先日、再び父の見舞いに行きました。
病院の入り口を入ると、すぐそこに置いてあった椅子に父と母がぼんやりと腰掛けていました。
「あら、こんなところにいたの?」と言いながら、私は用意してきた大福餅ときなこ餅を取り出し、
「はい、おやつでも食べたら?」と勧めました。
すると、母がわざとらしく目をまん丸にさせて、
「あんたぁ~、毎日こんな甘いもの食べてんのぉ?」と言うではありませんか。
「いや、食べてないよ。」とだけポーカーフェイスで言いましたが、内心はまたまたムカムカ。
どうしてこの人は、いつもいつもいきなりアラ探しをするようなことを言うんだろう。
どうしてまずは、「あら! おいしそうね~」とか、
「おやつ持って来てくれたの? ありがとう。」とか言えないんだろうか。
「毎日こんな甘いもの食べてるの?」なんてことは、私が「それじゃあ、私も一緒にいただくとしますか。」と言って、いきなり2つも3つもパクパクと食べたときに初めて言えばいいことじゃないですか。(むろん、そんなことしてません。そもそも基本、私は甘いものがそんなに好きではないんです。きちんとした食事が好きなものだから、それでおなかいっぱいになって、おやつにまで手が回らない、と言ったほうが正確ですが・・)
そのあと、昨日親戚の誰それさんも入院したんだって、とか病院にいるんだから仕方ないですが、あれこれと他人の健康のとりとめもない噂話をしていました。
そして最後に母が、
「私の今の一番の心配は、あんたが太りすぎで糖尿病とかの病気になったりしないか、ってことだよ。気をつけなさいよ。」と言いました。
ここで私はキレました。
それまでに、さんざ「あんた、糖尿病とか大丈夫なの?」と聞かれて、「血液検査とかはよくすることがあって、数値にはなんの異常もない。」と言っているにもかかわらず、何を心配してるの?
そして私は何に気をつければいいっていうの?
気をつけている人でも病気にかかるときにはかかるし、かからない人は結構不摂生な生活をしていてもかからなかったりする。
検査を頻繁にしていてそれで何の異常もない、って言っているのにまだ追い討ちをかけるように「気をつけなさいよ。」で話を締めくくろうとする母にもう我慢がならなかったんです。
「心配なんてしてもらわなくったって結構。いま、悪い数値でもないし、バランス考えた手作りの食事をいつも作ってるって言ってるのに、これ以上何に気をつければいいのかもわからないもん。だいたい、人の顔みりゃあ、悪いことしか口にしないんだから。もう、ほんとに話すのがイヤになるわ。」と言い放ちました。
するとさすがにハッとした顔をして、母も少しは気付いたようでした。
さて、そんなことがあった日。
夜、いつものようにダーリンからのカエルコール。
「おー、いま会社出たからな。えっこちゃん、今日は月がきれいだぞ~ ちょっとだけ月に雲がかかって、まさに秋の月だなぁ、って感じだよ。家に帰ったら一緒に見ようか。」
私はダーリンのこういうところがほんとに大好き。
「うんっ。一緒に見よう!」と言ってから、ハタと私は思いつき、こう言いました。
「ねぇ? もう会社出てるってことは運転中なんだよね? 運転中でそんな空見上げてたら危ないじゃん。ちゃんとハンドル握って前見て運転しなきゃ。」
そして、そう言いながら、あ、わたしってば母と同じことやってる・・!と気づきました。
運転中に前を向いてなければ危険だ。――――――――
そんな子どもでもわかるようなこと、ダーリンは言われたかないだろう。
「そんなことは100も承知だわ。中秋の名月を見ていい気分になってたところへ水を差されたわ!」と言いたいことだろう。
でも、どうしても相手が心配だから、言わずもがな、ってことを言っちゃうんだよね。
母もきっとそうなんだろう。
憎まれ口を叩きながらも私のことが心配で仕方がないんだろう。
だからどうしても口をついて出ちゃうんだろうな。
あ~ぁ、母ともダーリンとのようなこんな会話が出来たらいいのに。
・ ・と思ったとき、あれ? 別に出来るじゃん、と気づきました。
これまでさんざ、母とは死ぬまでにはもう少し良好な関係になっておきたいものだ、と思っていたけれど、どうしても急に相手を褒めるだの、素直になる、だのということは無理だ、とも感じていました。
だけど、“母”に対しては言えなくても、何か別のことを対象として、豊かな時間を共有することは出来る。
母にこれまで「見てごらん。今日は月がきれいだよ。」なんてことは言ったことがなかった。(もちろん、母からも聞いたことはない。)
今度、そんなことを言ってみよう、と思いました。
そうすれば、ほんとうにその日、月が綺麗かどうか、ということよりも、(あら? この子、何だか少し柔らかくなったわ。)ぐらいは感じ取るだろう。
そうしたら、母から返ってくる言葉ももっと柔らかいものとなるかもしれない。
ほんとに些細な気付きだったけれど、こんなことを思いました。
そして、これはバタフライ&シーエッセンスを採っているせいかしら・・?と思いました。
別名、人間関係改善エッセンス。
しかもいつもなら、服を着替えたときにシュッシュッとアークエンジェロイのときのように自分の身の回りに振って、最後に口中にもシュッと一吹きするだけなんだけど、みんなこの舌下に一吹きのほうが圧倒的に気付きが多いっていうんだよね。
ならば、身体にだって服を着てからよりも直接肌にスプレーしたほうが効くだろう、とこの日は、裸のときにスプレーしてみたのでした。
そしたらとたんにこんなことが起こるなんて・・!
エッセンスのおかげだとしたら様様です。
でも、なんのおかげでもいいよね。
エッセンスのおかげでもあるし、ダーリンのおかげでもあるし、気付けた私もえらいんだ、そう思おうっと。
そんなことをつらつらと帰ってきたダーリンとともに屋上から月を眺めながら話しました。
今日、母とこんなことがまたあってね、って。
でも、ダーリンの言葉でこう思ったんだよ、って。
ずっとダーリンは「うんうん。」って聞いてるだけでしたけどね。
こうしてお互いの顔を見つめながらではなく、いま、この瞬間の美しいもの、を心に刻みながら、それを見つめながら話をするのっていいなぁ、って思いました。
中秋の名月さまさまですね。
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