植民地戦争+α

歴史テーマの中量級のボードゲームを制作し、ゲームマーケットに出展しています。
なので歴史とボドゲの話が多いです。

幕末の行末 思想について

2018年02月17日 10時21分35秒 | ゲームシステム
ここではゲームマーケット2018春 出展予定のカードゲーム「幕末の行末」では、倒幕・佐幕・攘夷・開国の4つの思想が出てきます。
ゲームで使用する都合、まるっと4つにまとめ、倒幕の反対が佐幕で、攘夷の反対が開国と言う軸で組んでします。

しかし、当時の思想はそんなに単純ではありません。
私たちがもっとも良く聞く「尊王攘夷」ですが、尊王とは天皇を敬おうと言う思想で、中国の皇帝を敬う思想である「朱子学」の流布と共に広がりました。この朱子学を広めるのを担ったのが水戸藩です。水戸藩は御三家の1つですが、御三家の中で最も格下の為、徳川宗家とは一線を画して徳川宗家を信望しない精神の拠り所を模索していった結果です。
この時代、徳川宗家を信望する立場の所謂、「佐幕」派の人物もその多くが尊王でもありました。天皇はやはりないがしろにはしないのです。なので、佐幕派の多くが唱えた思想が「公武合体」です。天皇「公」と幕府「武」が協力して、この外敵が押し寄せてくる難局を乗り切っていこうと言う考えです。

この「公武合体」の反対となるのが「倒幕」「討幕」です。倒幕は幕府を倒して新しい政治形態を実現することで、難局を乗り切ろうと言うものです。討幕は倒幕の中でも特に武力による幕府打倒を目指す思想です。


一方、もう一つの軸である「攘夷」ですが、攘夷とは外国人を排斥する考えです。まあ、いきなりペリーが大砲で脅してくる訳ですから、外国人に対する第一印象は日本全国民で最悪だったでしょうね。なので、余程の外国通でない限り、大半の人が攘夷思想です。
しかし、この攘夷、小攘夷と大攘夷と言う思想に分けれます。小攘夷は、外国人を見たら斬りつけて、黒船来たら大砲で追い返せ! 的な思想です。一方、大攘夷は現実を見据えて、今の日本の力では外国人を追い返せないから、一旦、開国をして貿易を行い、技術力をあげてからにしよう! と言う考えです。多くの志士たちが小攘夷から始まり、下関戦争や薩英戦争で思い知って大攘夷になると言う経過をたどります。

1人の志士をとっても、時の流れによって思想を大きく変えていっていますので、あくまでゲームの都合そうした部分があると言うことをご容赦ください。



明治・幕末カードゲーム「幕末の行末」
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