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AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

となりのツァトゥグア

2008年07月19日 | ルルイエ異本
今夜の金曜ロードショーは『となりのトトロ』でしたね~。
宮崎駿監督のアニメ映画は実はけっこう好きで、テレビなどでやっているとついつい見てしまいますね~。だってイマジネーションに富んでいるじゃございませんか!
彼の作品は日本の田舎風景とかの描写がとても美しくて、観ていてとても心洗われるんですよね~。
最近の作品は有名俳優などを声優に起用したりと商売っ気ばかりが目立ち、全く見る気がおこりませんけど。
トトロってまぁこの話では子供にしか見えない座敷童子みたいなお化け、或いはこの国に太古より住んでいる森の主という設定ですが、私はこのモンスターがどうしてもヒューペルボリア大陸の西部を横断するヴーアミタドレス山の地底にある秘密の洞窟に棲むと伝えられる、あのツァトゥグアと同一であると思えて仕方がないのである。

ツァトゥグアはサイクラノーシュの名で知られる土星から飛来したものと伝えられる旧支配者で、盲目にして白痴の神アザトースの両性具有の子孫であるクグサクスクルスの生み出したギズグスを父とし、暗黒星ゾスから到来した分裂生殖するイクナグンニスススズより生み出されたズストゥルゼームグニを母として生まれた。
この神は“ナマケモノに似た胴体を持ち、毛むくじゃらの黒いヒキガエルを連想させるずんぐりとした姿”をしており、旧支配者としては穏やかな部類に入り、その奇妙なまでに家庭的な出自とも相まって、時にユーモアさえ感じさせることがある。
う~んどう考えてもトトロはツァトゥグアに相違ございませんて!ウルタールのねこバスも出てくるし。
ウルタールでは何人も猫を殺してはいけません。

宮崎駿監督はひょっとしてあのムー・トゥーランの魔道師エイボンが著したとされるツァトゥグア信仰にまつわる禁断の書物『エイボンの書』、或いは『コモーリアム神話群』を読んだのかもしれない。


ツァトゥグア 眠たげな目に柔毛で覆われた胴体はトトロそのもの。

トトロがツァトゥグアと同一であるという説がいささか強引すぎるというなら、親類、或いは兄弟であると考えるのはいかがだろうか?
思うに、クグサクスクルスがその一族を引き連れ、ユゴス(冥王星)へと移る際に、ツァトゥグアの母ズストゥルゼームグニが知られざるもう一人の子供トトロを内密に生みの親であるイクナグンニスススズに預け、イクナグンイスススズはトトロを暗黒星ゾスに連れていき1232歳になるまで育てた。しかしトトロはイグナグンイスススズを嫌い、イグナグンイスススズに内密で生き別れた兄のツァトゥグアに会いに行こうとしたが、それを知ったイクナグンイスススススススススススス・・・・・・

いや、途方も無い誇大妄想はこの辺でやめておこう。
とにかくトトロはツァトゥグアに違いないって!
この日本の地底世界にもあの柔毛に覆われた不定形の存在が眠っているというのか!



今日の1曲:『Donkey Rhubarb』/ Aphex Twin
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古のものメタル

2008年07月04日 | ルルイエ異本

ミスカトニック大学探検隊の再三に渡る警告にもかかわらず、南極大陸調査団による飽くなき探求心は、その手をいささかも緩めようとはしない。
今日も人跡未踏の地で新生物が発見される度、私はあのウミユリ状の頭部を持つ<古のもの>のこと、無定形のショゴスのことを思い出し、言いようのない不安と恐怖に苛まれて止まないのだ。
そこで、彼らの無謀とも言える南極侵略を思いとどまらせるためにも、来日公演中という事もあり、私はあるジャーマンメタルバンドの作品についてここに書き留めておく事にする。


いやいやメロスピ系のジャーマンメタルはあんま聴かないタチなんですが、このRAGEの「THE MISSING LINK」は昔かなーり聴きまくってましたね~。イントロの畳み掛けるようなザクザク感溢れるリフからもう興奮したのを覚えております。
サビとかはジャーマン特有のコテコテのクサメロ臭が漂ってはいるんですが、演奏の重圧感や、ングラネク山に彫られた大地の神の似姿バリの顔を持つピーヴィ氏のヴォーカリゼーションにはかなりの獰猛さがみなぎっております。
全体的にはアグレッシヴなスピードナンバーが多いのですが、私は#4“穴と振り子”や#6“CERTAIN DAYS”のようなドッシリとしたヘヴィネスさを持つミドルテンポナンバーが好きですね~。
そして今作品のハイライトともいうべき10分にも及ぶ長編曲#9“LOST IN THE ICE”こそまさしくあのミスカトニック大学探検隊が南極の人跡未踏の地で遭遇した氷壁の中で冬眠状態にあった20億年前の先行種族<古のもの>のこと、そしてその彼らが無機質から合成した、あの恐るべき不定形の生物ショゴスの恐怖について歌ったものなのだ!!(『ラヴクラフト全集4 「狂気の山脈にて」』参照)

