最近、郷ひろみが芸能活動を再開したらしい。そのタイミングで彼の離婚の報道も入ってきた。
郷ひろみ(以下、この記事の登場人物は全員敬称略)というのは、わたしやわたしと同世代の女性にとって、特別な思い入れのある存在である。
郷ひろみが「男の子女の子」でデビューしたのは、わたしが小学校6年のころのことだ。当時まだアイドル的人気のあったフォーリーブスを有するジャニーズ事務所に属し、事務所が同じだけあってフォーリーブス弟分のようなイメージがあった。
デビューとともに人気を博した郷ひろみのその人気の理由は、間違いなくその容姿にあった。一言で言えば「ひろみってかわいい!」だった。本人は当時のインタビューで「ボクは男だから、かわいいといわれるのはイヤだ」と答えていたが、あの鼻にかかった歌声が当初から受け入れられたのも、あのかわいい容姿があってのことだろう。太眉がかろうじて男の子らしさを示していたが、中性的な可愛い顔に太眉というそのアンバランスな点も、ファンにとってはたまらなかった。
郷ひろみがデビューして最初の数年間、わたしたちの世代の女の子の多くには、ひろみ(もちろん郷ひろみ)か秀樹(西条秀樹)かの、どちらかのファンが多かった。この二人に五郎(野口五郎)を加えて「新御三家」と呼ばれていたがが、野口五郎は歌の内容からアイドルというよりは歌謡曲路線のイメージが強く、夢みる乙女の心をとらえるには少々地味すぎた。また他の2名と比べて五郎が短足胴長だという点も、外見にきびしい女の子たちから減点の対象になった。
郷ひろみのかわいさと人気は、じつは当時ローティーンだったわたしたちの目からも、「一過性」のものかもしれないと感じられる危うさを持っていた。
人気が出はじめたときに、国鉄職員だという彼の父親の写真が芸能雑誌(「平凡」とか「明星」とかいうやつ)にいくつか載ったのだが、その父親の顔は「この郷ひろみも、将来はこういうふうになってしまうのだろうか」という危惧するほどの、普通のオジサン顔だった。しかし、普通のオジサンであっても、父子であるから郷ひろみに似ていた。それを見たファンは心の中で成長しきったばあいの郷ひろみの容貌を危惧しつつも、その危惧を封印して、まるで懸念などなにもないかのようにふるまった。
わたしは、よもやこんなに長い期間、郷ひろみが芸能活動を続けるだろうとは思わなかった。もちろん彼は努力していたと思う。当時のアイドルにははっきりいって音痴もいたのだが、彼は音をはずさなかった。ダンスも「天才的」とはお世辞にもいえなかったが、「努力して練習しているから、アイドルとしてはかなり上手い」というレベルにあった。しかしわたしは、郷ひろみが芸能界で活動していけるのは、ひとえにあのかわいい容貌ゆえだと思っていた。
そして、いまや郷ひろみから、かつてのかわいさは消えうせた。わたしが子供のころに目に焼きつけた記憶が正しければ、彼の現在の容貌には、芸能雑誌で見たかつての父親の面影が、以前より濃く出ている。
しかし途中に活動休止期間をとりつつも、あいかわらずあの鼻にかかった高めの声で、郷ひろみは現実離れした雰囲気を振りまきつつ芸能活動を続けている。これはある意味では奇跡だ。彼の若いころをリアルタイムで知る者は、郷ひろみにオーラを感じ、彼を「永遠のアイドル」と呼ぶだろう。
しかし、平成生まれの若い女の子たちに、そのオーラは感じられないだろう??自意識過剰気味の若作りの五十男が、年甲斐もなく気持ち悪い歌を歌っている??そんな風に、感じられてもしかたがない。現実の彼は実年齢を考えれば"若々しい”(≠若い)とはいえ、50のオサーンだし、彼の過去にまつわるコンテクストを読まないからだ。
郷ひろみ本人は、今後も芸能活動を続けていくつもりだ。オフィシャルサイトにある彼自身のことばによれば、「今後もよりいっそう努力し、郷ひろみを極めたいと思っています。」とやる気満々である。(「郷ひろみを極める」とは、凄まじい表現だ。)
さて、これからどうなるんだ、郷ひろみ。いったいどんなことをやるつもりなんだ。
