「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

スマート・グリッド

2009年07月08日 | 太陽光発電
 太陽光発電が稼働を始めて、1週間がたった。今日は朝から雨で、やんだと思っても雲は厚いまま、また降ってきたりするような天気で、5kWhしか発電しなかった。一方、薄曇り程度から日も差した4日には22kWh発電。本当に雲次第で発電量が変化する。こんな不安定な電源の割合が増えて、それが系統電力に流れ込むとなると、電力会社は制御が大変だろうなと思って先日も書いたが、当然そんなことは、政府が太陽光を大幅に増やすと言ったときから議論されていて、資源エネルギー庁の研究会(低炭素電力供給システムに関する研究会)で報告書が出たということも、先日の日記でリンクした。
 それによると、去年の「低炭素社会づくり行動計画」で、政府は太陽光の導入目標を現状の10倍(約1400万kW)とし、今年の4月にはそれを20倍(2800万kW)に引き上げた。でも、現状の送電網が耐えられるのは1300万kWまでなのだとか。そのため、高性能な蓄電池開発や変圧器の増設、揚水発電の拡大などで「スマートグリッド(賢い送電網:未来型低炭素電力網)」を構築する必要があり、そのために最大で6兆7000億円の投資が必要だとのこと。
 このときの1400万kWとか2800万kWというのは設備容量で、実際、太陽光電池の稼働率は約12%だそうだ(ちなみに、うちのこの1週間の稼働率は14.3%)。しかも、夜はゼロで、日中も天気によって大きく変化する。日本全体の電力需要はピーク時で1億7000~8000万kW、ゴールデンウィークなど少ないときは1億kWぐらいらしいから、2800万kWといったらかなりの割合になる。さらに2030年には40倍の5300万kWにするという目標もあるらしいから、そうなると、よく晴れた日の日中は3分の1とか、2分の1近くを太陽光で賄うなんてことにもなるのかもしれない。ところが、ゼロ・エミッション電源として、太陽光とともに増やすとされている原子力は出力調整が利かない電源だから、これだけのボリュームに対応した他のこまめな出力調整ができるバックアップ電源と高性能な蓄電池システムがないと、安定した電力供給は不可能だろうなというのは、素人にも納得できる話だ。それを今後の技術開発によって早急に実現していかなくてはならないという話だから、(技術のことはよく分からないけど)なかなか大変な道のりのような感じはする。当然、次はその費用負担はという話にもなってくるのだろうな。

 全体の供給システムだけでなく、「家ごと電力消費を制御するスマートハウスの研究を後押しする必要性も強調した」とある。今でも、系統連係しないで独立システムとして構築すれば、余った電気を売ることはできないけれども、個々の家の単位である程度エネルギー自給みたいなことができるのだろうと思う。実際、ふりだし塾なども太陽光パネルとバッテリーをつないで電気を賄っているそうだけど、やはり雨が続くと、ディーゼル発電機に頼ることになるとか。オール・オア・ナッシングではなくて、ある程度個々で蓄電して、原則うちで使う分を賄った上で、余れば売れるし、足りなければ買えるようになるといいなと思う。
 また、九州電力と沖縄電力管内の離島では、太陽光や風力と蓄電池を組み合わせたマイクログリッドの実証実験が始まるとのこと。うちの村のような山に囲まれたところも、そういう小規模分散型の仕組みの方がいいような気がする。

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