「氷の下に失われた世界 なんと恐ろしくも不思議な光景だろう 
骨の髄まで震えてしまう 彼らがまだ南極で生き残っていたら・・・」


・・・まぁ翻訳が悪いのか、いささか緊張感を欠いた、ひねりのないそのままなリリックではありますが~ドラマティックな曲展開や、中間に挿入される神秘的なオーケストレーション効果は、悠久の太古に死に絶えた、原初の建築物の洞窟にも似た蜂の巣状の内部、或いは、呪われた窮極の深淵を見晴るかす、狂気の山脈を連想させます。
この曲の中では、私たち人間が<古のもの>によって創り出された創造物、あるいは失敗作であったということもほのめかしています。そしてこの仮説が後の#11“THE MISSING LINK”で歌われるダーウィンの進化論に対しての疑念へと繋がっていきます。
そして私はエンディングの不穏な響きをまとうストリングスの音色を聴く度に、忌むべきレン高原の彼方にあるという、凍てつく荒野のカダスのことを想わずにはいられない・・・
ラストの#13“ANOTHER KIND OF MADNESS”も「なぜ日本盤のみのボーナス・トラックにしたん?」と言いたくなるほど、アルバムラストを飾るに相応しい、哀愁感溢れる美しきアコースティック・ナンバーです。


いや~でもRAGEってメロディアスなのもたまには悪くないと思い起こさせてくれるバンドですね~。
とまぁライヴに行きもせんくせに2日間もひとりで勝手にRAGEで盛り上がってしまった・・・

今日の1曲:『NEVERMORE』/ RAGE
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エーリッヒ・ツァンの音楽

2008年06月28日 | ルルイエ異本

イヤッター!ヤッタ!ヤッタ!イアッター!

イア・・・イア!シャブニグラトフ!

私はとうとう手に入れたのだ!あの忌まわしき禁断の音源を!
そう、あの戦慄のエーリッヒ・ツァンのCDを!!(ヤフオクで!)


地図に載っていない街、オーゼイユの貧民窟の屋根裏部屋に棲まっていた唖のドイツ人ヴィオール弾き、その人物こそがエーリッヒ・ツァンである。
このオーゼイユ街で最も高所にあるといわれている屋根裏の切妻窓に向かって、ツァンは夜な夜なとうていこの世のものとは思われぬ、滅入りこむような暗鬱な旋律を奏でていた。その切妻窓から眺めた世界はとうてい人の棲むところではなく、真っ暗な空間が無限の彼方まで拡がり、音と動きだけしかない世界だった。
そこでは夜陰に吼えるヴィオールの狂乱を背後に、暗い淫らな半獣神の群れが、互いに笑い興じながら踊り狂っているのだった・・・


しかしこのジャケットのオッサンがエーリッヒ・ツァンみたいですが・・・なんかイメージと違うなぁ~。
『ラヴクラフト全集2』によると“禿げあがった頭と碧い眼のグロテスクな半獣神を想わせる顔つきの貧弱な老人”と形容されているが、このジャケットの肖像画はなんかラリったベートーベンみたいやない?




種を明かしますとこの作品、ドイツ人はドイツ人なのですが、MEKONG DELTAっていうジャーマン・テクニカルスラッシュメタル・バンドの2nd『THE MUSIC OF ERICH ZANN」』というアルバム。
つまり訳すと「エーリッヒ・ツァンの音楽」って、そのままやんけ!

メコン・デルタはいち早くスラッシュメタルにクラシックの要素を大胆に取り入れたことで当時かなり注目を集めていたバンドで、私も昔友人に薦められて何かのCDをかりましたが、そこでELPの“TOCCATA”をメタルサウンドで完コピしていたのを聴いて「おもろいことしてんなー」という感想を持ったぐらいでしたね。まぁ昔からクラシカルな要素を露骨にひけらかすメタルバンドってちょっと苦手なもので・・・
このCDでもムソルグスキーの「展覧会の絵」より“こびと”、“にわとりの足の上に建っている小屋”をカヴァーしておりますが、クラシック好きってゆーか、ELPが好きなのかな?

大いなる旧支配者からの信託を歌った“PROPHECY”や、『エーリッヒ・ツァンの音楽』の物語をまんま歌にした“THE FINAL DELUGE”と、リリック的にはクトゥルー神話を追求しているみたいですが、肝心の音楽が全く宇宙的恐怖の深淵を表現できていない!
演奏はそこそこ複雑なことしてますが、サウンドがショボショボのショボメタル。ヴォーカルの細~いハイトーンは冗談にしか聞こえない。



ちなみにヴォーカルと作詞を担当してるのはあのジャーマンメタル界屈指のラヴクラフティアンといわれているRAGEのピーヴィだそうな。なるほどな・・・
しかしジャケット共々なんかラヴクラフトの世界観をはき違えてると思えてなりません。

もし、このアルバムが余裕で地図に載っている私の棲まうキヅ街を一望できる団地のベランダ下に拡がっている、底知れる深淵に吸い込まれてしまったとしても、いささかも残念とは思わないだろう。


それよかカップリングで収録されてた1stのドッカンドッカンスラッシュの方が圧倒的に私好みだったりする。




いいねぇ~このLIVING DEATHを彷彿とさせる直球型のB級テイストサウンド・・・
ってゆーかギターはLIVING DEATHの人らですやん!!





