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AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

永劫より

2010年12月01日 | ルルイエ異本
せっかく月3回も映画を1000円で観られる日があるというのに、近所のマイカルではろくな映画がやってない。
邦画のくだらなそうなアイドル映画か、3Dを施しただけの続編モノばっか。
だからといってゲオの100円レンタルで子供向け特撮ヒーローものをかりとるオレもどうかしてるぜ!

今回かりたのは1996~1997年にかけて放映された平成ウルトラマンシリーズの第一弾『ウルトラマンティガ 13巻』。




実はこのティガ最終巻にはなんと!超古代尖兵怪獣ゾイガー、そして邪神ガタノゾーアが登場するのだ!
フフフ・・・ここまで書いたら暗黒神話を読んでいる者ならピンとくるかと思います。

そう!何を隠そう、ティガの監督小中千昭先生は大のクトゥルー神話好きで有名なのです!

まぁクトゥルー神話研究の一環とはいえ、ええオッサンになってからこのような特撮ヒーローもんを鑑賞するのはかなりキツいものがあった。
ただ、クトゥルー眷属邪神群(CCD)などという、邪神モンスターが続々と登場するラムレイ作品などを読んでると、怪獣退治的な稚拙さが否めないところもあるんですよね~、クトゥルー作品って。

南太平洋に突如浮上した「超古代都市ルルイエ」から、とうとうそのおぞましき姿を現した「闇の支配者」にして「世界を暗黒に塗りつぶす者」ガタノゾーア。




無数の触腕、鉤爪、邪悪な眼光・・・
これはクトゥルーの落とし仔であるガタノトーアそのものであると言っていいかもしれない。

ティガもやはり、ガタノトーアの持つ触手によるオールレンジ攻撃に苦しめられる。



フォン・ユンツトの不埒な著書『黒の書』によると、ガタノトーアはルルイエではなく、古代ムー大陸の聖地クナアの中心部に聳えるヤディス=ゴー山の頂きに巨石造りの巨大な要塞の地下墓所に棲息しており、地球の生命が誕生する前に地球を植民地にしていた暗黒星ユゴスの落とし子どもによって外宇宙より連れてこられたのだという。

『黒の書』によると、ガタノトーアを目にした者は、甚だ慄然たる類の麻痺と石化が起こり、犠牲者は肌が石や革に変じるとともに、脳がその内部で半永久的に生き続けるということがほのめかされている。

ガタノゾーアの魔力で石化してしまったウルトラマンティガ。



かつてシュブ=ニグラスの大神官、トゥヨグはこの邪神に立ち向かうべく、ラグ金属で作られた円筒容器の中に収めた、石化を免れるナアカル文字の不思議な呪文の書かれたプタゴン皮紙の巻物を携えヤディス=ゴー山に向かったが、ガタノトーアを崇拝する大神官イマシュ=モの謀略で、彼は邪神による石化魔力の餌食となった。


マサチューセッツ州にあるキャバット博物館には、その石化したトゥヨグのミイラが未知の金属から作られた円筒容器と共に展示されてあるという。
(この博物館には、噂のミイラを見るために、かのチャンドラプトラ師も来館したらしい。)
その石化したミイラの左目を覗くと、トゥヨグの網膜に焼き付けられた邪神ガタノトーアの恐るべき姿が映し出されるという。
そして、その姿を見たものもやはり・・・・・


聞くところによると、ガタノトーアの似姿を目にしただけでも石化すると言われているのだが、幸い小中千昭監督がプロデュースしたガタノゾーアの姿で私の身体が石化することはなかった。
ただ、同時出没した超古代尖兵怪獣ゾイガーを画面上で目撃した時は、その姿のあまりのショボさ加減に思わず石化してしまったことを告白しておく。




ゾイガー。
言うまでもなく、ビルマのスン高原にあるとされている伝説の廃都アラオザルの地下深くに封印された、星間宇宙を歩む双子の神格ロイガーをもじった怪獣名である。
ロイガーは緑の目と奇怪な触手を持つ巨大で邪悪な肉塊で、かなりグロテスクであるとされるが、このゾイガーはどう見ても単なるトンビ怪獣。

サンドウィン氏が、「わしはクトゥルーも恐れはせんし、イタカとて恐れはせん。しかし、チベットの高原でツァールに仕えるトチョ=トチョ人を従えるロイガーだけは別じゃけん」と言わしめたほどの脅威的な存在だとは思えないし、こいつはほとんど別物だと言ってよい。
ただ、負傷した自分の翼を自らもぎり取ってしまうだけの根性はあるようだ。


ガタノトーア、ロイガーに関する文献は以下を参照。

・コリン・ウィルスン著『ロイガーの復活』
・ヘイゼル・ヒールド著『永劫より』(『ラヴクラフト全集 別巻 下』に収録)
・オーガスト・ダーレス著『闇に棲みつくもの』(暗黒神話大系シリーズ『クトゥルー 4』に収録)




今日の1曲:『SHOES』/ TIGA
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アザトース

2010年10月28日 | ルルイエ異本
いや~『エイボンの書』は実におもしろい。

人類が進化する前に地球を順に支配していた“九つの超地球種族”の小史が述べられている『暗黒の知識のパピルス』なんかもよかったが、最後の章の『補遺』に収録されている“エイボン書簡”、特に第二の書簡(エイボンの黙示録)の中で述べられていた“オールド・ワンの家系”に関する記述は、大いに心騒がされる内容であった。


とりあえずその記述を基に“オールド・ワンの家系”を相関図的な形で紙に書いて簡単にまとめてみました。



エイボンはクトゥルーのことを“クトルット”と呼んでたみたいね。なんかカワイイ。


ところでみなさんはこの世がどうやって始まったか、考えていて気が狂いそうになったことはありませんか?

