団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

聴きたい、読みたい、話したい

2012年09月13日 | Weblog

  この東日本大地震、竹島、尖閣問題の後、テレビに出てくる人たちの意見に同調、感心、納得することがない。多くのテレビ番組で何らかの意見を述べるタレント、学者、政治屋たちは、あちこちの出演しすぎている。こんな折、自分の書斎にこもって思索している様子は感じられない。あまりに喋りすぎる所為か、話の内容に切れがない。多くが感情的なだけで耳を傾ける価値がない。私はそんなテレビを観ないようにしている。代わりに本を読んだり、ラジオを聴くようにしている。そこでわかったことは、テレビに出演しない人のほうが、頻繁にあちこちのテレビに出ている人々よりずっとよい意見を持っていることだ。

  このような国難の真っ只中、私が意見を聴きたい、もしくは会って話したいと思う人がいる。その人たちに共通していることがあるのに気がついた。どのひともテレビに出演がほとんどない。人によっては、テレビ出演を明確に否定している。養老猛司さん、佐藤優さん、加地伸行さん、山の恵み里の恵みさんの4人である。

  養老猛司さんは、もともと解剖学の教授だ。『バカの壁』などの著書を読み、共感し学ぶことが多い。養老さんのような著名人と直接会って話すことなど可能なはずがない。しかし彼の本を読むことによって、こんな私の質問にどのように答えてくれるだろうかと、彼の本を読む。私は、彼のテレビ出演が少ないことに好感を持っている。

  佐藤優さんは、妻と同じく外務省にいた。私は、大使館で多くの外務省員と会っている。佐藤さんが書いている外務省員像に共感を持っている。佐藤さんは、キャリアではない。そこにまた私が魅かれる。『週間とりあたまニュース』(新潮社 1100円)のはしがきで「それだから二流以下の表現者であると自分の分をわきまえていつも文を綴っている。ただし、長い間、外務官僚をつとめていたので、複雑なことをわかりやすい言葉で表現することは得意だ」と書いている。これこそ私が求めることである。確かに佐藤さんの本は、理解しやすい。何よりテレビに出ないことがいい。

  加地伸行さんは、産経新聞に『古典個展』というコラムを持つ大学教授である。加地さんもテレビに出ているのを見たことがない。

  山の恵み里の恵みさんは、妻の高校の恩師である。gooブログ『山の恵み里の恵み』を掲載している。私は、彼のブログから多くのことを学んでいる。彼は政治、経済などについて一切ブログでは触れることがない。言いたいことは山ほどあるだろう。しかし彼はただひたすら大好きな山菜採りと定年退職してから始めた畑仕事と読書で得た喜びのことしか書いて載せない。博識で知的な彼が自然の中、土と格闘し、文字に埋もれる。私の目指す生き様である。面と向かって話を聴きたい。

  便利な時代である。ブログで山の恵み里の恵みさんと密会できる。そのブログも投稿頻度が減ってきて心配している。まともな人の話しを聴きたい、読みたい、そして、そういう人と話したい。

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