今日の1曲:『Without Honour』/ MEKONG DELTA
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くんやん

2008年06月12日 | ルルイエ異本

日本屈指のホラー小説作家、朝松健先生の『崑央の女王』というのを読みました。
実は朝松健先生の著書を読んだのは本書が初めてなんです。アクション・ホラー小説とかにはあんまり縁がなかったもので。
崑央と書いて“クン・ヤン”と読みます。お察しの通りクトゥルーものです。
“クン・ヤン”といえばアメリカ中西部の地底に広がる広大な地底世界であることは、プナトニック写本などでもほのめかされております。
この地底世界がまさか中国大陸の地底にまで及んでいたなどとは!!

物語の舞台は東京の大都市にそびえ立つハイテク・タワービルの上階。
そこに中国から夏王朝後期(今から4千年前の神話的古代王朝)~殷王朝初期時代の美少女のミイラが持ち込まれ、そのミイラのDNAを解析し、この太古の生命体の謎に迫るといった話なんですが、そのDNAの塩基配列が40億もの情報を持つひとつの魔道書に見立てるこの発想にまず唸らされました。DNAが一種のネクロノミコン的役割を果たしているんですね。
まぁ本書には明智呈三が著したとされる『秘教古伝』という日本版ネクロノミコンみたいな書物が出てきますが、現在熟読中の朝松クトゥルー作品『肝盗村鬼譚』でもこの書物が登場します。
それと支那の伝説的な古代王朝の神話などを持ち出して、旧支配者の存在をほのめかすところなんかが凄く斬新でしたね!


「人類が誕生する以前、この地球(アジア)は何種類かの知的異性物によって分割、統治されていた・・・
すなわち、龍族、祝融族、土狼族、風牛族、星辰族である。
このうち、龍族の末裔が漢民族。土狼族の末裔が満州民族。風牛族の末裔がチベット民族となった。
火を象徴する祝融族は黄帝(旧神?)に反旗を翻したので、地底に封じ込まれた。この大空洞のことを崑央という。
対して星辰族は天の彼方に放逐されたのだという。」



こういった神話的仮説を読むとクトゥルー信者なら血湧き肉踊っちゃいますよね~。
まぁ本書ではこの崑央伝説は満州民族(清朝)が発信元とされてますが、今の中国共産党が中華思想に取り入れかねない荒唐無稽な説ですな。
ただ終盤は岩明均の漫画『寄生獣』の世界。食欲失せそうなくらい肉塊飛び交うスプラッター・ホラー・アクション小説と化しておりました。まぁこれが本来の朝松健ワールドなんでしょうね~。
旧日本軍をナチスばりの徹底した絶対悪に仕立てた自虐史観的な設定はちょい鼻につきますが、主人公の時空を超えた他者との精神交錯なども盛り込まれた、誠に構成力豊かな極東クトゥルー小説だと思いましたね。
実写化するとショボくなりそうなので、大友克洋先生あたりに是非アニメーション化してほしいですね!

現在は絶版(発禁?焚書?)となってるようですが、ミスカトニック大学付属図書館、或いはブックオフの100円コーナーでたまに見かけますんで探してみて下され。


今日の1曲:『人体ジグソーパズル』/ CARCASS
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蔭洲升

2008年05月24日 | ルルイエ異本

『インスマスを覆う影』が1992年、TBSの『ギミア・ぶれいく』枠でTVドラマ化してたという事は前記事でもお話した通りです。
ドラマ『ずっとあなたが好きだった』での怪演により、全国に<冬彦さん>現象を巻き起こし大ブレイクした佐野史郎さんが、脚本家の小中千昭氏とラヴクラフト話で盛り上がり、ドラマヒットのご褒美とばかりに彼の提案したクトゥルー企画が通ったという奇跡のドラマ化作品だったんですね。




舞台が日本だけあって、地名が“蔭洲升”(インスマス)、“赤牟”(アーカム)、“壇宇市”(ダンイッチ)とかになってて、製作者の不埒な遊び心が垣間見られ、クトゥルー信者なら思わずニンマリと不適な笑みがこぼれてしまうことでしょう。
ちなみに蔭洲升の住民が古くから崇めている宗教は“陀金様”(ダゴン様)。




赤牟駅に到着し、バスで忌み嫌われし漁村、蔭洲升に向かおうとする佐野史郎さん演じるカメラマンの拓善司だが・・・・
バス停の看板に注目。



佐野さんはこのドラマの撮影にあたり、彼お手製の『ネクロノミコン』を作製して蔭洲升郷土館館長役の石橋蓮司さんに持たせたそうです。
ちなみに『秘神界~現代編~』収録の佐野さん著「怪奇俳優の手帳」は、このドラマ撮影後の実話譚なのだそうな。




あの頃、私はテレビにとんと無関心で、まぁそれほどクトゥルー神話に対する信仰心も厚くなかったこともあり、このドラマ余裕で見逃しておりました。
以前この作品のVHSが高額で取引されているのをネット上で見たことがあるのですが・・・・
もちろんDVD化はしておりません。
全国にも私のようにこのドラマを見逃してしまった方、或いは、あの奇跡の映像をもう一度!というクトゥルー信者さんも多いかと思います。

そこで私は発見してしまったのでございますよ!!

