バースくんの今日も発車オーライ♪

小さな町の広告代理店。働く「バースくん」の日々のおしゃべり

一瞬の草笛光子

2012年09月04日 | Weblog
昨晩はナイターもなく、ニュースは政局のごちゃごちゃをやっていてうんざり、大好きな「きょうの料理」もなんだか今一つで、チャンネルをザッピング…。
そのチャンネルには、着物を完璧に着こなし、白髪、いや銀髪をきれいに結い上げた草笛光子が映っていた。たっぷりとゆっくりとした口調で台詞を言いながら、座敷机に座り、その膝元で煎茶を入れているシーンだった。このお茶を淹れる一連の動作の美しいこと!!もう惚れ惚れとしてしまった。ドラマの筋書きも何も関係ない。たったそれだけの動作の中に、その年月を重ねてきた女性の人生が透けてみえるようで、もっと言えば草笛光子という女優の生き様さえ見える気がした。
そして確かに草笛光子自身もすごいけれど、ボクは煎茶の作法そのものも、あのシーンを確固たるものにしたのではないかと思った。煎茶の入れ方の所作は、長年の茶人の研鑽によって確立されたものだ。どこにも無駄な動きがない。流れるような一連の動きで、おちょこと見まごうほどちいさな茶碗に一服のお茶がはいる。映像だというのに、その煎茶の香りと甘さまでボクには想像できた。まあそれをこともなくやってのける草笛光子がやっぱりすごいわけだけど。
結局そこだけを見て、テレビを見るのはやめた。それから1時間半、ふっとあれは2時間ドラマだったからとスマホでその番組を追っかけた。ジャスト!!大団円なのだろう。草笛光子は里山の小道をひとり歩いて行く。カメラは遠景でその背中を捉えている。すると、ゆっくりこちらを振り返り両手を合わせて拝むのだった。それが何を意味するかはわからないけれど、その深々と拝む姿は清らかの一語だった。
合わせて数分だけの草笛光子にノックダウンされたバースくん、年齢を重ねるすばらしさに勇気がでました鳥取のイベント情報サイト ジャングルズームノマップ鳥取