ちょいスピでセラピー的なKizukiの日々

色んな世の中の出来事、セラピーなどから気付きを得て、ありのままの自分に還ることを目指して生きてます。

人権後進国

2010-09-17 07:50:00 | テレビ番組

何だか朝どのテレビをつけても、押尾学の裁判の様子ばっかりやってますねぇ。

もういいってば、って思うのは私だけ? 押尾学って人に興味もないし。(1回も彼の出てたドラマとか見たこともないし、歌手までやってたなんてなおさら知らなかった! 矢田亜希子は好きだったの。織田裕二と世界陸上の司会やってて、コマーシャルの前に「せりくっ!」って舌ったらずに言うところがたまんなく可愛かったわぁ・・)

ただ私、映画なんかでも「法廷もの」っていう弁護士と検事の丁々発止のやりとりっていうのを見るのは大好きなもので、どんな質問が行われて、どんな切り込み方があるんだろう、という興味本位で結構、ワイドショー見ちゃいました・・・

そのなかで、押尾学がもともと英語のほうを先に覚えたから「すぐいる?」っていうのは英語で言うとどうなるの?って弁護士が尋ねて彼がそれに答えるところなんかはなるほどなぁ、と思いました。

あれは、日本語としては不自然なものだけど、いかに頭のなかで先に英語で発想してそれから和訳したものだと考えたら、実は不自然でもなんでもないんですよ、ということを裁判員に印象づけたかったのでしょう?

さらにあわよくば、この裁判の受け答えで押尾学被告が大人の日本人としてはマナーが悪いようななってなーいと見えるような言葉遣いをしても、それは彼がもともと英語圏で生まれ育ったからなのよ、そのへん、ちょいと大目に見てやってちょ、という隠れメッセージもあるのかもしれない。

いろいろ作戦を考えるんだねぇ、弁護士って。

でもこういったやりとりを見ていて思ったのは、「裁判の争点って、“人としての常識”って視点からみるとよくわかんないなぁ。」ということでした。

というのは、一番の争点は、「被告が救急車をすぐに呼んでいたとしたら、亡くなった方は助かっていたのかどうか?」と言われています。

それに対して、検察側、弁護側の両方から証人として呼ばれた医師が出てきて、片方は「すぐに呼んでいれば100%近くの確率で助かった。」と証言し、かたや「いや、ほぼ助からなかったであろう。」と言っています。

でも私が思ったのは、「こんな論争はどこまで行ったって不毛だろう。」ということでした。

たとえ助かる確率が1%であったとしても、その1%にちょうど彼女が入って助かっていたとしたら、亡くなった側から言えば、確率は0%か100%かということになるだけのことです。

そしていくら権威ある医者が証人として出廷して「一般論から言えば・・」とか「確率論から言えば・・」という証言の仕方をしたとして、「ほかはいい! 彼女にとってはどうだったんだ、ということだけだ。」と遺族は言いたいでしょうね。
なんだか傷口の周りに薬を塗っているようで歯がゆいような気がしてしまいました。

それよりも私が不思議だったのは、「助かる確率が何%だったかによって、罪が変わるのか」ということでした。

仮に被告が保身で逃げたいばっかりで、見殺しにしたいという気持ちは変わらなかったとする。

しかし、それが結果、彼女が助かったか助からなかったかによって罪が大幅に違ってくるというのは何だか解せない。

殺意をもって包丁で刺したけれど、結果的に相手は死ななかったから殺人ではない、という判断の仕方とはちょっとこの場合違うと思うんですよね。

結果的に相手が死んだのか、助かったのか、ということは重い事実だとしても、それに至る過程としては「相手が死んだってかまわない」ということをやっているのだとしたら、罪は大して変わらなくてもいいんじゃないの、というのが人情です。

だって、いくら「殺してやる」という気持ちで包丁で刺しても、実は相手は何週間で治る程度の傷でしたよ、というのは自分では「殺してやる」という気持ちを抱いていたと思っているけれど、それが自分で思うほど強い意志ではなくて、やっぱりどこかためらう気持ちもあったんじゃないの? だから力が鈍ったんじゃないの? ということにもつながると思うからです。(まぁ、その逆もあると思うし、生死の分かれ目が刺した相手の意志とは無関係って言う場合もあると思うけど、1つの判断材料として)

だけど、薬物のような場合は、それによってどんな反応だったらまず死ぬだろうとかいう判断が専門医でも難しいくらいなんだから、最悪をおそれて、どんな反応であろうとすぐに119番するのが当たり前なんじゃないの。

