団塊的“It's me”

コキロク(古稀+6歳)からコキシチ(古稀+7歳)への道草随筆 2週間ごとの月・水・金・火・木に更新。土日祭日休み

旅 パック・ツアー 飛鳥Ⅱ

2017年08月29日 | Weblog

①    迎えに出てくれる友人親戚がいる旅行

②    パック・ツアー

③    自分自身で計画した単独旅行

①    の旅が私の理想である。しかし私自身も歳をとり、相手がすでに亡くなったり、歳で音信不通になっている場合もある。このような旅は、もうできる可能性はほとんどなくなった。

②     ①の旅行ができなければ、パック・ツアーに頼るのが、年寄りには賢明である。先週横浜―函館―七尾を船で回って、最後に和倉温泉に泊まるツアーに参加した。妻は船の旅をしたことがなく、いつかは船で世界一周したいと話していたので、夏休みを利用して船旅に参加することにした。長く海外で暮らしたので、海外旅行に妻も私も、あまり関心がない。妻の仕事の都合で10日間が限度である。今回は4泊5日だった。船は5万トンの本格的な日本船籍の客船だった。船内の設備も乗組員の接客態度や食事も悪くなかった。私には夕食のフレンチでもイタリアンでも和食でもフルコースは、量が多すぎた。トイレは、ウォシュレットで嬉しかった。大浴場も見晴らしよく気持ちよく入浴を楽しめた。乗客約900人、乗組員約450名。客は100%日本人。乗組員の3分の1が日本人で3分の2が外国人。乗組員の多くはフィリピン人で、ロシア人も多かった。おそらく人件費の節減対策であろうが、彼らが楽しそうに働いているようには見えなかった。原因はチップに違いない。チップの習慣のない日本人には、当たり前のことでも船で働く彼らにとっては、意欲が萎える。サービスを無料と考える日本人と、サービスはお金で買うモノという発想の違いであろう。社会主義時代のロシアの諺に“われわれは働くふりをし、彼らは給料を支払うふりをする”がある。私は何となくその諺の雰囲気を感じた。外国人乗組員は、日本式に教育訓練されていても、いつまでこのやり方で通用するのか疑問である。欧米を旅行してサービスを受ける時、チップ欲しくて過度な行動言動と感じることがままある。しかし不愉快な思いをするよりは良い。日本人のチップには、感謝の気持ちが強く表れる。ぜひ日本船籍の客船にも“こころづけチップ”を適用して欲しい。(写真:横浜ベイブリッジ通過)     

乗客は圧倒的に年配者が多かった。ある時私たち夫婦のテーブルの隣とその隣に91歳の親子と92歳で一人旅の男性が座った。船内は海の上の老人ホーム化していた。私は思った。船上の介護施設があっても良いのではと。健康状態の良い老人を乗せ、日本の港を訪れる。マンションや会員制リゾートのように権利の売買ができれば、面白い。函館で「松前城と蝦夷アワビとマグロを食す」オプショナルツアーに参加した。松前城の坂を上がっていく時、前の年輩女性が階段で脚を取られ、私の方へ倒れ込んできた。とっさに私は彼女を抱きかかえた。火事場の馬鹿力。しかし彼女の日傘の先が私の膝を強打した。彼女は「あら、ごめんなさい」と言って連れの女性のもとに行ってしまった。アザが残った。今朝もカサブタがかゆい。旅の思い出となった。(写真:松前城)

③    若く元気な頃、私はパック・ツアーを馬鹿にした。一人でどこへでも危険など一切考慮せずに無茶な旅をくりかえした。若いから、若くなければできない旅行がある。すこしでもそういう冒険をすることができたことを善しとしたい。

 今朝6時頃、北朝鮮がミサイルを発射した。日本の上空を通過したらしい。船上でこのニュースを聞いたら、きっと震えていただろう。のんびり船旅もできない。北朝鮮の暴走は更にエスカレートするのだろうか。Jアラートやらが「ただちに頑丈な建物や地下に避難してください」と言う。そんな場所があるの?

 徳光和夫さんがテレビで「一日に思い出が三つぐらいづつ消えてゆく」と言っていた。北朝鮮のミサイルで私の存在そのものを、私の過去を、一瞬で消されるのはご免こうむりたい。

 

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