この世の始まりがどうであったかというと、それは“恐ろしき始まりの思考”でしかなかったと言われております。
そして、この“恐ろしき始まりの思考”は「原初の最高神」アザトースの思考であったと、この書簡には述べられておるのです。

アザトースは“白痴にして混沌の神”と言われるように、彼はある時を境にSAN値が0以下に低下してしまいます。つまり正気を失ってしまったんですね。
そしてその彼の熱にうなされた精神から、1組のすさまじい想像の産物が生まれました。
それが「始まりの恐れ」と「憎しみの真実」と呼ばれる双子。
この子たちは、この狂気に陥った錯乱の神を決して目覚めさせるべきでないと結論づけ、大いなるアザトースを眠気で包み続ける甲高くて不調和な旋律を鳴らし始めた。
多分これが、時を超越した想像もおよばぬ無銘の房室で踊り狂っているこころを持たない不定形の楽人たちが鳴らしていると言われるあの“下劣な太鼓のくぐもった狂おしき連打と、呪われたフルートのか細き単調な音色”なのだと思う。
「始まりの恐れ」と「憎しみの真実」の機転の利いた子守唄のおかげでアザトースは断続的な昏睡状態にあるんですね。
でもアザトースがいつか目を覚ましたならば、全世界は霧と消えうせちまうんですよーー!!
キャーー!!

そこでアザトースが熱にうかされた夢の中で、「始まりの恐れ」と「憎しみの真実」にわずかな間演奏をやめさせるため、産み出したのが“サクサクルース”。
サクサクルースは「無限の雄雌同体の欲望」であり、今やこのものはあらゆる点でアザトースと同一の本質を共有していた。
サクサクルースは自分自身を雄性(ナグ)と雌性(イェブ)とに分け、お互いを配偶者として交じり合わせ、自分たちの姿に似せてクトルット(いわゆるクトゥルー神)を産み落としたのである。

そしてこの冒涜的なるおぞましき近親婚を次々と繰り返し、ガタノソア、ユトグタ、ゾス=オムモグ、ギズグス、フジウルクォイグムンズハーなどの神格が続々と産み落とされ、「暗黒の上天(プレロマ)」を創り上げたのだ。


今われわれはオールド・ワンたちの完全で無膠なる偉大な力を知った。
彼らには千年も一日にすぎず、彼らの前には人類など目覚めしときの夢にすぎないのだ!
そしていつか彼らは目覚めるであろう!

おお!すべての原因と手段の莫大なる堕落よ!

盲目にして餓えたる混沌よ!


って、クトゥルー神話も結局は夢オチかい。


まぁでもこの“オールド・ワンの家系図”を参照に、万聖節前夜に『エイボンの書』に記載されている“アザトースの灰色の儀式”を執り行ってみるのもいいかもしれません。




この背徳的なGROTESQUEなるバンドは、人気メタルバンドAT THE GATESの前身となったバンドとも言われてます。
なんか初期CARCASSっぽいな。

今日の1曲:『Spawn of Azathoth』/ GROTESQUE
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エイボンの書

2010年10月09日 | ルルイエ異本

最近の本ブログの記事を読んで下さってる方はお気づきかと思われますが、私は近頃コモリオム神話群や、特に『エイボンの書』をよく読んでいるわけなんですが。
いわゆるヒューペルボリアものですね。
しかるがゆえに、文章の端々にその影響があらわれてるでゲロゲーロ。


本書は、ロバート・M・プライス編纂の約400ページに及ぶ『The Book of Eibon』が日本語に翻訳され、2008年に新紀元社から出版されたのを今年の春頃に入手したもので、あまりといえば残念すぎる稚拙な表紙絵とは裏腹に、本書は5章のパートから成る恐ろしく内容の濃すぎる本格派クトゥルー読本で・・・

第一の書「古の魔術師たちの物語」、第二の書「ムー・トゥーランのエイボンの逸話」、第三の書「暗黒の知識のパピルス」、第四の書「沈黙の詩篇」、第五の書「エイボンの儀式」(呪文や印章の図付)の他、ムー・トゥーラン地図、かの『ナコト写本』の断章や、エイボンの書き遺した書簡などを付した『補遺』を含め、心騒がされずにはおれない冒涜的充実の書となっている。




ウルティマ・トゥーレとムー・トゥーランの地図



『エイボンの書』とは、最後の氷河期が始まる一世紀以上前、有史以前に存在したヒューペルボリア大陸の極北の地、ムー・トゥーランの魔道師エイボンが著したものを、彼がサイクラノーシュへ失踪後、弟子がまとめたものであるとされる。

もともと忘れさられた言語であるツァス=ヨ語で書かれたものであり、13世紀に名高い錬金術師にして隠秘学者、ヴィヨンヌのガスパール・ド・ノール(彼の詳細についてはクラーク・アシュトン・スミスの『イルーニュの巨人』参照)がノルマン・フランス語に翻訳し、『Liber Eibon』と題名をつけた。
ちなみに中世ラテン語の翻訳本が一冊ミスカトニック大学付属図書館に保管されているという。




この『エイボンの書』には、かつてヒューペルボリア大陸を支配していたというヴァルーシアのヘビ人間、原初の毛深い人間以前の先住民ヴーアミ族、忌まわしきラーン=テゴスを崇拝する人食いのノフケー族・・・etcなどの歴史なども語られています。


実際エイボンはこれらの事柄を彼がかつて蒐集、所持していた巻物、および書物を基に書いたのだと言われています。
そのエイボンのコレクションのいくつかを以下に紹介しておきましょう。

・穴居人の粗野で残忍な手で刻まれた古えの恐ろしい秘密に基づく『ヴーアミ碑板群』
・暗黒星ユッグゴトフの年代記が記録されているという、人間がいまだに解読できない『ナコト写本』
・人間どころか哺乳類によるものとはとうてい考えられない著者による、悪夢のようなページを含む『カダス録』
・古代のムーの恐ろしい遺産である黒い神話を記し現代まで伝わった『イエーの儀式』
・人間の真の起源についての忌まわしき推察と、宇宙の誕生がすさまじくも冒涜的なものだが、幸いなことに立証できないという不穏なほのめかしを述べた『プノムの羊皮紙文書』
(人類が進化する前に地球を順に支配していた“九つの超地球種族”の小史が述べられている『暗黒の知識のパピルス』はこの文書を基盤としたものではないか!?)
・未来人による時空を超越した底知れぬ漆黒の深淵に通じる袋状の器官を有する球状の耳の無い猫のことがほのめかされた『のび太の異次元超越記』


これらの資料を基にエイボンは黒い片麻岩の館で、暗く有害な神話、礼拝式、儀式、そして邪悪で秘伝の呪文を学びとり「魔術の基本原理の手引書」をまとめあげた。
そしてまた、最古の呪文と、イオグ=ソト(ヨグ=ソトース)およびゾダグィ(ツァトゥグア)の秘密の、人の記憶から失われた口碑を書簡に残したのである。
そう、彼は聳え立つエイグロフ山脈にあるヴーアミタドレス山の地下に位置する洞窟世界、ンカイの暗闇で禁じられてきたヒキガエル神、ツァトゥグア崇拝の帰依者であったのだ。



そしてツァトゥグアの庇護を受け、エイボンは幾度も生まれ変わり、彼の7回目の転生とされる大神官クラーカシュ=トンによって暗黒の知識の書物はアトランティス大陸へと受け継がれたのである。
この大神官は、スケベ心を起こしたせいで魔術師モジランにツツモタセの術でその精神をワイン壺の中に閉じ込められ海に流されたらしいんだが、その後どうなったんやろう?

