私は、ニューヨークのメトロポリタン・オペラでの、独り食のわびしさを書いたら、早くパリに戻りたかったのです。しかし、昨日、このブログのヒット数が、過去最高になりました。何故だろうと考えると、タイトルがよかったのでしょう。「メトロポリタン・オペラで、当日券をどう買ったらよいのか?」を皆さんが、知りたがっていらっしゃったのではないかしら。それでね。もっと、そのことを詳しく言うことにしました。
パリのバスティーユでも、メトロポリタン・オペラでも、当日に券が買える可能性はあります。ひとりなら。そして、ウィークデイの夜の部なら。2000年には一階の席を当日に買いました。トゥランドットを見たときです。
しかし、土曜日のマチネーは人気があって、本当の事を言うと、当日券は無かったのです。ただ、入り口で、予約券を受け取りに来たセレブ夫人に助けられて、一種のダフ屋を見つけてもらったから買えたのでした。
だけど、本当はダフ屋ではなかったのかもしれません。彼女の言うとおり急に田舎へ帰らなければいけなくなって見ていられないのが、本当かもしれません。と言うのもその売り手は、若い女性で、清潔な服装ながら、ダサいものを着ていて、ニューヨークっ子とも見えなかったのです。ニューヨークの人が普段着に着ているのは、無地のトレーナーが多くて、胸に、ワンポイントのプリントはあったりしますが、格子縞のシャツなどあまり着ていません。彼女はふと目の赤と紺の格子縞のシャツを着ていました。
それにね。背は小さいのですが、顔は可愛い。いわゆる、チンピラとか、ダフ屋と言う雰囲気ではなくて学生っぽいのです。そして、彼女の持っていたのは一人用の券でした。ダフ屋だったら、最も買い手が多いだろう、二人連続の席の切符を持っているはずです。
私は入場した後で、席の右や左の人と会話を交わしたからわかっていますが、私の席は本当に独り分、ぽっと空いていたのです。そして、彼女がダフ屋だとしても、儲けたのは、10ドル(千円程度)ですし、それも間に立ったセレブ夫人が、提案してくれたから、私は払った余分でした。
ダフ屋(?)に見えた女性は、チケット売り場のまん前で黙って立っていて、向こうからは何もしゃべらなかったのです。が、セレブ夫人が、どうしてか、彼女が切符を持っていると気がついて、セレブ夫人の方から話しかけたのです。だから、やはり、ダフ屋であり、ニューヨークはそういうシステムになっているのかも知れません。ただ、私は今は、明敏に「こうだ。ああだ」と答えることは出来ません。
さて、以上で、切符の買い方のコツは終わります。ただ、私はそのセレブ夫人の親切になつききってしまって、「どこで、お昼を食べたらよいでしょう?」と聞きました。すると、彼女が「外で召し上がったほうが良いわよ」と言うのです。
あとで、思えば、それは、当たりなのでした。おととい、オルセー美術館の食堂へ一人で入った経験から、「一人で食べるのなら、巷の大衆的な食堂の方が、目立たないので疲れない」と書いたばかりです。
でもね、私は、その1999年の秋には、こう考えました。彼女は痩せておりました。背は高く、毛皮のコートを着ておられましたけれど、ご主人の体格に比べればやせておられて、不幸せそうでもありました。アメリカの上流階級の、特に婦人って、結構そう見える場合があるのです。美術館でも痩せすぎていて、不幸せそうに見える上流階級の人が、食事をしていたりしますから。
それでね。この方は神経質だから、過剰に心配をなさっている。それを、解いてあげなければならないと考えて、こういいました。「あのね。大丈夫です。私はあなた方と同じテーブルにつくつもりはありません。自分は別のテーブルに座ります。だから、その点はご心配に成らないで。ただ、せっかくメトロポリタン・オペラに来たのです。その食堂を経験してみたいものです」と。すると、そのセレブ夫人は、仕方がなさそうに、歩き始めました。
そして、昨日言ったように、いったん建物からでて、(玄関から外へ向かえば)、左側の建物へ入って行きました。
