5年間使ってきたhpのインクジェットプリンターが壊れた。
電源は入っているのだが、ウンともスンとも言わない。前面カバーを開けると、印刷待機中の既定の位置にあるカートリッジホルダーの下のストッパーのようなものが持ち上がっていて、インクカートリッジが外せない。
はて? 電源を入れてからカートリッジホルダーのストッパーのようなものが持ち上がって下がらなくなるというトラブルは、どこか既視感がある。
(↑いや、見てほしいのは、ペプシのおまけのベアブリックじゃなくて、その後ろのプリンターのカートリッジホルダー。)
いやとにかく解決法だ。金欠なのでなるべく新しいものを購入せずに済ませたい。そこでまずhpのサイト内を探したが、ここに参考になるような解決方法はない。
そうなると次はやっぱりkakaku.com。のぞいてみると、おお、この種のトラブルはすでに発売時に結構起こっていたか。そして、誰かの対処法を求める書き込みに、とりあえずの対処方法を書いたやつがいる。これに従おう「静電気の可能性があるので、コンセントを抜いて一晩放置し電源を入れなおす」とな。
しかし、よく見るとその対処法を書いたのは、どうやらわたしらしい。そういえば購入してから1ヶ月後に、今回と同じトラブルがあったことを思い出した。この方法でもトラブルは解決せず結果的に取り換えになったが、あのときhpはものすごい勢いで替わりの新品を送ってきてくれたものだ。
今回もやはりトラブルは解決しなかった。でも、5年も使っていれば、いつ故障してもおかしくはないので、よしとしよう。何しろduty cycleが5000枚/月の機種なのに、本当に5000枚/月を印刷しまくった時期があったし、いまでも月500枚ぐらいは印刷しているのだし。
ところで、hpのホームユースのプリンターは、最近の日本市場では元気がない。わたしはキヤノンのプリンターを2台買った後に、今回壊れた機種を含めて3台つづけてhpを買った。かつては、自宅でおもに仕事目的で使うためにとhpのインクジェットを選ぶ人が、わたしも含めて結構いたものだ。
hpのインクジェットプリンターに写真印刷はそれほど期待できなったが、前面給排紙、顔料ブラックインク(黒々、そして濡れても落ちない)、自動両面印刷、なかなかの耐久性 (duty cycle)、ヘッド一体型インク(インクの価格は高いが、インク詰まりが少ない)と、当時のキヤノンやエプソンにはない利点があった。
その一方でとんでもない欠点もあった。日本のメーカーに当たり前にある機能がないことがあったのだ。たとえば「四辺縁なし印刷対応」。今回壊れたこのプリンターは、2003年の夏に発売され、なんとhp初の「四辺縁なし印刷対応」が売りだった。国産メーカーはとっくの昔に、四辺縁なし印刷に対応していたのだが。
この遅れはなぜか? hpのプリンター特有の前面給排紙がネックとなり、四辺縁なし印刷に対応しにくかったのだという話もあるけれど、どうやら根本原因は「hpの本社が日本の年賀状文化を理解していなかった」ということらしい。昔読んでうろ覚えの話だが、以下のようなことがあったらしい。
hpの写真印刷にはもともとあまり定評がなかったので、このメーカーに写真印刷を求めるユーザーは少なかった。(この理由には、写真の色だしの好みが日本と米国では異なっているということもあったらしい)この点から少なくとも当時のhpは、写真の縁なし印刷はあまり考えなくてもよかった。
その一方でどんな使い方をしても、日本における家庭のプリンターでの使用目的から年賀状印刷は外せない場合が多い。それに、最近でこそ家庭におけるプリンターの使用目的は様々だが、当時は家庭でプリンターを買う唯一の目的が年賀状印刷だけという人もまだ結構いたものだ。この年賀状に四辺縁なし印刷は必須。しかし実際はhpのインクジェットプリンターのはがき印刷は、縁なしどころか下辺の最小余白が11.7mm! 年賀状にとっては、なんというスペースの無駄であることか!
