備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

月下獨酌

2006-10-06 23:55:29 | 料理・食材

今日は こと更 『月』が話題に上がる日だろう。

時折見えるものの 叢雲に隠れている。

先だって、『月とススキとブラームス』と書いたが
今日のこの陰影が めまぐるしく変わる月光には、
むしろ バロック的な方が合うかな?

という訳で、今日は、バッハの曲で晩酌。
透徹する様な強い月光とフッと来る闇。
明晰な組み立てに含まれる何かアンニュイな感情。

陽光と違って、見ることの出来る月光は
同時に 自分の内面の何かを映すようで複雑……です。


今日は、曇っていて見えませんが、
オリオン座の真ん中には 3つ星があります。
この3つ星は 中国で『酒星』と呼ばれています。

酒呑みの詩人 李白の詠んだ『月下獨酌』に、酒星が出てくる。


天若不愛酒 酒星不在天。
地若不愛酒 地応無酒泉。
天地既愛酒 愛酒不愧天。
己聞清比聖 復道濁如賢。
賢聖既己飲 何必求神仙。
三杯通大道 一斗合自然。
但得酒中趣 勿為醒者傳。

文字化けではありません。(念のため)
まぁ 簡単にゆうたら……

もし天が酒を愛してへんかったら 酒星はあらへん。
もし地が酒を愛してへんかったら 酒泉はあらへん。
天と地は昔から酒が好っきゃねん 酒好きは天に恥じることちゃう。
清酒は聖人やし ほんで濁り酒は賢人って聞いたで。
もう賢と聖を飲んどぉのに 何でわざわざ神仙の道を求めなあかん?
三杯で人生の達人! 一斗で宇宙の法則!
酒を飲んだら ただ酔っぱらう。
醒めとぉモンには ゆうてもしゃあないなぁ~

って具合。


こんなには、開き直られないけれど、
月も酒星も見えないのに、
李白(特別純米)相手に 一人で呑みすぎた……。

昔から、酒呑むのに いらん理屈をわざわざ言うのは
変わらんな~。と 酔っ払いながら思った次第。


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