ところで、クラーク・アシュトン・スミスも多分エイボンの239回目くらいの転生だと考えるのは私のいきすぎた空想だろうか?
そして、この私もまたエイボンの3825回目くらいの生まれ変わりだったりするかもしれないし、しれないかもしれない。


日本各地でも太古よりヒキガエルの像を崇めるというツァトゥグア信仰が浸透している。




とにかく、この『エイボンの書』は暗黒神話体系を研究する上でも極めて資料性の高いものである。
この書に比べると最近サンクスで500円で購入した『本当に恐ろしいクトゥルフ神話』なんぞは極めて“ヘイボンな書”と言わねばなるまい。

イクイ・ドロシュ・オドフクロンク!

おお、ツァトゥグアよ

ンカイとヨスを統べる 聖なるヒキガエルよ!




今日の1曲:『KAWAZU』/ MORBID ANGEL
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名状し難き子供

2010年09月26日 | ルルイエ異本
なんてツイてないのだろう!!
ヒマそうだからといって、姉が私に甥の子守を託して子どもサッカークラブの父兄会みたいなのに行ってしまった。
なんということだ!私は子供が大の苦手なのに・・・
特にこの甥は「不吉なる子供」、「かのものどもに魅入られし申し子」、「ヒトの家の冷蔵庫を漁るクソガキ」として、私がおおいに苦手としている子供なのだ。
そう、何を隠そう、この子供こそ旧支配者とのなんらかの繋がりがあると思われる(いや、あるとしか思えない!)あの名状し難き子供なのだ!
(詳しくは過去ログを参照されたし↓
http://blog.goo.ne.jp/amashin666/e/3983f12c18ed70547a647cedb88c3fab

ああっ!ツイてないとしか言いようがない!
しかもたいして私になついてないし!

私には、木津の密林の奥深くに古くから不気味に聳え立っているという“ふぉとん”なる冷たい灰色の金属で作られた奇妙な建造物のあるところまで甥を連れていくという任務を課せられた。
この建造物のことは人類以前の書物であるという『ナコト写本』にも詳しい記述はない。
甥は普段とは違うしゃがれ声で言う。

「定命のものよ、オマエも大いなるものが創りたもうた神秘的で偉大なる所業の数々を見たければ、ついてくるがよい。」

いや、ついてくるがよいって、俺が車で連れて行くんやろうが・・・
しかし彼の妙に含みを持たせた凄みのある誘い文句に抗うこともできず、彼を車に乗せてしぶしぶその場所へと連れて行った。
周りには古色蒼然たる遺跡がいたるところに点在している。太古の昔、この周辺でいかなる数々の血生臭い冒涜の儀式が執り行われていたのだろうか?



そこへ着くや、私の甥は真っ先に“光の福笑い”なる祭壇へと私を導いた。
そこにはなにやら護符めいた象形文字が刻まれた鏡台が並べられている。
この象形文字は人類誕生以前の文字としか思われない奇妙な形をしていた。

イア! イアグサト=ヨグ=ソトース=イアグサト!
ンガーング アイイ カエ カエ ポケモン カードォ! 

人顔を模った古々しい碑石にひとつ目の巨人キュプクロスの像を浮かび上がらせる。

「定命のものよ!これ、オマエのかーちゃん!」とはしゃぐ甥っ子。

このガキャ・・・どついたろか!
彼は知っているのだろうか?私の母親はつまり自分の祖母であるということを!


その日40名限定の「青銅鏡みがき」なる忌まわしき冒涜の儀式に参加させられるハメになった。
選ばれし40名の子供にはそれぞれユゴス星でしか採掘されない“原初の青銅”とダイソーで手に入れたというサンドペーパーが配られた。
大人はその子供達の冒涜行為を参列者として見守ってなければならない。
ああ!なんたる仕打ち!なんたる拷問!
そのますます高揚していくあまりにも背徳的な研磨行為によって、なんとも鉄臭い、吐気を催おすような邪な粉末が大気中に広がり、それを吸い込んだ私はとてつもなく気分が悪くなるという二次災害に見舞われた。


なにかにとり憑かれたかのように一心不乱に研磨行為に没頭する子供たち。
何がそんなに面白いのか?家でガンプラを作っている方がどれだけ有意義であろうことか。


無垢なる選ばれし子供たちによって磨かれた石は、やがて邪な光を放ち“旧き印をもたらせしヌトセ=カームブルのまれなる輝ける石”として完成形となる。
その不吉なる輝く石をこちらに向けて不適な笑みを浮かべる甥っ子。

「低迷のものよ、オマエにこの輝きがわかるか?旧支配者どもが深淵より到来するのを導く最果ての周縁の第七次元にまでとどく、この大いなる素晴らしき輝きが!」

誰が低迷のものやねん。



イア!シュブニグラトフ!




今日の1曲:『Come to Daddy』/ Aphex Twin
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平城のいやはてをさまようもの

2010年05月12日 | ルルイエ異本
『ネクロノミコン ~アルハザードの放浪~』には旧支配者どもの畏怖すべき知られざる秘密、悠久の太古から伝わる様々な禁断の奥儀が記されていた。

「シュブ=ニグラスとの契約の条件」、「本質の塩とその使用」、「カダスに通ずる第六の門」、
「猫の不可解な習わしとその祭儀」、「ショゴスについて」・・・・etc.

