AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

苦しみに耐え、幸福に至る

2018年10月22日 | しねしねシネマ
最近歳とって、もう若い頃みたいに映画情報をチェックして面白そうな作品あったら手当たりしだい劇場に赴いて観に行こうなんてことはしなくなった。
でもたまにはその作品がどんな内容の映画かも知らんと、全く期待しないで(まぁそれでもちょっとは期待するよね)、映画を観るのも悪くないんじゃないかと。

土曜日に観た『カメラを止めるな!』は、前日に姉に薦められ、まさにそういうノリで近所のイオンで1100円でやってるからと気まぐれに観に行った映画であった。
今年の夏にえらい話題になってた映画(田舎ゆえ今頃やっとこっちにフィルムが回ってきたのだ)であることは知ってたが、実は鑑賞するまでこの作品が邦画であることも、私の苦手とするゾンビものであることも全く知らなかったのだ。
なので前半の1カットで展開するチープでヒドい内容のB級ゾンビストーリーを観てる時は、ゲンナリさせられる以外のなにものでもなくて、まぁヒロイン役のアイドル女優のデニムショーパン姿がエロいなぁ~と思う以外なにも得るところがなく、途中での映像ブレのヒドさに画面酔いして気分が悪くなり耐えられそうもないのを、後悔の念とともにガマンして伏せ目がちでなんとか鑑賞していた。

37分ながら「やっと終わったぁ~、もうサイアクやった」とエンドロールが終わるの待っていると、まだストーリーが展開するようで「?」な感じで観ていると、なにこれなにこれ?てな感じでだんだんと惹き込まれていって、見事にこの大仕掛けの傑作娯楽作品に一杯喰わされた形となった。
まぁ後半は三谷幸喜の『ラジオの時間』展開ではあったが、この計算された時系列な見せ方の構成の巧さは、三谷映画の2、3歩上をいっていると思う。見事というしかない。
個人的には、タランティーノの『デス・プルーフ』の、前半のしんどい内容に耐えてこそ後半の痛快感を味わえるといった、あの感覚に似ている。

よくどんでん返し映画で、あの時のシーンやセリフには実はこういう意味があったんだよっていうのが、終盤回想シーンなどで種明かしされるが、私のように集中力も記憶力もない人間にはそんなのいちいち覚えてないってことが多いんだが、この映画は前半の1カットストーリーで、ちゃんと観客に「なにこの間?」とか、「なにこの展開?」という違和感をさりげに印象づけているところが巧いのだ。
で、それが後半の種明かしで笑い、そして感動を伴って倍になって返ってくるという。いや、実に見事だ。

だからこれね、最初B級映画とか、ゾンビものが好きな映画マニアが喜ぶ映画かなぁ~と思って観てたんだけど、私のようにあんまり期待しないで、どんな映画かも知らんかったような人が一番楽しめたんじゃないかなと思う。

まぁこの夏の興業成績が裏付けしてるように、非常にキャッチーで誰もが楽しめる映画です。




今日の1曲:『Zombie Attack』/ TANKARD

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