近所のノラネコ同志のゴアイサツ。写真奥より、キリリ、シロサバ、ハナグロ。いずれも中高年の女性たちである。
ゴアイサツといっても、決して友好的なものではない。「あんた、出しゃばんないでよ」とばかりに、お互いをけん制しようと体と頭を激しくぶつけあう類のものだ。
ときに頭のぶつけあいは「ゴチン」という音が聞こえてくるほどの頭突きとなり、頭をぶつけあったネコ同士はその後一瞬動けなくなる。頭への衝撃のせいで、きっと目から星が出ているに違いない。
尻尾を立てているのは他のネコに対してではなく、彼女らの前にあらわれた金づるになりそうな人間(この場合はわたし)に対してだ。だれがその人間のもとに最初に行くかをめぐって、毎回さや当てが繰り広げられるのである。
しかしこの日、急いでいたわたしはこの3匹を無視してしまった。3匹が一斉に「ウッソォー。あたしたちを無視するなんて。あんたそんなことしていいと思ってんの?」というような眼を向けた。スミマセン。