旧支配者が目に見えぬまま、悪臭を放ちながら跋扈する荒寥とした地では、しかるべきときに言葉が抑揚をつけて唱えられ、儀式の連祷が叫呀される。
旧支配者の声とともに風がおらび、旧支配者の思念とともに大地が鳴動する。

平城宮跡をさすらい、魔殿や地下洞窟に知識を求める者は、茸の胞子を浴びた蜘蛛の干物を食することによって第二の視力を得、通常の人間には不可視の、尋常ならざる存在を見ることが可能となる。


南方の砂地を徘徊してると、突如朱雀門を守護する不定形の神まんとくんが顕れた!!
サイクラノーシュ(今でいう土星)より1300年前にいにしえの奈良に到来したと言われ、せんとくんとは敵対関係にある。
体中柔毛に覆われていることから、ツァトゥグアの従兄弟の友達の知り合いの親戚ではないかと考えられている。


辺りは阿鼻叫喚。いけにえに捧げられる子供たち。



この可塑性を持つ水色の神格は支那大陸より到来した擬似の神ガンビーモドキ、通称名をばんぱくん。

ああ!!そんな!!
私のキーホルダーについている粘土の精霊を模った護符人形と恐ろしくも似通っているではないか!



仮面サイダー・・・仮面サイダー・・・サイダァァァ・・・サイダ~~~~♪



この太古の石碑に刻まれし奇妙な象形文字は・・・
測り知れない永劫の太古にクトゥルーの落とし子によって地球にもたらされたという、あのルルイエ語ではあるまいか!!

ケフ・ココノヘニ・・・ニホヒ・・・ヌルカナ・・・

ニ・ホ・ヒ!ヌルカナァァ~~




今日の1曲:『太陽賛歌』/ PINK FLOYD
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クトゲーにおける理不尽な死に方集

2010年04月25日 | ルルイエ異本
やつらが来る。
かつて私は地獄の魔力を解き放ち、今やその代償を支払わねばならない。
デルセトは邪悪なものの餌食となる。
陽はすでに落ちた。
仮にも私の肉体が見つかっても、わが魂は失われているだろう。
支配者の憤激と、その奴隷たちの心に生ずる恐怖が手に取るように感じられる。
奴らの足音が聞こえる。 私の行ないを理解してくれるものもいるだろう。
神よ許したまえ。 さらば

~ジェレミー・ハートウッドの手紙より~


前ログのクトゥルー絡みでメタ友のアンジェ嬢からクトゥルー神話をベースとしたアドベンチャーゲーム『アローン・イン・ザ・ダーク』の報告を頂き大変興味をそそられちょちょいとググったところ、このゲームに関しての様々な奇怪極まりない情報を得ることができた。
私自身家庭用ゲーム機を持ったのは、二次会のトイレットペーパーゲームで勝利した時の景品のドリーム・キャスト(死語)が最初だったというくらいゲームには疎いので、クトゥルーゲーム(いわゆるクソゲーならぬクトゲー)などはもちろんやったことがなく、一体どういうものなのか非常にこころ騒がされるものであった。

しかし、たまたまYOUTUBEで『アローン イン ザ ダーク 理不尽なトラップ集』という映像を発見し、それを最期まで観た私はそこに映し出された名状し難き映像のあまりの理不尽さに爆笑・・・いや、恐怖した!



まずいきなし廊下の床が抜けて転落死には抱腹絶倒。
緑色した浮遊する異様な球体の集積物はもちろんヨグ=ソトースでっしゃろ?
そんなもんに出会ったらそら即死ですがな。
しかし、このMIDIっぽいBGMとか、クリーチャーどもの鳴らす効果音とかに妙な気持ち悪さ、おぞましさを感じます。
絵から飛び出てきた斧を脳天に2発食らっておきながら何事もなかったかのように歩き出す主人公もある意味恐怖だが。
あと、自分でどかした樽に轢かれて死亡ってそんな殺生な!

噂にたがわぬ理不尽さだ!
こんなもんクリアーできるんかい!

極めつけなのが、本を読んだだけで死亡するというやつ。
本文に“クトゥルフ・フタグン”とか“千匹の子を孕みし森の黒山羊”などの文字が書かれてあるのでおそらくアブドゥル・アルハザードの『ネクロノミコン』か、ルドウィク・プリンの『妖蛆の秘密』の類であろう。
いや、ラヴクラフトの小説でもせいぜい発狂するくらいなのに、読み終わった後いきなし胴体ビニョ~~~ンって!!

理不尽だ・・・理不尽すぎる!!
またこの時の主人公の断末魔のうめき声が切ない・・・
ウアゥアアア~~・・・・って。

この理不尽さはある意味クトゥルー神話の持つ宇宙的恐怖の本質をついてるかと思われます。
だいたい生身の人間がクトゥルー邪神眷属どもとまともに戦って勝とうなんぞ、思い上がりも甚だしいことなのだ。

このゲームを根気強く最期までやり遂げた人もいるかも知れません。
けどおそらくその人も発狂してるか、「テケリ・リ!テケリ・リ!」という言葉を繰り返すだけとなっているであろう。


で、アローン・イン・ザ・ダークつながりということで今日はこの曲をば。
しかもあえてリレコーディングのスティーヴ・ゼトロ・サウザー・ヴァージョンで。


今日の1曲:『Alone In The Dark』/ TESTAMENT 
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気分はルルイエ~イ!

2010年04月22日 | ルルイエ異本
イエロー&インディゴカラーが目印の某古書店で最近集め出した「新ナニワ金融道」の特価本でもないかと100円コーナーを物色していると、思わぬ書物を発見してドキっとした。
室山まゆみ著の『とびきり特選あさりちゃん③~気分はホラー~』である。
もう川で鮭を捕獲する熊の勢いで即購入である。

はいそこ!引かない!
早まってはいけない!

私がなぜこの80年代に小学生の間で人気を博した少女向けドタバタギャグマンガを購入したのかというと、それにはちゃんとした訳があるんです。
この『とびきり特選あさりちゃん③』の中には、当時未掲載になった禁断の作品が2話収録されている。
そのひとつというのがなんと「クトゥルーの呪い」という題目なのだ!!



おそらく、小学館の当時の担当編集者がこのエピソードは小学生の過敏な精神にとってあまりにも不健全で教育上悪影響を及ぼしかねないと判断して、指し止め、お蔵入り措置をとったのであろう。
しかし、室山さんはどういう狙いでこの冒涜的なエピソードを描いたのであろうか?

