ダーリンは少し前から「かかとが痛い」とよくこぼしていました。
しかし、それは必ずゴルフに行ったあとによく言うことだったので、
「いいことじゃなぁい! きっとインパクトの瞬間に左足でこらえよう、ってする力が強いのよぉ。」なんて言って全然たいしたことだとは思っていませんでした。
そもそも私は腕とか足とか内臓がない場所の痛みについては冷淡なんです。
「かかと」なんてその最も際たるものじゃありませんか。
そうしたら最近になって「全然痛みがとれない。」と言ってはシップ薬を買ってきて、寝る前には必ず貼って寝るようになりました。
そして「ずれるから」と言って、ついに3日ほど前からはシップ薬を貼った上から靴下を履いて寝るようにもなりました。
私が、
「ねぇ、靴下はいて寝ると疲れがとれない、って前に聞いたことあるよ?」と言っても、
「いい。確かに暑苦しいしイヤだけど、痛いよりは、いい。」なぁんて言うので、よっぽど痛いんだなぁ、とさすがに心配になりはじめていたところでした。
夕べ、ダーリンが自分で症状をいろいろとネットで検索した結果、
「おれ、『足底筋膜炎症』だわ。」と結論づけたように言い放ちました。
「なに、それ?」と聞くと、
「スポーツ選手がなるやつ。深堀圭一郎(プロゴルファーです)もそうなんだって。」
とちょっと自慢げな表情すら浮かべています。
「ふぅん、で、どうすれば治るの?」
「それがさ、治らないんだって。」とこれまた自分が不治の病に犯されたヒロインのようにうっとりした表情で言います。
「だましだまし一生いくしかないらしいよ。」
ま、ここまではまだ私も笑っていました。
しかし、次のこの言葉で私は引きつりました。
「ひどくなると、かかとの骨が増殖して筋肉に突き刺さるようになるから余計に痛いんだって。」
そりゃあ痛そうだ、ということから引きつったのではありません。
少し前に、テレビで原因不明でどんどん身体のあちこちの骨が増殖する、という病気の人の話を見たからです。
原因不明なので当然治療のほどこしようもなく、あんまりひどくなると増殖してとがった部分の骨を手術で削るしかないそうです。
確か外国の話でしたが、テレビに出ていた人は、3歳のときに発症して、大人になるまで何十回も手術をしていました。
そして、ずっと前に日本でもこの稀な奇病に犯された人がいる、という話をやはりテレビで見たことがあり、このときの衝撃がずっと忘れられませんでした。
その人はまだ若い女性でしたが、もう自分の意志で動く身体の部位はどこもありませんでした。
骨が増殖して筋肉やらほかの組織に入り込む、ということは身体が木の棒のように固くなってしまうのです。
本人は痛くないらしいですが、日に日に増えていく骨によってどんどん自由を奪われていくというのはものすごい恐怖でしょう。
あまりにも強烈な印象だったので、ずいぶん前の番組ですがよぉく覚えていたのです。
そしてこの前また同じ病気の人の話を見たので、よほどこの情報に私は出くわすなぁ、何かメッセージでもあるんだろうか、とちょっとおびえていました。
それがダーリンの身の上に起こるってことだったら・・!
「とにかく病院に行って一度診てもらってきなさいよ。」と私は言いました。
「素人判断でそんなこと言ってちゃダメなんだから。」
「ひょっとしたらシップするのだって、しないほうがいいことなのかもしれないし。シップにだって温シップと冷シップがあるじゃない。よかれ、と思ってやってることがかえって症状を悪化させてるなんてこともあるかもしれないし。」
こうなると急に私はダーリンがものすごーい重病に見舞われてしまったかのように、そしてもし本当にそんなことになったらこれからどうやって生きていけばいいのか、というシミュレーションを始めてしまいました。
まず、行政でどれだけの補助がでるのかを徹底的に調べて、受けられるサービス、もらえるお金はきちんといただくとしよう。
それから・・・
24時間介護が必要となったとき、私はどうやって仕事と介護の折り合いをつけながらダーリンと時を過ごすか、だな。
とにかくダーリンにはいつも笑顔でいてほしい。
病気に負けるな、とは言わない。
でも、闘病のなかでも毎日ちょっとしたことに「幸せを感じるね。」と一緒に笑いあいたい。
たとえ車椅子になっても、四季おりおりの風景を見に連れて行ってあげたい。
でもそうなったらダーリンはひょっとしたら私に迷惑かけるくらいだったらもう離婚してくれ、とか言うだろうか。
何か、そんなシミュレーションをしているだけで、泣けてきてしまいました・・・
ほんとにわたし、笑顔でずっと介護なんてできるんだろうか、とかも自信ないし・・・なんて。
そんなことを考えていたら、当のダーリンから電話が入りました。
「あ、えっこちゃん? 病院行ってきたよ~」
「どうだったの?」
「やっぱり、かかとの筋肉が硬直して炎症を起こしてるんだって。」
「え・・ それじゃあ、やっぱりあの足底筋膜炎ってやつ・・?」
「まぁ、そんなようなもん。」
「治らないんだよね・・」
「いや、治るってさ。」
「え?」
「温めて、適度に運動もして、筋肉マッサージして・・ だって。温感シップももらったよ~」
「・・・そんだけ?」
「うん、そんだけ。」
「なんか、きっぱりしないね。たとえば数字がこうなったら治ったと思っていい、とかこの薬を何ヶ月続けて飲んだらまず、もういいでしょう、とか、そういうの、ないの?」
「うん、ない。」
「あとあと骨が生えてきちゃう可能性があるとかは?」
「そんなん、ない、ない。」
「・・・・・・・。」
「あ、でさ~。今週、取引先から誘われてたゴルフ、やっぱり行くわ。」
どうぞ、ご勝手に。
ダーリンがとりあえず難病の診断名を持って帰ってこずにほんとうによかったけれど、いつ治るともしれないような、たいして治療という治療らしきものもないような症状だというのが、なにかきっぱりとしない。
この前テレビを見ていたら、現代は「なに、それ?」というような病名がいっぱりあるんですね。
「他人の手症候群」とか「不思議の国のアリス症候群」とか。
そしてお医者さんは言っていました。
「病名がつくことによってほっとする患者さんというのも多いんで。病名がついて救われた、と言う患者さんもいっぱいいらっしゃいます。」って。
わかるような気がします。
ダーリンもお医者さんに行って、「筋肉の硬直炎症」ということがわかって、何だかルンルンしているみたい。
お医者さんに行って診断を仰いだことによって、「そういう治療なら接骨院でいいな。」とか「マッサージもやっていい、ってことだから行こうっと。」とか何だかやるべきことが分かって生き生きとしています。
変なもんですけど。
私も、介護生活がまだやってこないようで少しほっとしました。
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