あの『インスマスを覆う影』の幻の映像をアップしているサイトを!!


いや~ネット社会って便利ですなぁ~(依存し過ぎるのはどうかと思うけど)
これ観るために一も二もなくニコニコ動画とやらに登録してしまいましたよ~
(現在は削除されてしまったので、下にはYOUTUBE映像を貼り付けております。)

この動画、マジ貴重ですので、是非佐野史郎ファンの方にも教えてあげてください!
ただし、あまりしつこく薦めると忌み嫌われかねないのでご注意を。


それでは佐野史郎氏のをはじめ、様々なインスマス面をご堪能下さいませ。
『インスマスを覆う影』


最後、編集プロダクション“アジフ”を去る間際、拓善司は『蔭洲升を覆う影』と題された取材資料を斎藤洋介氏演じる編集長に手渡すのだが、そこに書かれた著者名がなぜか“愛巧太(あいこうふとし)”となっている。
この謎ついては、佐野史郎氏著「曇天の穴」を読まれたし。



しかし、当時佐野氏は「ダンウィッチの怪」も「クトゥルーの呼び声」もいつかやりたいと仰っていたそうですが、まぁパッタリですわなぁ・・・

あきらめず、是非実現させて頂きたく思う。

今日の1曲:『Night of the Seagulls』/ CATHEDRAL
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極東クトゥルー

2008年05月23日 | ルルイエ異本

クトゥルフフタグンとばかりに、相変わらず古書店に足を運んではクトゥルー本を漁っている今日この頃。
で、最近ブックオフで見つけたのが『クトゥルー怪異録』という日本人作家によるクトゥルー神話オムニバス本。

本書は、当時(1994年)ハードカバーで発行されていたのを本屋で見かけてはいたのですが、俳優の佐野史郎氏のいわゆる“インスマス面”がフィーチャーされてりう表紙を見て、その時はちょっとこのおそるべき本をレジに持っていく勇気が出ませんでした。
今回買ったのは、後に発行された単行本の方です。




クトゥルーマニアとして有名な佐野史郎氏がこの時作家デビューを果たされ、『曇天の穴』という“ウボ=サスラもの”を執筆なさっています。
日本のネクロノミコンと言われる実在の奇書『竹内文書』の研究家を語り手として登場させ(ちなみに『竹内文書』を研究している団体が実際に発行している機関紙の名が『さすら』)、ランドルフ・カーターとネクロノミコン入りのフロッピーディスク(FDに収まるような内容量か?)をやり取りしたりと、佐野氏のディープなクトゥルーマニア振りが発揮されたなかなかの異色作です。

脚本家の小中千昭氏による『蔭洲升を覆う影』は、タイトル見てもわかるように『インスマスの影』の日本を舞台にしたリメイク作品。内容はほとんど原作と一緒です。当時TBSで佐野史郎主演で奇跡のTVドラマ化も実現しております。

私の知っていた意外な作家さんも名を連ねていて、推理探偵作家の高木彬光氏はすでに1956年に日本最古のクトゥルー神話小説『邪教の神』というのを執筆されていたんですね!驚愕!!
内容はやっぱり昭和初期風推理探偵小説もので、チュールー神という邪教の木像を巡って祟りめいた連続殺人事件が展開してゆくというものでした。事件は現実的に解決されるものの、チュールー像は最期に不気味な影を残しております。

山田正紀作品は『不思議の国の犯罪者たち』というのを読んだことがあり、これが面白かったのでちょっと期待したのですが、今作『銀の弾丸』はいわゆるスパイ組織的ハードボイルドもの。まぁ普通でした。クトゥルー神話体系を根底から覆すラストのオチには唸らされたが。
菊池秀行氏著『出づるもの』も、まぁありきたりやったかなぁ~

この神話集の中で一番面白かったのが、友成純一氏著の『地の底の哄笑』
舞台は作者ゆかりの地、九州の炭鉱地帯。そして神経科病棟にてとある怪事件で生き残った精神錯乱者の<事故報告書>という手記設定からして、夢野久作作品的雰囲気を期待してしまいます。「アハハハ・・・や、どうも院長先生。」てな感じで。
主人公は蔵の中で“つぁとぅぐあ”と書かれたグロテスクな蛙の像と古い書物(おそらく『エイボンの書』の日本語版かと思われる)を見つけ、書物の中に書かれてある呪文で旧支配者どもを喚び覚ましちゃうんですよね~。とにかくラストの魑魅魍魎たる数々の異形のものどもが跋扈する阿鼻叫喚の展開は、私のクトゥルー的好奇心を大いに満足させてくれるものでした。
物語の中で形容されてる「どす黒い肌に柔毛に覆われた巨大な蛙」はいうまでもなく“ツァトゥグア”でしょう。「蜘蛛に似た姿」は“アトラク=ナチャ”。「黒い巨大なアメーバ」は“ショゴス”に間違いございませんて!

ハードカバーの初版に収録されていた朝松健氏著『闇に輝くもの』が版権等の問題により単行本には収録されてなかったのが残念。
今後、さらなるクトゥルー・ジャパネスク作品を期待してやまない!

イア!


