AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
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三たび死を決してしかも死せずぅ

2012年04月04日 | 二酸化マンガ
手塚治虫先生の大河マンガの最高傑作『陽だまりの樹』が、いつのまにかドラマ化決定されてて、NHKのBSプレミアムで今週6日(金)8時からスタート。
http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/7000/106315.html
てゆーか遅いんよ、ドラマ化するのが。

主人公の伊武谷万次郎役は市原隼人か・・・・
「俺が俺が」みたいなイチビリ感の強い中高生向けのチャラ俳優が万次郎役ってのはどうも納得しかねるが、向こう見ずな熱血漢という側面では適任かもね。
まぁ全12話ってのは、あの厖大で壮大な原作のことを考えると少なすぎるといわざるをえない。
この作品はとにかく内容が濃くて、適塾奮戦記、アメリカ使節団との交友、安政の大地震、江戸のコロリ(コレラ)大流行、安政の大獄、、歩兵組育成、戊辰戦争と、テーマは多岐に渡っており、おそらく全部読み終わる頃には、幕末に関してはメチャメチャ詳しくなってると思いますよ。
本マンガの重要テーマのひとつ、蘭方医と漢方医との確執なんかは、数年前流行った幕末ドラマ『JIN』の原作者が影響受けたんやろなぁ~って、ついつい勘繰っちゃいます。
まぁ幕末ドラマの題材としては、宝庫的スペクタル大作といえましょう。

実在の歴史上有名人物もぞくぞく登場し、緒方洪庵先生をはじめ、勝海舟、西郷隆盛、ヘンリー・ヒュースケン、みんなの大好きな坂本龍馬もちょこっとだけ顔をのぞかせます。
その中で万次郎の親友として深く関わりあうのが、“鬼鉄”のあだ名で知られる剣客山岡鉄太郎。こないだNHKの特番で知ったのだが、彼は後に明治天皇の家庭教師にまで登りつめる凄い人物やったんね。
鉄太郎をはじめ、上に挙げた人物たちがこぞって万次郎の実直さや愛すべき人柄に惚れ込んでいくんですね。うん、私も惚れましたもん。いや、このマンガ読んだら誰だって惚れちゃいますよ。

人望が厚くちゃんと世を見据えていたのだが、融通が利かないのがネック。



あとはもうひとりの主人公の町医者、手塚良庵(後の良仙)であるが、この人物、実は手塚治虫の曽祖父にあたる実在の人物であるとのこと(どうりでお父っちゃんが手塚治虫そっくりなんだよね)。
彼は緒方洪庵が設立した適塾で医学を学び、その同窓生には大村益次郎、大鳥 圭介の他、あの福沢諭吉なんかも深く関わってきます。

女たらしで普段はチャランポランだが、いったんスイッチが入るととことん追求する。


性格が全く正反対の万次郎と良庵とが、どつき合いのケンカをしながら激動の時代を生き抜いていくふたりの絶妙なデコボココンビ劇が、このマンガの魅力なのであります。

ちなみに私の一番好きなキャラは、万次郎に影のように付き従う平助(マタギ出身)。
とぼけた顔してもの凄い剣使い。

万次郎がピンチのとき、いつもどこからともなく参上する。「平助でがんす。ヒッヒッヒッヒ・・・・」



まぁ、この原作のオモシロさを実写版で80%も引き出せるのかというと、正直期待はできません。
BS見れない方は(いや、見れる人でも)漫喫でもいいので、ぜひ原作の方をお読みになることをオススメいたします。




今日の1曲:『辻斬り小唄無宿編』/ 人間椅子
コメント
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