巣窟日誌

お仕事と研究と私的出来事

「ネコ」ポリス その84

2007-11-18 22:03:44 | ノラネコ
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新聞を取ろうと玄関を開けると、「ヒャーアアアアア!!」と悲鳴にも似たネコの鳴き声がする。

最近、再びわが家にターゲットを絞ったハナグロの声だ。玄関前に陣取り、出てくる人間を追いかけ、あらん限りの声で鳴き続ける。その声の大きさは普通のネコ3倍、「ヒッ」と小さく鳴くだけのゴキリョウの10倍はありそうだ。

体はゴキリョウよりは大きいものの、ネコとしては小柄だが、自分のテリトリーに近づく全てのネコを威嚇し、近寄ろうとするカラスどもを威嚇し、自分の周りには人間以外の何ものも寄せ付けない。こんな状態だから、チビトラは早々に退散し、この周囲にはまったく近寄らない。ゴキリョウも1日のうちわずかな時間しか出てこない。

誰もが「エサづる」にみえるのかどうか、ハナグロは人間をみると大きな声で鳴きながら、節操もなくゴロスリ攻撃を開始する。

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ポストの新聞を取り、ハナグロを無視して家に戻り玄関を閉める。ハナグロは玄関からドアに向かって「冷淡な母親に捨てられまいと必死になっている子供」のような大声で鳴き続ける。鳴き続ける。鳴き続ける。その様子を、通行人たちが不審そうな目で見ている。きっとわが家は「あわれなネコを締め出したつめたい人間」と思われているに違いない。

こんな状態だから、ゴキリョウとわたしは、ハナグロのいないわずかなすきに人目を??もとい??猫目をしのんで、逢引をするしかない。逢引の間もいつハナグロが出てくるか気が気ではなく、落ち着いて逢瀬を楽しめない。ハナグロは朝早くから夜遅くまでわが家の玄関を見つめている。今やストーカーと化してしまった。これというのも、あまりにも大声で鳴き続けるハナグロを、「ちょっとかわいそうかも」などと、思ってしまったわたしがいけなかったのだ。井伏鱒二風にいえば「何たる失策であることか。」

どうでもいいことだが、わたしもゴキリョウもハナグロも♀である。