今日の1曲:『猟奇が街にやって来る』/ 人間椅子
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「テケリ・リ!テケリ・リ!」を聞いた!!

2008年04月28日 | ルルイエ異本
あの広範囲に響きわたる慄然たる笛を吹くような「テケリ・リ!テケリ・リ!」という声・・・
クトゥルー信者の間ではあの声がどのようなものなのか、ずっと謎に包まれたままでしたよね。
実はあの名状し難い声の音声化に成功したTV番組が日本にあったんですよ!!

怪奇漫画家の諸星大二郎・著の『栞と紙魚子』シリーズを日テレ系列が連続TVドラマ化して『栞と紙魚子の怪奇事件簿』というタイトルで今年1月から放映していたことはご存知でしょうか?




女子高生2人が怪奇事件をユル~く解決していくおバカセンス溢れるホラーコメディドラマなんですが、脇役にはけっこう有名俳優が出ております。
その中に井上順演じる怪奇小説家・段一知(だんいっち)先生という人物が登場するのですが、顔の大きさが尋常でない異界(外国人で通っている)の奥さんとの間に生まれた女の子の名前がクトルーちゃんといい、機嫌がいい時は「テケリ・リ!テケリ・リ!」と奇声を発しながらスキップします(悍)。

段一知先生。都合の悪いことが起こると、フリーズするクセがあります。


『栞と紙魚子の怪奇事件簿』公式サイト

こちらの公式サイトで全13話を全て視聴可能です(現在は配信終了しております)。
クトルーちゃんは第10話「ボリスVSクトルー」に登場しております。
イア~、これはクトゥルー信者は必見でございます!!

クトルーちゃん役はなぜかキラ・バーバという白人の女の子が演じております。


いままでどんな声なのか謎だった慄然たる「テケリ・リ!テケリ・リ!」を、是非このドラマでご堪能下さい。
(ダンフォースのように発狂はいたしませんのでご安心を)


あと、このドラマの主人公の紙魚子役には、いまをときめく前田敦子(AKB48)が演じていることを追記しておく。

今日の1曲:『赤い胃の頭ブルース』/ eastern youth(←主題歌もカッコいい!!)
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這い寄る混沌

2008年03月20日 | ルルイエ異本
星辰が正しい位置に近づいているというのか!?
最近クトゥルー神話ムーブメントの怪しい動きがあちこちで湧き起こり始めている!!

例えば、邪神占いなどという忌まわしき占星術にふけり、「イア!イア~ン。あたしハスターの末裔ですって!」とか、「わしゃあ這い寄る混沌、ないあるらとほてぷだべ!」とか、「この占い、計算がウザい、ウザ・・・ウザ=イエ~イ!ラーン=テゴス!!」などとお互いを召喚しあっている恐ろしいブログを私は見た!!

そればかりではない!先週イオンで購入したお菓子、キャラメルコーン期間限定イチゴミルク味の中に私はあるおぞましい“もの”を見てしまった。
キャラメルコーンはもともと、カブトムシの幼虫を想わせるなんともいやらしい形状をしているが、そこにイチゴミルクが混ぜ合わさるとどうなるか・・・
ああ!私がそこに見出したのは薄桃色をした小さな這う虫だった!!
最近私が読んだブライアン・ラムレイ著『妖蛆の王』(『タイタス・クロウの事件簿』に収録)という物語に出てくる書物にルドウィク・プリンが異端諮問の獄中で執筆したという『妖蛆の秘密』の中で、「サラセン人の宗教儀式」の章でもほのめかしていたあの忌まわしきマゴット(蛆)ではあるまいか!!



そして先日、私の甥が家に遊びに来て、ラクガキ用紙にある奇怪な“もの”の絵を描いて帰ったのである。
そこに描かれている、尋常ならざるものを見て私は恐怖した!
ああ、彼の夢の中にまで異形の神々どもが邪悪な波動を送り、超太古の虚ろな自分達の呪われし姿を映じせしめたというのか!?
私の甥っ子の描いたその“もの”は、とても人類が想像しえるものではなかった!!


イア!シュブ=ニグラトフ!!

今日の1曲:『Pulse of the Maggots』/ Slipknot
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テケリ・リ!テケリ・リ!

2008年03月05日 | ルルイエ異本

御伽話に伯父きがほのめかす 
遠きヒマラヤ古えの種族
テケリ・テケリと地底に木霊する
光届かぬ禁断の叡智

歴史たる名の祭司は戯れに
為政者たちを頽廃に招く
クルルゥ・クルルゥと獣の呪言が
人の神なる冒涜の奥儀

行方知れずの伯父きは何処


これは人間椅子の3rdアルバム『黄金の夜明け』のラストに収められている“狂気山脈”という曲の歌詞の一部である。
言うまでもなくかの20世紀最大のオカルティスト、アウレスター・クローリーが創設した魔術結社「黄金の暁教団」からとったアルバムタイトルである。
この不穏な音階に彩られた忌まわしい曲の冒涜的な歌詞を耳にする度に、私は『ネクロノミコン』に繰り返しあらわれる、邪悪な伝説のつきまとう、レン平原の異様で心騒がせられる描写を思い出し、大学であの凄まじいラヴクラフトの書物に目を通したことを心から悔やむのである。
その書物とは『ラヴクラフト全集4』に収められてある「狂気の山脈にて」というタイトルの作品で、そこには人類が決して足を踏み入れてはならない、恐るべき太古の秘密が語られていたのである!