もちろんhpで働いている日本人は、いかに四辺縁なし印刷が日本市場に必要かは、十分認識していた。しかしこの件に関して日本側がいくら本社に訴えても、なしのつぶてだったらしい。
そのような状態の中、本社のプリンター部門のお偉いさんが来日したが、彼は取材陣や取引先から同音異句に「いつ四辺縁なし印刷に対応するんですか?」という質問がでて、かなり驚いたらしい。それでもその重要性ができないお偉いさんは、質問者に「プリンターにとっては四辺縁なしよりももっと重要な改善点があるのでは?」と切り返したが、質問者の日本人は誰も納得しなかったとか。
まぁ、よくある話だ。アメリカ人とはだいたいそういうもの。自国の文化で通用するものなら、世界のどこでも通用すると思っている。(もちろん「"h&s" って何の略だ? 『生きているのは地肌なの』」のように、このような失敗からきちんと学んだ例もある。)
プリンターがないと非常に不便で、現に今日も仕事に差し支えたので、取り急ぎ池袋の家電量販店にプリンターを見に行った。最近PCを変えてOSが変わり、そのせいでスキャナーが使えなくなってしまったので、プリンターとスキャナーがくっついているものがほしい。そして重さと置き場所と消費電力を考えて、インクジェット。
担当者の一押しは、hpの家電量販店モデル(Photosmart C6280またはC5280)だったのだが、実はhpに気に入ったのはなかった。そのデザインにはそそられたが、顔料黒インクモデルには自動両面印刷機能がなかったのだ。自動両面印刷機能を優先すると染料インクになる。最上位モデルは、金欠には涙目である。
店員さんが熱心に説明してくれたので誠に申し訳ないのだが、家に帰ってきて、amazonでキヤノンのMP 610をぽちってしまった。
明日新しいプリンターが届くはずだ。10年ぶりのキヤノンである。
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ちなみにわたし、昨日までは「プリンタ」と表記してきましたが、本日より「プリンター」と表記させていただきます。理由は↓
「プリンタ」ではなく「プリンター」~マイクロソフト、カタカナ用語の長音表記ルールを変更
電源は入っているのだが、ウンともスンとも言わない。前面カバーを開けると、印刷待機中の既定の位置にあるカートリッジホルダーの下のストッパーのようなものが持ち上がっていて、インクカートリッジが外せない。
はて? 電源を入れてからカートリッジホルダーのストッパーのようなものが持ち上がって下がらなくなるというトラブルは、どこか既視感がある。
(↑いや、見てほしいのは、ペプシのおまけのベアブリックじゃなくて、その後ろのプリンターのカートリッジホルダー。)
いやとにかく解決法だ。金欠なのでなるべく新しいものを購入せずに済ませたい。そこでまずhpのサイト内を探したが、ここに参考になるような解決方法はない。
そうなると次はやっぱりkakaku.com。のぞいてみると、おお、この種のトラブルはすでに発売時に結構起こっていたか。そして、誰かの対処法を求める書き込みに、とりあえずの対処方法を書いたやつがいる。これに従おう「静電気の可能性があるので、コンセントを抜いて一晩放置し電源を入れなおす」とな。
しかし、よく見るとその対処法を書いたのは、どうやらわたしらしい。そういえば購入してから1ヶ月後に、今回と同じトラブルがあったことを思い出した。この方法でもトラブルは解決せず結果的に取り換えになったが、あのときhpはものすごい勢いで替わりの新品を送ってきてくれたものだ。
今回もやはりトラブルは解決しなかった。でも、5年も使っていれば、いつ故障してもおかしくはないので、よしとしよう。何しろduty cycleが5000枚/月の機種なのに、本当に5000枚/月を印刷しまくった時期があったし、いまでも月500枚ぐらいは印刷しているのだし。
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ところで、hpのホームユースのプリンターは、最近の日本市場では元気がない。わたしはキヤノンのプリンターを2台買った後に、今回壊れた機種を含めて3台つづけてhpを買った。かつては、自宅でおもに仕事目的で使うためにとhpのインクジェットを選ぶ人が、わたしも含めて結構いたものだ。
