AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

ピョンヤン

2011年09月08日 | ♪音楽総合♪
ダンス・ミュージックはちょいちょい聴きかじってはきたが、ダンス系のクセにやたらロック色が濃厚だったり、歌モノが先行したり、逆にロックバンドがやたらエレクトロ色を導入したりともうなんだか垣根がよーわからんようになって、最終的にはそのブレまくりさ加減に嫌気がさしてくるというパターンがほとんどだった。

そん中で、一本筋が通ってるなと思ったのがこの英国出身のFAITHLESSで、最近購入した『NO ROOTS』を聴いて、こりゃ世界一クールなダンス・ミュージックなのではないか!と思った次第である。
まー最近ダンス系といえば、Perfumeぐらしか聴いてない私が言うのもおこがましいけど。

まず、ジャケからしてただのオシャレなダンスミュージックバンドではない、インテリジェンスな雰囲気を漂わせており、冒頭の20秒足らずのイントロを聴いた時点で「こらすごい作品やないか?」ということを予感させる。
アルバム全体に彩り鮮やかな心地よすぎるエレクトロサウンドが散りばめられ、それがまるでストーリーが展開していくかのようにDJ感覚の繋ぎ技で進行していくので、聴き手はまるでダンスフロアにいるかのような臨場感が味わえる。
要はアルバム1枚を通して楽しめる構成となっており、ピンク・フロイドの『狂気』にも似たコンセプチュアルな感覚を持った作品でもあるので、アトモスフェリックな嗜好を持つプログレファンにもオススメできる。

先行シングルでロックなサウンドアレンジを響かせていた“MASS DESTRUCTION”は、マキシ・ジャズのクールなMCがのっかるダークなヒップホップテイストに仕上げられ、中性的なヴォーカルがシットリと歌う“I WANT MORE Part.1”から、躍動感溢れる4つ打ちヴァージョンへと移行していく“I WANT MORE Part.2”へのくだりがたまらん!

私の目がテンになったと同時にFAITHLESSに興味を持つキッカケとなった“I WANT MORE”のヤバいPV。


にしても、ヴォーカルのキャスティングがセンスよすぎ!全然知らん人らやけど。
どっかの有名人を起用したチャラチャラしたエレクトロバンドとは違って、決して歌が先行するのではなく、ちょっとした味付けとして適材適所で見事に機能しているのだ。
でもやっぱアルバム全体の方向性というか、FAITHLESSのシリアスな世界観をコントロールしているのは、病んでいくばかりのこの世界を憐れむかのように、どこか醒めた視線で眺めているマキシ・ジャズの憂いのこもったクールなMCなのだ。

うん、この研ぎ澄まされたエレクトロサウンドに、計算しつくされた構成美と完成度・・・
本作はおそらくFAITHLESSの最高傑作だと思われる。
つってもFAITHLESSのアルバムは、これとベスト盤を含め4枚しか持ってないけど。



今日の1曲:『NO ROOTS』 / FAITHLESS
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする