孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

“官”と“民” 「カイカクするのは、ココロです」“県庁の星”

2007-06-10 13:29:44 | 身辺雑記・その他


社保庁に代表されるように、公務員の“お役所仕事”的な責任感の欠如は“今更・・・”の状態。
一方、民間はと言えばコムスンのように“利益のためなら何でもあり”があたりまえ。
これでは“民間活力”“構造改革”と言っても行きつく先は弱肉強食の“ジャングルの掟”が支配する社会にしかなりません。

昨夜TVで“県庁の星”とういう映画をやっていました。
形式主義・書類第一主義・“「前向きに検討します・・」というのは何もやらないという意味”というそんな県庁でひたすら上を目指すエリート職員が織田祐二。
彼が大規模企画に関連する「民間の知恵を学ぶための」官民交流人事の一環として研修に出されたのが地方の傾きかけたスーパー。
やる気のない店員、儲け第一、食品安全なんて・・・という世界。
スーパー店員としては全く使えない彼を指導するのがパートの若い女性、柴咲コウ。
悪戦苦闘、挫折などのなかでやがてスーパーも変わり、自分も変わり、やがて県庁にもどり・・・という映画。

“官”も“民”もだめという現実世界の状況を反映して、偶然ですがタイムリーな放映でした。
もちろんエンターテインメント(かなり地味な)ですから、シリアスなことを言ってもお門違いでしょう。
映画としての評価は他に譲ります。
いまどきこんな地味な映画をお金をかけてつくるというのは、ある意味大変勇気あることかと思います。

作品の終盤で、意識改革した主人公の織田君は「組織や制度をいくら変えてもダメです。その中で働く人間の意識を変えないと」「改革するのはココロです」みたいなことを言っています。
まったくもってそのとおり。
でもなかなか人間は変わりません。

作品でもスーパーが変わるきっかけになったのは消防・保健所の監査。
変わらないと存続できないという危機感でした。
県庁にもどり議会議長や知事に迫る際は、「このままではマスコミの批判は地方の官民癒着に必ず及びます」という脅し。

やはり意識改革を促すものは第一に“理念から逸脱する行為を許さない”明確なルール。
そしてそれを監視するチェック機構。
最終的なチェック者である国民がチェック可能なようにする情報開示。
更に言えば、単にチェック・批判するだけではなく、努力しているものには評価を与える仕組み。
(民間なら、消費者が“供給者の姿勢”を選ぶ方向への誘導など)

意識変革のためにはそういった枠組みが必要かな・・・なんて織田君・柴咲さんを見ながら思った次第です。

コメント
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