最初に海から手だけがぬっと現れるクリーチャーはありきたりのスクリントーンで描かれてはいるが、クライマックスで海から這い上がってくる魍魎たるクトゥルーは水木しげるばりの点描写で迫力満点に描かれており、かなりのおぞましさである。
姉のタタミが「人にモノをねだる時は名前くらいなのれ!」といきまいた時に、かのものどもがいうセリフがたまらない。

「我はクトゥルー。太古の地球に、宇宙より飛来した神。
人間どもの造り出した神により、地の底、海の底に封印された神なり。
されど我等は再び地上にもどる。
人間の脳を食らい力を貯え、再び地上を支配する。」

いや、この作者、小学生相手に何を描いとんのや!
トチ狂ってるとしか思えませんわ。
てゆーか相当暗黒神話に精通しており、この分野に入れ込んでいたかと思われる。



しかし、永劫の歳月を閲してこの幻のエピソードが日の目を見ることになろうとは・・・
しかもそれが奈良の片田舎の古書店においてあるなんて・・・
星辰は正しい位置に近づいているのかもしれない。

ああ、汝、死して横たわりながら夢見るものよ、
汝の僕が呼びかけるのを聞きたまえ。
ああ、強壮なるクトゥルーよ、我が声を聞きたまえ。

フングルイ・ムグルウナフ・クトゥルー・ルルイエ・ウガフナグル・フタグン!!

いや、だから引くなっちゅーの!


今日の1曲:『God O.D.』/ Meat Beat Manifesto
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ありえざるポニョ

2010年02月07日 | ルルイエ異本
先週の金曜ロードショーでついに地上波初、宮崎駿監督『崖の上のポニョ』が放映されましたね。
いや、放送されてしまった!
あの忌まわしき戦慄のアニメーションが!!

映画が上映された当時も、この作品が明らかにラヴクラフトの『インスマスを覆う影』を元にして描かれたものであると、多くのクトゥルー論者を騒然とさせておりました。
「かつては私も人間だった」というポニョの父親による台詞は、マサチューセツ州の港町インスマスにあの忌まわしき「深きものども」を引き込んだ、オーベッド・マーシュ船長を彷彿とさせ、ポニョがお母さんと呼ぶ「あの人」は太古のデボン紀の海を懐かしんでおり、どう考えても「旧支配者」のなんらかの類にほかならないなど(「あの人」と呼んで決して名前を口にしないのは、その名前が「忌み名」だからという説も筋が通っている)、以上のようなことがどのクトゥルー関連記事においても、まことしやかにほのめかされている。




私も金曜の放送を1時間遅れで見ていたが、最初は「なんだ、ただのお子ちゃま向けのかわいらしい話じゃないか」と、股間をかきながらリラックスムードで傍観していた。

しかし!!ポニョが突如人間から魚の姿に変容していく様を見た時、私は恐怖した!

あれはまさしく“インスマス面”そのものではないか!!




“インスマス面”とは、両眼がギョロリと膨らむ蛙、あるいは魚のような容貌のとこ。
かつてマサチューセッツ州の港町インスマスでは、深海からの種族「深きものども」と人間たちとの忌まわしき異種交配が盛んに行われた。
大いなるクトゥルーの眷属である「深きものども」の血を受け継いだ子孫たちは、生まれてからある程度の期間は普通の人間と変わらない姿をしてはいるものの、同族との接触や極度のストレスなどをきっかけに“インスマンス面”と呼ばれる「蛙に似た容貌」に変容するのである。

    

日本の著名人でいうなら、さかなクン。彼はあきらかに「深きものども」の血を受け継いでる者かと思われる。
あとはその特徴が顕著にみられるのが日本の現首相である鳩山由紀夫氏であろう。
あれはどう見ても宇宙人というよりインスマス面そのものだ。
民主党が外国人参政権を強引に採決し、いずれは「深きものども」にも参政権を与え、やつらにこの日本を乗っ取らせる気でいるのでは?


いや、そんなことよりだ。
私は仕事の疲れからウトウト居眠りしてしまってこの「ポニョ」の放送を半分も見れてなかったのだが、普段映画やアニメを忌み嫌う母がやたら熱心にこの作品に見入っていたではないか!
まるで故郷を懐かしむかのように・・・

そういえば、30過ぎてから私は急激に頭髪の方が薄くなってきている。

満州生まれだと聞いていたが・・・

私の母は・・・・もしや!!





ふとメタリカのナンバー「THE THING THAT SHOULD NOT BE」の歌詞が私の脳裡をよぎる。


「恐怖の使者が姿を現わす / 暗黒の欺瞞が光の息の根を止める

混種の子供たちは海を見つめ / 自由に徘徊する祖先に祈る

恐れ知らずの輩 / 狂気 / 彼は見つめる / 海底に潜みながら

偉大なる父 / 禁じられた光景 / 彼は探す

影の狩人が今、立ち上がる / 不死 / その狂気の中、お前は暮らす」


ラ・ル・リュー!クトゥルフ・フタグン!ラ!ラ!

いや、私は決してリーブ21なんかに行きはしない。そんなマネは断じてごめんだ!


私はいずれあの怪しい影に包まれたインスマスにでかけるのだ。
そしてあの沖合いにうずくまっている暗礁目指して泳いで行き、暗黒の深淵を潜り抜けて、巨大な石を積み上げた、太い柱の立ち並ぶヰ・ハ・ンスレイに到着したら、深海の魔神の巣窟の中で、驚異と光栄とに包まれたまま永遠にそこを棲み家とするだろう。




「深きものども」のことについて謳ったメタリカ3rdアルバム『Master of Puppets』収録の名曲。
歌の3番では、アラビアの狂詩人アブドゥル・アルハザードのあまりにも有名なあのニ行聯句が!


「そは永久に横たわる死者にあらねど 

測り知れざる永劫のもとに死を超ゆるものなり」


今日の1曲:『THE THING THAT SHOULD NOT BE』/ METALLICA
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アーカム計画

2009年12月15日 | ルルイエ異本
・・・いあ・・・んがい・・・いぐぐ

てゆーか、絶版になっていたロバート・ブロック著の『アーカム計画』が復刊していた。
ぐぐってたら偶然Amazonでこの書の新刊を発見して、「まだ在庫あったん?!」と興奮して見えざる邪悪な力に突き動かされるままカゴに入れてしまっていた。

今年は東京創元社の50周年らしく、それを記念して復刊して欲しい文庫のリクエストを募ってたんですね。
厳選10冊だったらしくって、まさかその一冊の中にこの『アーカム計画』が入っていたとは・・・
人智及ばぬ暗黒の深淵からのなんらかの緒力が働いていたとしか思えんな。

