「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

「ストップ・リニア!訴訟」信州スタート集会

2015年12月15日 | リニア新幹線
 一昨日の日曜日、飯田で「ストップ・リニア訴訟 信州スタート集会」が開催され、100人近い人が集まった。
 リニア新幹線沿線住民ネットワークでは、国交省が昨年10月17日にリニア工事実施計画を認可したことに対して、12月に5000通を超える多数の申立書を集めて異議申立を行ったものの、1年近くたつ今も、裁決がいつ出るのか全く分からない状態。そこで、認可取り消しを求める行政訴訟を提起することを10月30日に院内集会を開いて公表し、その後、11月4日の川崎を皮切りに、静岡、東京、山梨、名古屋、相模原、中津川と、沿線各地域で訴訟スタート集会を開催してきて、飯田の集会が最後になる。
 リニアのさまざまな問題点は、沿線以外ではほとんど知られていない状態のまま、18日には南アルプストンネルの山梨県側(早川町)で起工式が行われる。大鹿村の長野工区は事業者を選定している段階だけど、村が求めている環境影響低減策について多くの村民の納得のいく回答はまだ得られておらず、住民の「理解と同意」が得られてはいない状況だし、静岡だって残土置き場の集約、導水管トンネルなどについて、まだ協議中の段階のはずなのに、同じトンネルの反対側では工事が始まってしまう。早川町の中にだって住民の不安の声はあるようだけど、そうしたことは沿線以外ではほとんど報道されることもなく、多くの人たちは「夢の超特急」着工と思っているか、あるいは開業もかなり先の話なので関心自体も薄い状況なのだと思う。しかし、リニアは自然環境や生活環境が壊される沿線地域だけでなく、国全体にとっても大きな問題点をたくさん抱えている。それが国家プロジェクトでありながら、民間企業の行う事業であるため情報公開法も適用されず、国会でもほとんど審議されないまま進んでいくことの問題点が、裁判の提訴によって、より多くの人の注目を集め、議論のきっかけになればよいなと思う。

 裁判を起こすとしたらどういう形の裁判がよいのか、沿線ネットでは以前から議論を重ねてきていたけれど、沿線全体で一緒に取り組むことなどから、今回の裁判については行政訴訟でいくことになり、昨年の異議申立をした人しか原告になれない。しかし、裁判をしていくにはたくさんのお金がかかるので、原告にはなれないけれども裁判を支えたいという方(サポーター)も募集している。

 原告側弁護団を担当していただく関島保雄弁護士、地質学者の松島信幸先生のお話の後、各地からの報告があった。ここでは若い人たちからさまざまな活動の紹介もあり、大鹿村からは、リニア新幹線を考える登山者の会と連携した活動(「リニアで南アルプスに行かないよ」ワッペンパネル展など)の紹介、阿智村からは音楽CD「夢のリニア超特急」の紹介などもあった。

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