ミスカトニック大学探検隊が迷い込んだ南極大陸の奥地に眠る呪われた窮極の深淵を見はるかす狂気の山脈、そこには人類史以前の太古に築かれた謎の巨大石造都市が広がっていた!!
そこでは樽状の胴、7フィートにおよぶ膜状の翼を供えた海ユリ状の頭部を持つ先行種族<古のもの>の名状しがたい異臭が立ち込め、そしてかつて<古のもの>どもが重労役のために無機物から作り出したある種の多細胞の原形質の泡の無定形の塊、アブドゥル・アルハザードがアルカロイドを含むある種の薬草を服用した夢想家以外に想像した者もいないと断言していた忌まわしき“ショゴス”のあの広範囲に響きわたる慄然たる笛を吹くような音、「テケリ・リ!テケリ・リ!」が洞窟の底から迫り来るのであった!!
(“戸口にあらわれたもの”の話によると「カモグ!カモグ!」とも鳴くらしい)


この西洋文学なども取り入れた和製ロックバンド人間椅子の意欲的な3rdアルバムには、その他、あのクトゥルーが眠っているという海底都市ルルイエ、あるいは超太古に沈んだレムリア大陸のことを想わせる“水没都市”、絞首刑者の排泄物が滴り落ちた場所から生えて、地面から抜き取る際に恐ろしい金切り声を上げ、その声を聞いた者を死に至らしめるという“マンドラゴラの花”、枕詞を踏まえた五・七・五からなる構成を大胆に取り入れた典雅な赴きを持つ“平成朝ぼらけ”などが収められている。

私はこれらの忌まわしき楽曲が納められている人間椅子の名状し難き3rdアルバムを聴く度に、「黒い穴蔵」、「ショゴスの原型」、「ヨグ=ソトホース」、「五つの次元を持つ窓の無い立方体」、「わ、ガンでねべが」などの意味不明の奇妙な言葉を囁くようになってしまった。

そして、最後にはその源があまりにも明白な、ただ1つの狂った言葉を繰り返すだけになっている。

「テケリ・リ!テケリ・リ!」と。



大越孝太郎先生の筆による「マンドラゴラの花」の挿絵だが、
海ユリ状の頭部がなんとなく<古のもの>を想わせる。




今日の1曲:『狂気山脈』/ 人間椅子
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精神追加

2008年01月29日 | ルルイエ異本
<大いなる種族>が精神移転を試みた精神 追加。

・紀元5000年に栄えるツァン=チャンという無情な帝国の哲学者イヤン=リーの精神
・紀元前50000年に、南アフリカを支配していた大頭をもつ褐色人種の将軍の精神
・バートロミオ・コルシという12世紀フローレンスの修道士の精神
・ずんぐりした黄色い体をもつイヌート族が西方から到来して征服するまで、10万年にわたってあの壮絶な極地を支配していたロマールの王の精神
・紀元16000年の暗澹たる征服者たちの魔術師ナグ=ソスの精神
・スラの活躍期に執政官をしていたタイタス・センプロニウス・ブライサスというローマ人の精神
・エジプト第14王朝のケフネスの精神
・アトランティス中期王国の司祭の精神
・クロムウェル時代のサフォークの郷紳(ジェントルマン)であるジェイムズ・ウドゥヴィルの精神
・インカ時代以前のペルーの宮廷天文学者の精神
・紀元2518年に死ぬことになるオーストラリアの物理学者ネヴェル・キングストン=ブラウンの精神
・太平洋に消滅したイヘーの大魔道師の精神
・紀元前200年のグレコ=バクトリア人の官吏テオドティデスの精神
・ピエール=ルイ・モンタギューというルイ十三世時代の年老いたフランス人の精神
・紀元前15000年のキンメリアの族長クロム=ヤの精神
・地球の寿命が終焉に近づいた時期に精神移住した水星の球根状植物の精神
・あましんの精神(これについては推測の域を出ない。重度の被害妄想の可能性大)



尚、<大いなる種族>の出生は(論争の余地のある不穏な)アーサー・ブルック・ウィンターズ=ホール牧師著『エルトダウン・シャーズ』によると、おぼめく超銀河世界イースとされていることを追記しておく。

今日の1曲:『安らぎの家』/ STEELY DAN
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時空を超えた存在<イースの大いなる種族>

2008年01月28日 | ルルイエ異本

邪神占いという自分がどの邪神タイプなのかが判るという忌まわしくも楽しそうなクトゥルー神話サイトがあったので早速やってみました。

結果、私は<イースの大いなる種族>タイプでした。

とにかく「隣の芝が青く見える」という性質を持っているのだそうです。
なんとなく思い当たる節があったので「こりゃ一本とられたかな」などと苦笑いをしていたのですが、突如ある恐ろしい考えが私の脳裡をよぎったのだった!
私の精神はひょっとしてあの悍ましき<大いなる種族>に侵食されていた過去があるのではないかということを!!