ロバート・ブロックはアメリカの怪奇小説家で、ヒッチコック監督映画『サイコ』の原作者としても知られている。
また熱心なクトゥルー神話体系の研究者でもあり、彼が師と仰いでいたクトゥルー神話の提言者ラヴクラフトからは“ロバート・ブレイク”と呼ばれていた。

そしてロバートは救いがたいほど軽率なオカルト探求者としても有名である。
彼はとある日、南ディアボーン通りの古書店であのルドウィク・プリン著の『妖蛆の秘密』を発見、さっそくプロヴィデンスの老神秘家(それがラヴクラフトだったという)に翻訳してもらおうと意気揚々とこの呪われし書物を持ち込んだが、この哀れな老神秘家がチョンボして人間の血を貪る<星の送りし下僕>を召喚してしまい、彼が魔物に食い殺された後、ロバートはその家に火を放ってトンズラ。
それにも懲りずに、今度は19世紀にプロヴィデンスで暗躍したカルト教団“星の智慧派”の本部であったフィデラル・ヒルの廃教会に忍び込んだ。
そこで輝くトラペゾヘドロンの箱を発見し、あろうことか、その蓋を閉じてしまったことにより封印が解かれ、這い寄る混沌<ナイアルラトホテップ>を召喚してしまう。
その一週間後、自宅の書斎の中で感電死体となって発見される。

ロバートの死後、発見された彼の日記の中から、ナイアルラトホテップの恐怖を綴った最期の手記をここに紹介しておこう。


「あの尖り屋根が見える あの塔が 窓が 聞こえる ロデリック・アッシャーだ
塔の中であいつが動きだし歩き回っている わたしがあいつであいつがたわしだ
(中略)
あいつが見える ここにやって来る 地獄の風 巨大なにじみ 黒い翼
ヨグ=ソトホース!救いたまえ 三つにわかれた燃え上がる眼・・・」

ロバート・ブロック氏 
ラヴクラフトとは小説の中でお互いを殺しあうほど仲が良かった。



で、今回入手した『アーカム計画』って、一体どんな計画なんでしょうかねぇ。
どうせ魔力を持った石笛を吹き鳴らしたり、ビヤーキー召喚して黄金の蜂蜜酒でへべれけになりながら星間宇宙を旅したり、万聖節前夜に環状列石の前でズカウバの薫香を焚いたり、バルザイの偃月刀で多角形を描いたりして、ヨグ=ソトホースやらシュブ=ニグラスなんかを召喚するといった、ロクでもない計画なんだろう。


今日の1曲:『God of Emptiness』/ MORBID ANGEL
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フジウルクォイグムンズハー

2009年10月11日 | ルルイエ異本
イ~ヒッヒッヒッヒ!!

京都丸太町の某古書店より、太古の忌まわしき禁断の書物が大量に届いた。
国書刊行会から発行された『真ク・リトル・リトル神話体系』第1~5巻の旧版である。
当時定価2900円というなかなかの高価本。

イヤ、ヤフオクで激安セット価格で出品されとったんで思わず落札しちまったんですがね。
ただ、一冊にかかる送料を全く念頭に置いてなかった。
これだったら家から本屋に直に買いに行った方が(ヒイフウミイ・・・・)高いわ。

最近これのスリムで安価になった新編が出てるんですがね。私も2冊ほど購入しました。
でも旧版の方が厳めしい装丁で雰囲気あるんで、ヨグソトースアイテムとして所持しておきたかった。
それに本書にはなんともオドロオドロしい挿絵がついていて冒涜性に溢れている。

あと第2巻にはあのアラビアの狂詩人アブドゥル・アルハザードが記したとされる「ネクロノミコン断章」の日本語訳が収録されている!
あ、でもこれ以前学研から出てたジョージ・ヘイ編のテキストに載ってたやつと一緒か。
フングルイ・・・

ク・リトル・リトル神話体系には様々な人が翻訳に携わっていて、中には“黒魔団”なんて翻訳者(組織?)もいる。
おっかねー


あの『ネクロノミコン』の表紙に印刷されていたのと同じ印が刻まれている。ブラスフェミー!!


邪神がいっぱい!君はいくつ名前が言えるかな? 
(ロバート・ブロック著『顔のない神』の挿絵より)

これでまたさらなる快適なクトゥルーライフが送れるぞぉ~

しまったアアアーーーーー!!!
私の部屋には、もうモノを置くスペースが・・・ない!!

今日の1曲:『地獄のこうもり』/ JERUSALEM
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しゅぷぅにぐらとふぅ

2009年04月14日 | ルルイエ異本
クトゥルー本を切らしていたので、「リトル・リトル・クトゥルー」という史上最小の極東神話小説集とやらを買って読みふけりました。

これは極東におけるクトゥルー神話流布の第一人者であらせられる東雅夫氏が企画募集した、アマプロ作家による投稿文字数800字以内の「広義のクトゥルー神話に属するオリジナルの掌篇小説」が111篇収録されたものであります。
「手乗りクトゥルー」「アルハザードの娘」「同人誌ネクロノミコン」「それゆけ!ダゴン秘密教団日本支部」「キ・テウル・ク・エ・キエル・ケ」など、タイトルだけ見ててもワクワクしてきませんか?

“ディープ・ワンズもの”、“ウルタールの猫もの”、“ダンウィッチもの”、“ユゴスよりのもの”と、なかなかクトゥルティーに富んだ掌篇集でしたが、私の好きな“大いなる種族もの”がひとつもなかったのがちょっと残念でした。
まぁ5編に1つおもしろいのがあるくらいで、レッドカーペットを見てる感覚に近いものがありましたね。タイトルの割には期待ハズレな話も結構あったり。

この中で群を抜いていたのは、やはり最優秀賞も獲られてる黒史郎さんの作品群でした。
ズゥ~~ンと心の奥に沁み込んでくるような見事なまでの暗黒描写!しかもかなりオリジナリティに富んでいて素晴らしかった!
身の毛もよだつ後味の悪さなんかも秀逸で、ダーレス作品なんかよりずっと宇宙的恐怖を感じましたね。

ユル系も結構おもしろくって、特に推定マンモス著の「奉仕種族ショゴスとの邂逅」はツボでしたね。
「ギザテケリ!」とか、ショゴたん(笑)とか。
アキバ系は好かんけど、この話は洒落が効きすぎてて好感がもてました。
あと葦原崇貴著の「Radio Free Yuggoth」もワロたな。
レディオネーム「立方体すきすきすー」やら、DJミゴ(NIGOではない)やら(笑)。