だからそこは普通の殺人より厳しくていいくらいだと思うんですよねぇ。

ましてや「薬の発覚を怖れて」なのか「仕事を失うのが怖れて」なんかそんなことはどうでもよくて、結果119番せず、その場所から逃げてる、って事実は明白なんだから、その時点ですでに「遺棄」が成立ってことにはならないのがなぜなのかがよくわからない。

そんなことを考えながらテレビを見ていたら、キャスターの鳥越俊太郎氏がこんな発言をされました。

「僕が一番心配するのは、裁判員として選ばれた人が、本来であれば法廷内で起きたことだけを判断材料にするはずなのに、被告が有名人であるがゆえに、これだけマスコミで法廷内の様子まで報道されていると、家に帰ってからそういった報道を見て、裁判員の方がそういうものに影響されやしないか、ということです。」と。

これに対しては弁護士としてよくワイドショーに出演される大澤弁護士という方が、

「僕は何年も裁判員裁判のための模擬裁判を見てきていますが、皆さん、本当に真面目にここで起きたことだけから判断されようと努力されますから、信じてます。」とおっしゃってましたが・・・

それでも鳥越氏は、

「それは被告が一般人の場合でしょう。こういう有名人だとどうなのかなぁ。」とまだ心配げでした。

私はこれを聞いて、「そっか。私は被告に対して何の思いいれもないからこういったワイドショーもどちらかの立場に立つことなく、冷静に見ていたと思っていたけれど、そもそも法廷内ドラマを見るようなつもりで興味本位に『へぇ、こういうときにはこんな質問の仕方をするのかぁ。』と見ていたことは確かだ。

これそのものが本来は人権にかかわることなのかもしれない。」と反省しました。


以前(といっても、かれこれ20年くらい前の大昔。だからもう今は違うかもしれない、というお話です。)、私は仕事の関係で香港を行き来していました。

香港は広東語です。

私はもちろん広東語は、まったく話せませんでしたが、漢字を見るとほぼ意味はわかることから、「観光で来てるんじゃないんだから、新聞くらい読まなくちゃなぁ。」と着いてから次の日、街のスタンドで新聞を買ったんです。

そこで私が目にしたものは・・・!


なんと、一面にいきなり大きな交通事故の記事。

それだけならいいんですが、なんと被害者が事故にあった直後の血まみれの様子がでかでかと写真で掲載されていました。

それはそれは悲惨な事故で、頭が割れ、内臓が飛び出しているようなものでした・・

そんな写真、どうして掲載する必要があるの!?と私はびっくりしてしまいました。事故の悲惨さを訴え、だから車の運転には気をつけましょう、というのなら大破した車を載せるだけでも十分でしょうに。

こんな写真、もしこの家族の人が見たら、どう思うんだろう・・と思うといたたまれませんでした。


これが、二流、三流の週刊誌とかならまだしも、日本でいうと朝日新聞、読売新聞、中日新聞というような香港における全国紙ですよ!

これを目にしたとき、「あぁ、物価もさほど変わらないくらいの経済発展をとげても、まだまだ日本に比べて香港は人権後進国なんだなぁ。」と思いました。


今でも、ときどきお隣韓国で悪質な事件があって、その犯人がつかまった、というときなど向こうのメディアがそのまま報道したものを日本のテレビでも流されることがあります。

それを見ていると、犯人がつかまった直後の、まだ警察に収監される前のようなところでマスコミが堂々と犯人に向かって、

「なぜ、やったんですか!」「いま、何を考えてますか!?」などマイクを向けています。

あれにもびっくりします。

そして香港で感じたことと同様に、「あぁ、韓国はまだまだ人権後進国なんだなぁ。」と思っていました。

しかし、このように日本ではない国のことにはよく気付くくせに自分の国である日本のこととなると報道のしかたに対して今まで「これで当然」と何も疑問に思ってこなかったことが多くて、私は日本人だ、ということにおごりを抱き、日本以外の東南アジア諸国に偏見を抱いていただけなのか、ということに鳥越氏の発言でハッと気付いたのです。


鳥越氏は言っていました。

「欧米での裁判員裁判では、陪審員は判決が出るまで一般とは隔離されてテレビも見られないなかで過ごすのだ。」と。

まぁ、そこにも人権がからんでくるでしょうが、いかに裁判というものを公正に行うかに対して、細心の注意が払われているかの証しですわね。

日本もまだまだ人権後進国なんだなぁ、と思った次第でした。




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