団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

猛暑と早朝散歩

2021年08月02日 | Weblog

  今朝の日の出は4時53分だった。ベッドわきのラジオは4時55分にスイッチが入る。目覚ましは、2段階にしている。ラジオ、次に目覚まし時計。還暦を過ぎたころから、少しずつ、朝、目が覚める時間が早くなってきた。習慣からか、だいたいラジオが音を出す数秒前に目が開く。ベッドの中でまずラジオのニュースを聴く。それから起きて、トイレ。その後体重を測る。それから朝食をとる。これが私たちの日課である。

 

 7月初旬の梅雨最後の長雨の後、今度は猛暑が続いている。雨で散歩をやめ、今度は猛暑で散歩に出られない。私は一日最低5千歩を目標としている。私は、目標を達成できないと憂鬱になり、機嫌が悪くなる。そうならないために、何とか工夫して5千歩を超えようとしている。外に出られない日は、ウォーキングマシーンを使う。でも私はウォーキングマシーンが嫌いだ。家の中だと息がつまりそうになる。子供の頃から“道草王子”と自称していた。とにかく外が好き。

 

 そこで土日と妻が休みの日、5時に起きてすぐ散歩することにした。まだ精密検査が終えていない妻の健康が心配だが、これも健康増進に役立つと勝手に判断した。7月初めの雨で家の前の道路が決壊した。応急処置で大きな黒いビニールバッグ土のうを積み上げて、次の川の増水に備えている。道路中央に『人も車も通れません』の看板もある。そのために私の散歩の道順が変わった。早朝の散歩は、気持ちが良い。夜の気温が25度以上だと熱帯夜だという。熱帯夜だったとしても、朝5時くらいだと汗をかくほどではない。

 

 ゆっくり歩いているようでも、妻は私の歩くのが早すぎると言う。そこで道草が出番となる。アオサギが木のてっぺんに止まっているのを見つける。妻に「ほら、あそこにアオサギが串刺しになっているよ」と言う。アオサギが羽を広げていて、枯れた枝がその中心から上に突き出ているように見える。まさにアオサギの串刺しだ。名前を知らない珍しい花を見つけ、立ち止まる。アオスジアゲハ、紋白蝶が飛び交うのを目で追う。人家が続く場所では、昨夜観た映画の感想を話したり、ユーチューブで観た養老孟司の『死生観』について話したりした。妻と二人で散歩すると散歩は苦痛でなくなる。

 

 月曜日の今日、妻は東京へ行く。5時過ぎに、私ひとりで散歩することになった。妻は東京へ行く支度を家でしていた。一人の散歩は、気が乗らない。それでも私を活かすためには、歩かなければならない。糖尿病による合併症で、足裏に感覚異常がある。厚い靴下と探し求めた歩きやすいウオーキングシューズ、どうやっても足の裏にブリキ板を張り付けたようなゴワゴワさが消えない。自分では足を上げているつもりでも、ちょっとの段差で躓いたり、よろめいたりする。きつい坂では脚が重量挙げのバーベルのように重くなる。嫌なことも花や昆虫や鳥を見ると、忘れられる。そして散歩を終えて、家が見えてくると、私の脚は、若者のように軽やかに動く。

 


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