団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

老人泣かせ

2018年06月15日 | Weblog

①     ビニール袋の固く縛った結び目

②     ペットボトルのフタ開け

③     缶のプルトップフタ開け

①      最近電車内で立て続けに高年齢の女性から助けを求められた。電車内での無差別殺傷事件のような切羽詰まったものではない。不思議なのは、私だって古稀を過ぎた爺様なのに、なぜ私にと思うのである。まわりには若者だっている。

 先日週刊誌にこんな記事があった。新潟で線路上に遺体遺棄した容疑者について精神科医の見解である。「彼の行動はどれもお粗末で短絡的。現実検討能力が低く、おそらく知能指数も低い。社会人6年目にして顔つきも幼すぎて、精神年齢の低さが感じられます。これまで我慢して、隠して、抑圧していた欲望が、何かのきっかけで止められなくなり、衝動的に犯行に及んだのではないでしょうか」 私はこのような精神分析の文言を読むと必ず私自身が精神分析を受けている気になってしまう。私は自分の知能指数がいくつなのか知らない。知能指数をはかるテストのようなものを受けた覚えがあるが具体的な数字を知らない。高くないことは確実である。それは私の学業実績でわかる。子供の頃からベビーフェイスだと言われた。短絡的で現実検討能力にも欠けている。今はほとんど消えたと思うが、抑圧された欲望にも勢いがあった時期がある。要するに私はおつむの弱い人畜無害タイプのお人よしに見えるらしい。それもまた由としよう。私に何か頼むのは、圧倒的に女性が多い。

 ある日電車のボックスシートの斜めさし向かいに座っていた女性が10円玉と100円玉がそっこに入ったビニール袋を手渡した。「えっ、私、お金いりません」と思った瞬間「すみません、硬くて開けられません。家に帰るバス賃・・・」 私は胸をなでおろした。でもなぜ私に?だって他にも人がいるのに。私だって最近は結び目をほどくのは苦労している。爪を使って何とかビニール袋の結び目をほどいて女性に手渡した。女性は次の駅で降りた。ホームに降りた女性は、私に向かって何度もお辞儀をしていた。

②      東京の病院へ糖尿病検診で行った日は5月にしては暑い日だった。電車も混んでいた。熱中症予防にと私も妻に言われたことを守ってペットボトルの水を時々飲んでいた。横掛けのシートの隣の女性が私にお茶のペットボトルを渡して「開けていただけますか」と言った。即開けてあげた。美味しそうにのどを鳴らして飲み始めた。

③      老人の缶飲料のプルトップを開けてあげた事もある。私でも開けにくい。爪を痛めそうで家では道具を使う。

 歳を取れば取るほど若い時苦もなくしていたことができなくなる。こんな私でも他の老人の役に立つうちは、協力していきたい。そして生産販売する側も、老いた消費者に配慮をしてほしい。もっと若い時に若い女性から頼まれごとをされたら・・・。遅い春がきたのか。やっと女性にもてるようになった、と思うことにしよう。

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