プログレ界のスーパーユニットの1つU.K.の2ndアルバム『DANGER MONEY』紙ジャケ完全生産限定盤を購入。
今回の紙ジャケリリースにあたって「再リリースなのにリマスター盤ではない!」とプログレファンの間で物議を醸し出しておったんですが、U.K.の1st『憂国の四士』がプログレ傑作アルバムとして5本の指に入るくらいの愛聴盤であったにも関わらず、私、このアルバムを長年敬遠してきたので、今回の紙ジャケリリースを期に購入することを決意した次第にございます。
メンバーは前作に参加していたビル・ブラッフォードとアラン・ホールズワースが抜けて、ジョン・ウェットン(b.vo)、エディ・ジョブソン(key,violin)が残り、ビルの代わりにテリー・ボジオ(b)が加わったELPと同じトリオ編成になっている。

長年このアルバムに手を出さなかったのは、このトリオ編成というのがどうもネックになっていたのかもしれない。
だが、テリー・ボジオは噂では凄腕のドラマーと聞いていたし、ギターが抜けたとはいえ、エディの前作での活躍ぶりは目を瞠るものがあったので、かなりの期待感を抱いてこのアルバムに臨んだのであった。
で、1曲目・・・「デンジャ~マ~ネ~♪」ってか!!
ビルとアランが抜けたらこうも音像が変わるのもか!っていうくらい別物バンドになってる。
#2“Rendezvous”のエディの流麗なるピアノ伴奏とか、エレクトロヴァイオリンが大フューチャーされた“Caesar's Palace Blues”なんかはいい塩梅なのだけど、前作で見せてくれたシンセサイザーによるあの崇高なる音宇宙空間、絶妙で神業的なキーボード、ヴァイオリンソロ・・・あの時のエディはいずこへ??
とにかく楽曲が全体的に安っぽくてダサい!こりゃぁもうウェットンのポップロック指向に、せっかくのエディの卓越した演奏力が完全に殺されてしまっている感がある。
#3“The Only Thing She Needs ”ではイントロでテリーの大胆且つ力強いドラミングが聴けるが、途中物凄く単調なハードロックテンポになり、ホンマにプログレバンドかいなみたいな間奏が展開する。
まぁこの曲は今作では一番マシな楽曲ではあったが。
#5“Nothing To Lose”ではもうウェットンさん、アジア旅行への旅支度を始めておりまっせ。
ラストの12分におよぶ大作#6“Carrying No Cross”なんてほとんどELPです。U.K.じゃありません。
はっきりいってこのアルバムは・・・
駄作だ!!
(まぁ普通のプログレアルバムとしては十分に楽しめる内容です)