この<イースの大いなる種族>については、ミスカトニック大学付属図書館・・・いや近鉄電車の中で読んだ『時間からの影』(『ラヴクラフト全集3』に収録)という作品の中でナサニエル・ウィンゲイト・ピースリー氏の実体験を基にまことしやかにほのめかされている。

<大いなる種族>とは本来は肉体を持たない存在であり、悠久の時空を超えて精神の交換を行う技術を持つ精神生命体で、時代によって最も適当と思われる肉体を持った種族の精神に寄生して存続し続けている。彼らの精神交換によって体を乗っ取られた者は、あたかも2重人格か精神異常にでもなったかのような後遺症が残る。
もともと遠い異世界の生命体で、今から4億8500万年前頃に地球へ到来し、その超太古の地球に棲息していた円錐形の先住種族に大量に精神移住したのである。
その円錐形の種族は体長が3メートルもあり、鱗があり、ある程度伸縮可能な物質でできあがっている。2本の巨大な蟹のハサミのような鍵爪とトランペット型の赤い付属器官が4つ付いており、直径60センチほどの顔と思しきいびつな球体には3つの黒い大きな目がついている。
この生命体は6億年前から地球に先住していた“半ポリプ状の飛行する全く異質な存在”との戦いで滅び去った。
そして彼らは今も種族の存続を求め、現在の人類に対しても精神交換の試みを行っているという。

この他に悠久の時空を超えて、過去未来に渡り<大いなる種族>が精神移転を試みた精神には次のようなものがある。

・測り知れない歳月の後に金星に棲むはずの精神
・新生代初期の古第三紀の南極に棲んでいたヒトデ状の頭部を備える有翼の半植物種族の精神(一つ)
・伝説にうたわれるヴァルーシアの蛇人間の精神(一つ)
・人類誕生以前にヒューペルボリアでツァトゥグアを崇拝していた柔毛に覆われる種族の精神(三つ)
・忌むべきトゥチョ=トゥチョ人の精神(一つ)
・地球最後の時代に棲む蛛形鋼に属する生物の精神(二つ)
・5000万年後、人類滅亡のすぐ後に栄え<大いなる種族>が大量に精神転移を行う甲虫類の精神(五つ)


その他多数の精神・・・・


例えば、あなたは過去にふと目が覚めると見たこともないホテルの一室の回転ベッドの上に真っ裸で寝ていたという経験はないだろうか?そして隣にはやはり一糸纏わぬ見知らぬ女性が横たわっているという信じ難い状況に置かれていたことは??
それはひょっとするとあなたの精神が悠久の時を超えてドスケベな<大いなる種族>に精神交換されていたのだという可能性が大いにありうるのではないか??!!
(断っておくが、私にはそんな経験は全くない)


宇宙的な広がりの時の渦中における冒涜的な投影と転移は、神話や悪夢などではなく、心を打ち砕く恐ろしい現実なのかもしれない・・・

だからといって都合の悪いことはなんでも<イースの大いなる種族>の仕業としてしまうのはいかがなものかと思うが・・・

今日の1曲:PARASITE』/ EXODUS
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クトゥルーの呼び声

2008年01月25日 | ルルイエ異本
思い返せば、私が“クトゥルー”というフレーズを初めて聞いたのは、いつのことだっただろうか?
それは恐らく中学生の頃、大好きだったスラッシュメタルバンドMETALLICAの2nd『RIDE THE LIGHTNIN』』に収められてある8分以上にも及ぶラスト曲“THE CALL OF KTULU”を聴いた時ではなかったか?!
曲タイトルのスペルは“KTULU”となっているが、ラヴクラフトの原題では“CTHULHU”と表記されている。だからといってメタリカ側の誤字というわけではない。そもそもクトゥーというのは正確には人類の声帯では発音できない音からなる名前で、クトゥルー、クトゥルフ、ク・リトル・リトル、チュールー、我が国日本では九頭龍など、類似した音が当てられている。
ラヴクラフトが作品の中で初めて“クトゥルー”なるものを登場させたのが「クトゥルーの呼び声」で(私自身のラヴクラフト初体験作品でもある)、正にクトゥルー神話の宇宙的恐怖に満ちた暗黒世界への入門書ともいうべき悍ましき怪奇の物語である。
この物語の中で、ウィルコックスという彫刻家の青年が見た異様な夢の中に、緑色の粘液が滴り落ちている、ユークリッド幾何学を無視した、吐き気をもよおすような角度と線で埋め尽くされた石造都市が登場する。そこでは「クトゥルフ・フタグン」という声に似て声ではない異様な音が響いてくる。
これこそが大いなるクトゥルーの眠る墓所、ルルイエである!!