しかし、こういうの読んでクスクス笑うようなったら、ホンマ人間的にヤバいと思います。
いよいよ悪魔の暗礁空域(デビルズリーフ)に近づきつつあります。


極東和製プログレッシヴ・デス・バンド、五人一首。

“人間椅子+DREAM THEATER”という形容はピッタリやね。普通にカッコいい。
キーボードの人は元筋少の三柴理氏を尊敬しているそうだ。
全員超絶プレイヤーで、演奏も凄いんだが人間椅子ほどのケミストリーや深さはさほど感じられない。
ヴォーカルに難アリ(特にノーマル声の部分)かな。

今日の1曲:『経文刻印身体』/ 五人一首
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精神交感マニア

2009年02月23日 | ルルイエ異本
イースの大いなる種族(オーストラリアのナコタス型)

追伸

そういえば、『タイタス・クロウの帰還』において、大いなる種族に精神侵犯されたタイタス・クロウが、時空を越え、会話した様々な精神たちを紹介するのを忘れてました。

こんな感じでした。

・金星が太陽に引き寄せられ生命が熱死したとき以前にその衛星のひとつに棲んでいた珊瑚状生物の精神

・朧にして壮大なヴァルーシア大陸に住む二人の蛇人間の精神

・一千万年も続く宇宙彷徨をいまだに終えられない巨大彗星の核の中で冬眠する半植物状生物の、ようやく目覚めたそのあまりにも異質な精神

・先史時代のノーサンバーランドを支配していたキンメリア団の族長クロムーヤの精神

・古代エジプト第十四王朝の碩学ケフネスの精神

・トイトブルクの森の戦いでローマ軍を討ち破ったゲルマン人の戦死ウルフレッド・ヘルマン・フリーマンの精神


ナサニエル・ウィンゲート・ピースリー氏に比べるとたいしたことないですね。

Marco Minnemann - Drum Solo

最近エディ・ジョブソンやトレイ・ガンらと近年のクリムゾンっぽいヌヴォメタバンドを組んでおります。
このマルコ・ミネマンの驚異的なドラミング・・・バケモノですね。
彼の精神と交感してみたいものです。

今日の1曲:『Nevermore』/ U.K.
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ユッグゴトフって・・・やれやれ!

2008年12月25日 | ルルイエ異本
先日、新聞でとても興味深い記事を発見しました。

“「世界の屋根」ヒマラヤ山脈一帯では、半人半獣、直立歩行するイエティという生き物がいると信じられてきた。日本でいう「雪男」
その足跡が見つかったと10月20日、ネパール・カトマンズ発でAFP通信が打電した。
ニュースの源は、何と日本の「イエティ探索隊」の7人。
点在する黒い岩の様子がいつもと違うのに気づいた。「あそこに岩があったっけ?」と、目を凝らすと、最も手前の岩が伸び上がり、沢を下りて行ったそうだ。
隊員に声をかけ、ビデオカメラを回したが、ガスに覆われてもう何も見えなくなり、そのものは姿を消した。
後日、長さ18センチ、幅8センチの足跡が発見された。
探索隊の高橋好輝隊長は「大型類人猿の一種が間違いなくいる。ヒマラヤで独特の進化を遂げたオランウータンの亜種ではないか」と考えている。”

やれやれ!彼らはまだ知らないようですね。
「ヒマラヤ山中を彷徨う謎の怪物」の本当の正体が、地球外生命体であるミ=ゴウにほかならないということを!!

ミ=ゴウはユゴス(冥王星)に前哨基地を持つことから「ユゴスよりのもの」と称されています。
外見は全長約150センチ。薄桃色をしており、甲殻類のような胴体には膜の様な翼と、何組かの関節肢がついている。
しかし彼らは生物学的にいえば、動物というよりはむしろ植物に近く、構造は菌類に属していると、彼らに接触したことのあるヘンリー・W・エイクリー氏がウィルマート教授に宛てた手紙に書いてあるそうです。

ミ=ゴウ(ミ=ゴ、マイ=ゴウとも)

画像を見る限りではどう見ても虫ですよねぇ~
こいつはヴァーモント種属に特有な「エーテルに対抗する翼」を保有していて、熱も空気もない惑星間の宇宙空間をそっくりその体のままで渡っていくことなぞ朝飯前なんだそうです。
彼らはジュラ紀に地球に飛来し、地球でしか見られない貴重な鉱物を得るため、現在も地元民などを利用しながらヒマラヤ山脈やアンデス山脈、アパラチア山脈などで秘密裏にせっせと鉱物採集に従事しているみたいですよ。
ちなみに彼らは我々のいる宇宙とは全く質の違う種類の物資からできており、電子の振動率が全く違うため、地球上の普通のフィルムや感光版には写らないのだとか。

こいつがなんでヒマラヤの雪男と同一やねん!全然違うやないか!と訝しがる方も多いかと思います。
一説によるとイエティは、ミ=ゴウの驚異的な外科技術によって、外見を変化させたものだといい、またある一説によると甲殻型とは別種のミ=ゴウの類人猿型らしいとのことです。
なんかこじつけも甚だしい気もしますが・・・

なんにしても、現在雪男探索にやっきになっているイエティ探索隊が、逆に彼らに捕えられて、外科手術を施され脳だけ抜き取られて、ユゴスで採掘されたエーテルを通さない特殊な金属物質でできた円筒型容器に入れられて、外的宇宙の最後の湾曲した縁を越えた彼方へと連れ去られないことを祈るばかりです。

そんな私は、エイクリー氏が安息日の夜、ヴァーモント州のダーク山の山裾にある洞窟の、石で塞がれた入り口の近くでレコーディングしたとされる「イア・シュブ・ニグラトフ!その山羊に千人の若者の生贄を!」という詠唱を繰り返すボストン訛りの人間の声や、地球上の生命体の発音器官からのものとは思われない、耳慣れぬ異常なほどがやがやとうるさくしゃべっている声などが収録されてるあの幻のレコード音源のCD化を待ち望んでやまない今日この頃である。

やれやれ!聖なる夜だというのにまたミスカトニックな記事を書いてしまった。

最後に、フィオナが歌う雪男にまつわるクリスマスにピッタリの、心温まるこのアコースティックナンバーをお送りすることにいたしましょう。

クリスマスオムニバス企画盤『Christmas Calling』に収録。


今日の1曲:『Frosty The Snowman』/ Fiona Apple
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ダゴン

