って成都に留め置かれます。血気盛んな劉循を遠方にやりたくなかったと言う判断だったのでしょうか? その後は飼い殺されたのか目だった記述がありません。
 なお、演義では張任の記述が際立っており、ホウ統が酒宴の席で魏延に剣舞を行わせて劉璋の暗殺を目論むと、それに気がつき劉璋を守るように剣舞に参加したり、ホウ統も張任が放った矢が馬に当たり落馬して死んだことになっています。

 ここからが想像ですが、ラク城の指揮官は劉循です。これは劉循が元からラク城に居たのに対して、張任は綿竹の戦いに敗退した後、合流しているからです。そして劉循の指揮下の元、激しい篭城戦が行われるのですが、劉循は単に城に篭っただけでなく、劉備軍の隙をついては打って出て幾度と無く奇襲を行ったと考えられます。指揮は劉循で実行部隊として張任が先陣を切ったのかもしれません。この奇襲によってホウ統は亡くなります。この仮説は、諸葛亮の援軍を得られる劉備軍がホウ統を失うほど強行な城攻めを慣行したとは思えないからです。さらに劉循は、劉備軍が荊州から援軍を呼ぶ情報を得ると、最後の掛けに出ます。成都には劉璋の元まだ3万の兵が居ました。この兵とラク城の兵とで援軍が来る前に劉備軍を壊滅するのです。本来ならこの作戦に成都側でも気がつくべきですが、成都の指揮官は劉璋で補佐する者もいません。ですので劉循は張任に包囲を突破し、成都まで行って兵を連れて帰ってくることを命じます。しかし、張任は包囲を突破できず、劉備軍の捕虜となり処刑されます。これが張任だけが先に捕虜となった理由です。打つ手が無くなった劉循はその後も劉備軍に援軍が到着するまではラク城を守り通しますが、援軍が到着すると勝ち目が無いと判断し成都に帰還し、そこで最後の戦いを考えるのですが、これは父の降伏により無血開城となりました。正史にラク城が陥落する記述が詳しく書かれていないのと、劉循が逃げ帰れているのは劉循側で兵を連れての撤退で、劉備側はホウ統を失っているので、諸葛亮と合流するまでは追撃など危ない行動は行わなかったのではないでしょうか。
 こう考えると演義の記述を逆転させ、ラク城の防衛戦とホウ統の死亡の功績を劉循のものとすることが出来ます。しかしあくまでこれは仮説ですので、もっとも手堅いのは、熟練の将軍であった張任は綿竹戦では采配するだけの指揮権がなかったものの、劉循のお陰でラク城の防衛戦では幅広い指揮権を得てその能力を発揮できたと言う考えです。これによる能力評価ですが、張任の統率はホウ統への奇襲なども加味して4、武力は一騎打ちなどで討ち取っているわけでは無いので3、政治はしていないでしょうから1、知力は多少演義の記述が加味されていますが、その防衛において知将としての上手さがありますので3としました。一方、劉循ですが某SLGではオール2ぐらいの能力になってしまうのですが、それではあんまりですので統率と武力を3としましました。政治はラク城での長期防衛を評価して特に1には落としませんでした。

 ちなみに張任、生年不詳ですが、某ゲームでは168年生まれです。しかしこれだと老将だと言って死んだ際、45歳です。ちょっと老将と言うには足りないような…、10歳ぐらい違わないかなー。
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