hpのインクジェットプリンターに写真印刷はそれほど期待できなったが、前面給排紙、顔料ブラックインク(黒々、そして濡れても落ちない)、自動両面印刷、なかなかの耐久性 (duty cycle)、ヘッド一体型インク(インクの価格は高いが、インク詰まりが少ない)と、当時のキヤノンやエプソンにはない利点があった。
その一方でとんでもない欠点もあった。日本のメーカーに当たり前にある機能がないことがあったのだ。たとえば「四辺縁なし印刷対応」。今回壊れたこのプリンターは、2003年の夏に発売され、なんとhp初の「四辺縁なし印刷対応」が売りだった。国産メーカーはとっくの昔に、四辺縁なし印刷に対応していたのだが。
この遅れはなぜか? hpのプリンター特有の前面給排紙がネックとなり、四辺縁なし印刷に対応しにくかったのだという話もあるけれど、どうやら根本原因は「hpの本社が日本の年賀状文化を理解していなかった」ということらしい。昔読んでうろ覚えの話だが、以下のようなことがあったらしい。
hpの写真印刷にはもともとあまり定評がなかったので、このメーカーに写真印刷を求めるユーザーは少なかった。(この理由には、写真の色だしの好みが日本と米国では異なっているということもあったらしい)この点から少なくとも当時のhpは、写真の縁なし印刷はあまり考えなくてもよかった。
その一方でどんな使い方をしても、日本における家庭のプリンターでの使用目的から年賀状印刷は外せない場合が多い。それに、最近でこそ家庭におけるプリンターの使用目的は様々だが、当時は家庭でプリンターを買う唯一の目的が年賀状印刷だけという人もまだ結構いたものだ。この年賀状に四辺縁なし印刷は必須。しかし実際はhpのインクジェットプリンターのはがき印刷は、縁なしどころか下辺の最小余白が11.7mm! 年賀状にとっては、なんというスペースの無駄であることか!
もちろんhpで働いている日本人は、いかに四辺縁なし印刷が日本市場に必要かは、十分認識していた。しかしこの件に関して日本側がいくら本社に訴えても、なしのつぶてだったらしい。
そのような状態の中、本社のプリンター部門のお偉いさんが来日したが、彼は取材陣や取引先から同音異句に「いつ四辺縁なし印刷に対応するんですか?」という質問がでて、かなり驚いたらしい。それでもその重要性ができないお偉いさんは、質問者に「プリンターにとっては四辺縁なしよりももっと重要な改善点があるのでは?」と切り返したが、質問者の日本人は誰も納得しなかったとか。
まぁ、よくある話だ。アメリカ人とはだいたいそういうもの。自国の文化で通用するものなら、世界のどこでも通用すると思っている。(もちろん「"h&s" って何の略だ? 『生きているのは地肌なの』」のように、このような失敗からきちんと学んだ例もある。)
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プリンターがないと非常に不便で、現に今日も仕事に差し支えたので、取り急ぎ池袋の家電量販店にプリンターを見に行った。最近PCを変えてOSが変わり、そのせいでスキャナーが使えなくなってしまったので、プリンターとスキャナーがくっついているものがほしい。そして重さと置き場所と消費電力を考えて、インクジェット。
担当者の一押しは、hpの家電量販店モデル(Photosmart C6280またはC5280)だったのだが、実はhpに気に入ったのはなかった。そのデザインにはそそられたが、顔料黒インクモデルには自動両面印刷機能がなかったのだ。自動両面印刷機能を優先すると染料インクになる。最上位モデルは、金欠には涙目である。
店員さんが熱心に説明してくれたので誠に申し訳ないのだが、家に帰ってきて、amazonでキヤノンのMP 610をぽちってしまった。
明日新しいプリンターが届くはずだ。10年ぶりのキヤノンである。
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ちなみにわたし、昨日までは「プリンタ」と表記してきましたが、本日より「プリンター」と表記させていただきます。理由は↓
「プリンタ」ではなく「プリンター」~マイクロソフト、カタカナ用語の長音表記ルールを変更