備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

ヒラの煮付け

2011-04-09 14:12:50 | 料理・食材
岡山に来てから知った非常に美味な魚。何故、他所で食べられないのかが謎。

初めて頂いた時に、師匠が「小骨がなかったら、みんな殿様が食べてしまうやろ」と言われたけれど、その通り。上品で佳味ながら小骨が触るのが難点。
まぁ、骨があるからこそ、やきもん屋の口にも入るというものか。

今、お殿様っていないけど……。

ヒラは、字の如く平たい魚。
瀬戸内で揚がる魚にしては、結構大きめサイズに成長する。顔つきは大陸系。ウロコは大きくて剥し易い。皮が薄い反面、小骨が多いので皮付きのまま骨切りする。刺身や酢〆にする場合も極力薄く仕立てる。
これから卵を持つ頃には高級魚扱いされ、今からが旬。魚屋さんでの店頭価格に一瞬躊躇するほど人気。メスとオスの価格差がこれまた……激しい。ベカも同様ですな。

関西でハモを骨切りして食べるなら、ヒラも食べても良さそうなんだけど。生命力の違いか? 今は冷蔵庫があるので海からの距離も生命力も関係ないので、永年の習慣の違いか。
まぁ、あまり知られて高値になっちゃあ~困るので、やはりローカル扱いが良いな。


卵塊があれば、そのままブツ切りにして煮魚が良い。上品な身の甘さが感じられるぐらいの淡白な味付けが好ましい。

小生の場合、いつもの煮汁は、醤油、酒、味醂が同量で、それを水で倍に薄めて使う。ヒラの場合は、更にもうひと息薄めた感じ。まぁ、テキトーなんだけど。
あしらいは、その時の気分で決まる。


さて、今回も美味しゅう御座居ました。


しっかし、小骨が触るなぁ~。(←自分で骨切りした結果なんだけど)

殿様だったら、誰か『小骨取り係』が要るぞ。

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