さあ、私はその後で、大恥を掻くのです。そして、アメリカのカースト制度の実態を知るのですが、その話は明日にでも。パリが、ますます遠くなりますが・・・・・
2008年11月1日 川崎 千恵子
パリのバスティーユでも、メトロポリタン・オペラでも、当日に券が買える可能性はあります。ひとりなら。そして、ウィークデイの夜の部なら。2000年には一階の席を当日に買いました。トゥランドットを見たときです。
しかし、土曜日のマチネーは人気があって、本当の事を言うと、当日券は無かったのです。ただ、入り口で、予約券を受け取りに来たセレブ夫人に助けられて、一種のダフ屋を見つけてもらったから買えたのでした。
だけど、本当はダフ屋ではなかったのかもしれません。彼女の言うとおり急に田舎へ帰らなければいけなくなって見ていられないのが、本当かもしれません。と言うのもその売り手は、若い女性で、清潔な服装ながら、ダサいものを着ていて、ニューヨークっ子とも見えなかったのです。ニューヨークの人が普段着に着ているのは、無地のトレーナーが多くて、胸に、ワンポイントのプリントはあったりしますが、格子縞のシャツなどあまり着ていません。彼女はふと目の赤と紺の格子縞のシャツを着ていました。
それにね。背は小さいのですが、顔は可愛い。いわゆる、チンピラとか、ダフ屋と言う雰囲気ではなくて学生っぽいのです。そして、彼女の持っていたのは一人用の券でした。ダフ屋だったら、最も買い手が多いだろう、二人連続の席の切符を持っているはずです。
私は入場した後で、席の右や左の人と会話を交わしたからわかっていますが、私の席は本当に独り分、ぽっと空いていたのです。そして、彼女がダフ屋だとしても、儲けたのは、10ドル(千円程度)ですし、それも間に立ったセレブ夫人が、提案してくれたから、私は払った余分でした。
ダフ屋(?)に見えた女性は、チケット売り場のまん前で黙って立っていて、向こうからは何もしゃべらなかったのです。が、セレブ夫人が、どうしてか、彼女が切符を持っていると気がついて、セレブ夫人の方から話しかけたのです。だから、やはり、ダフ屋であり、ニューヨークはそういうシステムになっているのかも知れません。ただ、私は今は、明敏に「こうだ。ああだ」と答えることは出来ません。
さて、以上で、切符の買い方のコツは終わります。ただ、私はそのセレブ夫人の親切になつききってしまって、「どこで、お昼を食べたらよいでしょう?」と聞きました。すると、彼女が「外で召し上がったほうが良いわよ」と言うのです。
あとで、思えば、それは、当たりなのでした。おととい、オルセー美術館の食堂へ一人で入った経験から、「一人で食べるのなら、巷の大衆的な食堂の方が、目立たないので疲れない」と書いたばかりです。
でもね、私は、その1999年の秋には、こう考えました。彼女は痩せておりました。背は高く、毛皮のコートを着ておられましたけれど、ご主人の体格に比べればやせておられて、不幸せそうでもありました。アメリカの上流階級の、特に婦人って、結構そう見える場合があるのです。美術館でも痩せすぎていて、不幸せそうに見える上流階級の人が、食事をしていたりしますから。
それでね。この方は神経質だから、過剰に心配をなさっている。それを、解いてあげなければならないと考えて、こういいました。「あのね。大丈夫です。私はあなた方と同じテーブルにつくつもりはありません。自分は別のテーブルに座ります。だから、その点はご心配に成らないで。ただ、せっかくメトロポリタン・オペラに来たのです。その食堂を経験してみたいものです」と。すると、そのセレブ夫人は、仕方がなさそうに、歩き始めました。
そして、昨日言ったように、いったん建物からでて、(玄関から外へ向かえば)、左側の建物へ入って行きました。
さあ、私はその後で、大恥を掻くのです。そして、アメリカのカースト制度の実態を知るのですが、その話は明日にでも。パリが、ますます遠くなりますが・・・・・
2008年11月1日 川崎 千恵子