2008年10月04日 | ルルイエ異本
例のブラジリアンスラッシャーの話だが、どうやら最近自動車の免許を取りに行ってるらしい。
日本語のテキストは難しいので英語で受けることのできる外人専用の教習所に通っているらしいが、
なんと大阪から岐阜まで通ってるのだとか!
ほんまかいな!教習代だけでもバカにならんのに、時間と交通費が莫大過ぎるやろ!
まぁオートマ限定らしいので、それほど時間はかからないのかもしれない。
にしても仕事もあるから毎日通えるわけでもないやろし、ちゃんと修了できるのか心配ですわ。
実技はまぁ慣れやからいけると思うけど、学科とか大丈夫やろか?
私自身、標識はいまだにわからんの結構あるしなぁ~
Uターン禁止の標識ってけっこう見かけますけど、時間帯によってはUターンしてええみたいな数字が表示してあるあれがようわかりません。あの時間帯はUターンしてええの?あかんの?

先日Uターン禁止の標識のある交差点でおもいっきりUターンをかましたのだが、ちょうど右方向にパトカーが信号の先頭でデーンと停まってるやないですか!!
「やばい!!パクられる!」と思わずアクセルに力が入る私!
いまにもウ~~ウ~~というサイレンが聞えてきそうで気が気でありませんでした。
必死で車群の中に紛れ込み、右折レーンに滑り込む。
どうやら追っ手はまいたみたいだった。(いや、全く追われてなかったみたいだが)
家に着いてホッと安堵の息をつく。

警察官達ははなからあきらめてたのか?それともやっぱUターンしていい時間帯だったのか?
今となってはそれは謎のままとなってしまった。
とにかく私は捕まらずにすんだのだ。よかった、ほんとうによかった。
今は気持ちを落ち着かせるため、読書でもしよう。古代ペリシテ人の伝説に出てくる海神に関する書物でも読んで、まだ形作られていない闇の諸領域を魔王セイタンが恐ろしくも登っていく様でも思い浮かべよう。

しかし、もし京都ナンバーの黒のスバルを警察が探し回っていたら・・・

ドアが音をたてている。何かつるつるした巨大なものが体をぶつけているような音を。
ドアを押し破ったところでわたしを見つけられはしない。いや、そんな!
あの手は何だ!窓に!窓に!



今日の1曲:『ゆらゆら帝国で考え中』/ ゆらゆら帝国
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ひろいものおとしもの

2008年09月03日 | ルルイエ異本
クトゥルフ様のお導きか、私が今年に入ってから捜し求めていた幻の書物がとあるブックオフであっさり見つかって(しかも105円で)拍子抜けしました。
その書物とは菊池秀行氏の初クトゥルー神話作品『妖神グルメ』
もちろん今や絶版となっており、1984年朝日ソノラマ文庫から出版されたやつでセラエノ断章ばりの希少本でございます。
いや~今年読んだクトゥルーものでも1、2を争う異色作で、しかもラムレイ作品ばりの読みやすさときたもんだから非常に楽しく読ませていただきました。
とにかくノリが非常にユルくってユーモラス。
妖神クトゥルーは、限りなく飢えていた! このままでは星辰の位置が定まっても復活は危ぶまれる。」 なんていう大いなるクトゥルーが空腹で動けなくなるという発想自体、ぶっとんだ設定ではございませんか!!
そこで邪神復活のための鍵を握るのが、日本の高校生の窮極の料理人、内原富手夫の作り出すイカモノ(というよりゲテモノ)料理だった。
“ないはらふてお”。お察しの通り這い寄る混沌ナイアルラトホテップをもじったものですね。
この少年はクトゥルー眷属邪神をも屈服させる料理の腕前の持ち主なんですが、彼の邪神ハンター的使命感の全くない、とぼけたのほほんキャラがかなりいい味出してます!
クトゥルーに仕える者たちに拉致されたり、凍てつく荒野のレン高原に放り出されたりしますが、周りで何が起ころうが意に返さずされるがままで、常に窮極の料理の事しか考えておりません。
アブドゥラ・アルハズレッドをはじめ、深きものどもを率いるインスマス出身のマーシュ氏、その邪教集団を追跡するC.I.Aを指揮するのはハワード・アーミティッジ博士と、クトゥルーファン馴染みの名前が次々と出てきます。みんなじっちゃんの名に懸けて頑張ってるんだね。
米軍の原子力空母とダゴンが大乱闘を繰り広げたり、マーシュ氏率いるクトゥルー派とオリバー・ウェイトリー率いるヨグ・ソトト派がマフィアばりの抗争を繰り広げたりと、出し惜しみなしのクトゥルーお祭りどんちゃん騒ぎです。
この作品が面白いのは米軍が徹底的にコケにされたり、アメリカの食文化を結構バカにしている描写がみられるところですかね~
クトゥルー神話の教義もタップリ出てきますし、様々なクトゥルー名所も巡り渡っていきますのでガイドブック的な楽しみ方もできるんですよね~
そしてスプーンにクトゥルーが乗ってる表紙もまたいい!!(最近ではソノラマ文庫ネクストから表紙違いが出てますがこいつはかなりイケてない)
本当に久々にいい買物した~って感じでしたね。

ところがなんです!!最近2回目を読んでいたんですが、イオンのトイレにこの希少本を忘れてきちゃったんですよ!!俺のバカバカ!バカ・ソトト!!
そうなんです。私にはトイレ(大)にこもって読書に耽るという習癖があるのでございます。今まで財布を置き忘れたことはありますが、本を忘れたのは今回が初めてです。
サービスセンターに問い合わせてみましたが、本などは届けられてないとのこと。まぁクトゥルー信者はともかく、便所にあった本を誰かが持ち帰るなんてことは考えられませんし、恐らく清掃係がゴミと一緒に捨てたというのが一番考えられる線ですな~あの本の価値も知らずに。
凹むわ~

もし先週の火曜日にイオンのトイレでこの『妖神グルメ』の本を拾ったという奇特な方がいらっしゃったならば、私にご一報願います。もしネコババしようなんて考えを起こされますれば、汝にクトゥルー神の呪いが降りかかるでしょう。
もしくは、この本持ってる方がいらっしゃればどなたか譲ってくれないでしょうか?ダメですか?



今日の1曲:『N.W.O.』/ MINISTRY
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