郷ひろみ(以下、この記事の登場人物は全員敬称略)というのは、わたしやわたしと同世代の女性にとって、特別な思い入れのある存在である。
郷ひろみが「男の子女の子」でデビューしたのは、わたしが小学校6年のころのことだ。当時まだアイドル的人気のあったフォーリーブスを有するジャニーズ事務所に属し、事務所が同じだけあってフォーリーブス弟分のようなイメージがあった。
デビューとともに人気を博した郷ひろみのその人気の理由は、間違いなくその容姿にあった。一言で言えば「ひろみってかわいい!」だった。本人は当時のインタビューで「ボクは男だから、かわいいといわれるのはイヤだ」と答えていたが、あの鼻にかかった歌声が当初から受け入れられたのも、あのかわいい容姿があってのことだろう。太眉がかろうじて男の子らしさを示していたが、中性的な可愛い顔に太眉というそのアンバランスな点も、ファンにとってはたまらなかった。
郷ひろみがデビューして最初の数年間、わたしたちの世代の女の子の多くには、ひろみ(もちろん郷ひろみ)か秀樹(西条秀樹)かの、どちらかのファンが多かった。この二人に五郎(野口五郎)を加えて「新御三家」と呼ばれていたがが、野口五郎は歌の内容からアイドルというよりは歌謡曲路線のイメージが強く、夢みる乙女の心をとらえるには少々地味すぎた。また他の2名と比べて五郎が短足胴長だという点も、外見にきびしい女の子たちから減点の対象になった。
郷ひろみのかわいさと人気は、じつは当時ローティーンだったわたしたちの目からも、「一過性」のものかもしれないと感じられる危うさを持っていた。
人気が出はじめたときに、国鉄職員だという彼の父親の写真が芸能雑誌(「平凡」とか「明星」とかいうやつ)にいくつか載ったのだが、その父親の顔は「この郷ひろみも、将来はこういうふうになってしまうのだろうか」という危惧するほどの、普通のオジサン顔だった。しかし、普通のオジサンであっても、父子であるから郷ひろみに似ていた。それを見たファンは心の中で成長しきったばあいの郷ひろみの容貌を危惧しつつも、その危惧を封印して、まるで懸念などなにもないかのようにふるまった。
わたしは、よもやこんなに長い期間、郷ひろみが芸能活動を続けるだろうとは思わなかった。もちろん彼は努力していたと思う。当時のアイドルにははっきりいって音痴もいたのだが、彼は音をはずさなかった。ダンスも「天才的」とはお世辞にもいえなかったが、「努力して練習しているから、アイドルとしてはかなり上手い」というレベルにあった。しかしわたしは、郷ひろみが芸能界で活動していけるのは、ひとえにあのかわいい容貌ゆえだと思っていた。
そして、いまや郷ひろみから、かつてのかわいさは消えうせた。わたしが子供のころに目に焼きつけた記憶が正しければ、彼の現在の容貌には、芸能雑誌で見たかつての父親の面影が、以前より濃く出ている。
しかし途中に活動休止期間をとりつつも、あいかわらずあの鼻にかかった高めの声で、郷ひろみは現実離れした雰囲気を振りまきつつ芸能活動を続けている。これはある意味では奇跡だ。彼の若いころをリアルタイムで知る者は、郷ひろみにオーラを感じ、彼を「永遠のアイドル」と呼ぶだろう。
しかし、平成生まれの若い女の子たちに、そのオーラは感じられないだろう??自意識過剰気味の若作りの五十男が、年甲斐もなく気持ち悪い歌を歌っている??そんな風に、感じられてもしかたがない。現実の彼は実年齢を考えれば"若々しい”(≠若い)とはいえ、50のオサーンだし、彼の過去にまつわるコンテクストを読まないからだ。
郷ひろみ本人は、今後も芸能活動を続けていくつもりだ。オフィシャルサイトにある彼自身のことばによれば、「今後もよりいっそう努力し、郷ひろみを極めたいと思っています。」とやる気満々である。(「郷ひろみを極める」とは、凄まじい表現だ。)
さて、これからどうなるんだ、郷ひろみ。いったいどんなことをやるつもりなんだ。
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