団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

アフガニスタン

2021年08月30日 | Weblog

 アメリカ軍がアフガニスタンからの撤退を8月末に実施すると決めてから、タリバンの攻勢が強まった。みるみるうちに首都カブールまで制圧してしまった。今、カブールは南ベトナムのサイゴン陥落のような状態になっている。

 以前外務省に勤める友人が、アフガニスタンの日本大使館に勤めていた。8年前に休暇で帰国した彼が、私たちの家に泊りがけで会いに来てくれたことがある。アフガニスタンの話をたくさん聞けた。彼から、時の高橋博史大使の話も聞いていた。

 ネットの検索は便利だ。“在アフガニスタン日本国大使 高橋博史”と入れると、なんと最近ユーチューブのキャノングローバル戦略研究所の番組に出演しているではないか。早速ユーチューブで彼の話を聞いた。どんなテレビやラジオのアフガニスタン情報より解りやすい。高橋博史元大使は2012年から2016年まで大使を務めている。新聞でもテレビでも、日本のマスコミの取材の薄さを残念に思う。アフガニスタンに興味のある人に是非観て欲しい。(ユーチューブ:キャノングローバル戦略研究所で検索)

 私は妻の海外赴任に同行して、イスラム教国のセネガルとチュニジアで5年以上暮らした。セネガルのイスラム教は、原理主義というより、マラブーという宗教主導者の影響が強く感じた。チュニジアは、イスラム教国としては改革的で、女性の社会進出も盛んだった。ただイスラム教の影響は、人々の生活に深く浸透していた。信心というより、疑いもなく真実として受け入れているように思えた。日本人の私は、八百万の神々的なあいまいな思いで特定の神に絞り込めないので宗教色の強い国では、どこでも余所者の感を持った。

 個人的には、政教一致で宗教が政権を握るのは反対である。日本でもその可能性があるが、もしそうなったら日本から出る気である。私が生きているうちにそうならないことを願うばかりである。宗教は、政治とは別次元のものであると、私は信じている。

 TOKYO2020のオリンピックは、今パラリンピック真っ最中である。タリバンが治めるであろうアフガニスタンと、オリンピックが目指している世界とは真逆の気がする。タリバンは、ブブカ未着用の女性のオリンピック参加を認めないだろう。イスラム教以外の宗教を認めない。LBGT問題でも男色以外は、認めないと思う。だがオリンピックではLGBT問題、宗教問題、人種問題を理想主義すぎる扱いをしているようにも思えるが、真摯に立ち向かっていると思う。今のまま理想を徐々に実現できれば良い。進もうとする方向さえ間違えないでほしい。ただ特定の宗教や国家が全てを抑え込もうとすれば、世界はバラバラになり、覇権争いで収拾がつかなくなってしまう。

 高橋博史元アフガニスタン大使が言っていたように、タリバン政権と中国が、これからどういう関係を持つかが心配である。コロナで心配、国際情勢で心配。心配ばかりで心は晴れない。

 


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