団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

電話での初診受付

2024年06月06日 | Weblog

  昨日東京の病院へ行った。その病院へは初めだった。先日の主治医の診察の時、脚の血流検査で右脚の血流が悪化していることが分かった。主治医が専門医に診てもらうよう勧めた。またカテーテルでの治療になりそうな予感がした。心臓の血管は、すでに6回カテーテルでの検査治療を受けている。その後狭窄は、下腹部と右脚にも見つかった。2年前に下腹部にカテーテルでステントを入れた。右脚は、カテーテルでバルーン療法を受けた。私はカテーテルが大嫌いである。まあ好きな人はいないと思うが。カテーテル施術は、担当する医師によって患者の負担が大きく異なる。以前カテーテルを受けている時、心拍数と血圧が急低下して命の危険に直面した。やはりカテーテル施術を受けるなら評判の良い名医にしてもらいたい。やっと見つけたカテーテルの名医だったが、遠い病院へ移ってしまった。

 今回は、あてがないので主治医が勧めてくれた病院の専門医に会ってみることにした。電話で予約を取った。電話の応対は、ひどいものだった。仕事が嫌なのか、もともとの性格なのか、高ピーな態度で親切という気持ちのカケラも感じなかった。病院へ予約を取って診察を受けるという事は、だれでも何らかの病状を持っているのだから不安の塊である。いろいろ質問された。「紹介状ありますか?」「〇〇先生は、水曜日しか来ません」「○○先生は、心臓が専門です。」「初診なので診察の予約の1時間前に来てください」「画像はありますか?」 文字だけなら感情は伝わらない。相手の女性の声に どの問いかけにも怒りを堪えて答えた。○○先生は常勤。○○先生は循環器内科。

 朝6時台の電車に乗って妻と上京した。東京駅で分かれた。初めての病院なのでタクシーに乗った。杖を使っているので、東京の混雑と階段の昇り降りに自信がなかった。大きな立派な病院だった。電話の女性と違って、院内の受付の人たちは、親切に対応してくれた。手続きも15分で終わった。診察室の前で約1時間待った。私がその日の最初の患者だった。

 医師は、40代くらいだった。何より聞きやすい話し方なので、医師のいう事をきちんと聞き取れた。最近どこの病院で診察を受けても、医師はマスクをかけているせいか、私は医師が言っていることを聞きとれないことが多い。診察時間も5分ない。今回もそんなものだろうと高をくくった。いつもと違うぞ。もう5分はとっくに過ぎている。医師は、聞き上手だった。いろいろ話しているうちに私がカナダに留学していたと話してしまった。医師が言った。「私もカナダのトロント大学へ行っていました。カナダのどこですか」「アルバータ州です」「アルバータ州ですか。子供を連れてドラムヘラーの恐竜博物館へ行きました。行かれましたか」「私の学校がドラムヘラーの近くだったので何回か行きました。でも私がいた頃、まだ恐竜博物館はありませんでした。でも恐竜の化石や恐竜の卵がゴロゴロしていて、規制もなくいくらでも持ち出せました」「持っているんですか」「残念ながら」

 不安の塊だった私は、ここへ何をしに来たのか分からなくなった。時間はすでに20分を越えていた。まずCTで血管の現状を診て、これからの治療を決めることになった。2日後にCT検査の予約をとった。しばらく東京の病院へ通うようになりそうだ。入院も有り

 病院だろうが会社だろうが役所だろうが、電話の応対は、そこの病院や会社や役所への入り口である。多くの場合、印象は入り口で決まってしまう。今回入り口は、最悪だったが、中は悪くなかったので救われた。世の中、なかなか適材適所と思われる人の何と少ないことか。


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