その青年彫刻家が作成した薄肉浮彫りの粘土板には夢の中で見たという蛸に似た頭部に顔面には無数の触腕が生え、ゴム状で鱗に覆われた胴体に巨大なかぎ爪、背中には未発達の細長い翼を有した怪物が刻み込まれてあった。
そしてニューオリンズの森の奥深くの沼沢地で阿鼻叫喚の祭儀を執り行っていた邪教集団が以下の奇妙な祈祷文句唱えるのである。

フングイル・ムグルウナフー・クトゥルフ・ル・リエー・ウガ=ナグル・フタグン

狂信者の説明によると「死せるクトゥルーがルルイエの家で夢見ながら待っている」という意味であるらしい。

この物語を読み終わった後、私はなにやらゾッとする形容し難い一種異様な戦慄を感じないではいられなかった。こうしてMETALLICAの2ndアルバムを大音量で聴きながら頭をふっている今でも、醜悪な太古の神々が、海底で機会の到来を夢見ながら待っているし、地上では都市の上に頽廃の影が広がり、人類の危機が接近しつつある。その時が、必ず襲来する!ファファイヤウィズファイヤ!!
今は亡きメタリカのベーシストクリフ・バートン“THE CALL OF KTULU”でワウペダルを駆使しながらも我々ヘッドバンガーに何を伝えたかったのかが、今ようやくわかったような気がする。
あの獰猛でヒズミカルなベース音!!・・・・
しかし、その日のことは考えるべきでない。考えるには恐ろしすぎる!
クトゥルフ・フタグン!!



今日の1曲:『THE CALL OF KTULU』/ METALLICA
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クトゥルー神話概論

2008年01月24日 | ルルイエ異本

正月、何気なしに新聞の広告欄を見やると、懐かしい、そしてどこかしら不吉な名前がふと私の目に飛び込んできた。

『ラヴクラフト全集別巻 下』

そう、あのおそるべきクトゥルー暗黒神話の創始者の著した禁断の書物である。


私がまだ浪人生の頃、敬愛して止まぬMORBID ANGEL人間椅子などの異形のバンドを聴くに及んで、この呪われし異端の音楽家達が歌詞の中でほのめかす何語ともつかぬ「イア・クチュル」「クルルゥ・クルルゥ」などの呪文が頻出する冒涜的な音楽をより深めようと、受験勉強そっちのけでブックセンターや古書店にてラヴクラフト全集などを読み漁り、<クトゥルー神話体系>なるものの暗黒と幻想に満ちた宇宙的恐怖の深淵を垣間見ようと、日々冒瀆的修得に挑んでいた。

しかし、私は元来それほど読書家でもなく、読解力に乏しかったので、ただただこの難解極まりない表記の字面をボケ~と辿っているだけで、その書物に隠された膨大なる恐るべき宇宙の秘事や暗黒の物語が示す名状しがたきものどものイメージが殆ど頭に入ってこなかった。
ジョージ・ヘイ編の『魔道書ネクロノミコン』『ク・リトル・リトル神話集』なども読んではみたが、そこに書かれてある内容は到底私の理解力の及ぶ範囲のものではなかった。

それから長い歳月の間、私はクトゥルー神話からは遠ざかり、平々凡々な日常生活を営んでおったのですが、今年の正月の新聞の広告欄の“ラヴクラフト”という不吉なる名前を見た瞬間、再び私の心の奥底に封印されていたはずのどす黒い邪な好奇心が沸々と蠢きだしたのである!!
その日から私はこの数週間の内にミスカトニック大学付属図書館にて・・・いや、近所の本屋さんでクトゥルー神話関連の書物を4冊も購入し、寝ても覚めてもこの古き神々と異形のものどもの犇く名状しがたき世界に没頭するあまり、朝も起きれないでいる。



ああ、私はまたしても人類が決して触れてはならない外宇宙に通ずる禁断の扉を開いてしまったのだ・・・

イア!ヨグ・ソトト!!



そもそもクトゥルー神話体系とは何か?
これから私が述べていこうとしてる事柄が、ただの精神錯乱者の世迷い事と一笑に付される前に、以下のこの神話に関する“教義”を読者諸氏に説明しておかねばなりますまい。


「人類は地球の唯一の支配種族ではなかった!!」

私たち人類が出現するよりも遥か以前の超太古、原初の地球には外宇宙から飛来した異形の存在たちが君臨していた。世界各地の神話や伝説に語り伝えられる悪魔、妖怪、怪物のような姿をした原始的な神々などは、かれら“旧支配者”たちの似姿なのだ。

混沌を支配する盲目にして痴愚の神アザトース、一つにして全てのものヨグ=ソトース、海底の都ルルイエに眠る大いなるクトゥルー、神々の使者にして闇に吼える者ナイアルラトホテップ、名状しがたきものハスター、千の仔を孕む森の黒山羊シュブ=ニグラスなど。

星辰の移り変わりと、宇宙全体を巻き込む大いなる戦いによって、“旧支配者”は地上から姿を消したが、いまなお地底や深海、異次元空間に潜んで、星辰が正しい位置に戻るその復権の機会を虎視眈々と窺っているのである。

そして“旧支配者”の送る邪悪な波動に導かれ、アラビアの狂詩人アブドゥル・アルハザードが著した『ネクロノミコン』をはじめとする魔道書に記された秘法を用いて異界の扉をひらき、かれらと関係を結ぼうとする妖術師や邪悪な宗教組織も、古来、後を絶たないのだ・・・。」


“それ”は確かにいる!!今にも“それ”は旧神の封印を破って復活を遂げようとしている・・・

イア!!ハナモゲラ!!



今日の1曲:『全ての邪な神々よ!』/ MORBID ANGEL
コメント (7)
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